第20話

「いや、よく来てくださった。なにやら、ヒミツのお話とのことで、いつもながら「急」なお方ですな」

「はい。お互い、宮仕えの切なさ。ちょくちょくこういう仕事があります。極秘の任務」

「ジュークボックス殿は苦労人ですな。ま、ファイブのファはファイトのファ、戦うことはお任せください」

「それはそれは頼もしい、実はカクカクシカジカ」

「なるほど、妻よ。どう思う?」


 奥から「5」将軍の妻が出てきた。噂の「33」サーティ・スリーである。姉さん女房と見える。極秘と言っているのに妻を呼んでしまう「5」将軍とそれを当然と登場する「33」サーティ・スリー。

 5と33、数学的因果は見い出せないので、神を気取る作者が何となく決めたのだろう。


 「5」将軍、ジェネラル・ファイブは聞いてもいない妻との馴れ初めを話し始める。


「妻「33」サーティ・スリー、彼女は海上防衛に就いていた頃の上官です。奇数の国は階乗となるとさっぱりでしてな」


 階乗は必ず結果が偶数にしかならない。そんなことにもこの世界は気が付かない。

 海上では無敵といえる偶数の国はギリシャ、奇襲が得意な奇数の国はスパルタ。ペロポネソス半島の戦争に例えればそうなる。そして、どちらも滅びることはなく、いつまでも無駄な戦いを繰り広げるのだ。


「あるとき、妻と同じ艦に乗り合わせ……」



 ♪上官と乗艦。漂える無常観。

 ナナナナ~ナナナナ~「7」王子は船酔い~。

  上官の情感。やれそうな臨場感。

 ナナナナ~ナナナナ~「7」王子は退場~。

  5GoGo強引に。5GoGo豪快に。



 ラップなのか、なんなのか、ナゾの歌とともに話は終わった。


「ま、ファイブのファはファイトのファ、戦うことはお任せください」

「それは、さっきも聞きました。実は、カクカクシカジカ」

「それは、さっき聞きました。ま、その森に行きましょう」

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