第24話 新しい部下と新しい派遣

 見事に惨敗した。


 奇数の国はめぼしい人材がほとんど居なくなって、ユーリの存在感はマスマス上がった。うなぎ登りだ、というよりはドジョウ登りくらいであるが、それでもヒトケタ数字の人材は貴重である。


「さすがに、少し危機感を覚えるな」

 そう言って安楽椅子に沈むユーリ。

 腹心の部下である「29」ジレンマと「39」トリレンマ、この二数もあっさりと戦死してしまった。


 だが私は知っている。この世界ではヒト月もすると新しい数が生まれてきて兵も補充されるので国民が尽きることはないし、戦争も終わらない。


 そして、今度はプリンセス・ツウの方から連絡が入った。


「いやー、この前はどうもー。ジェネラル・ファイブのおっさん、惨殺しちゃってごめんね~」

 ふむ、軽いな~。そして、こちらが彼女を騙し討ちしようとしていたことは不問のようだ。実力が違いすぎて気付いていないのかもしれない。


「次は惨殺しないから素数なおムコさん候補をよこして?」


「分かった。ただ、あんまり期待しないでくれよ」


「オッケー。待ってる」


 通信を終えて少し悩んでいる様子であったユーリは、


「よし、ブレインになる者を連れてこよう」

 そういって、新しい部下を探しに街に出た。


 結果。

ブレインを求めて居たので、知恵者として名高い「193」を連れてくるかと思えば、連れてきたのは「893」である。

らしいといえばらしいので私は批判しない。


 新しい部下は「ハンシャ」という名前を与えられた。

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