第19話
「たしかに、やっちゃうのは手っ取り早いよね。戦争の激化は避けられないけど、これをキッカケに終結に向うかもしれない。失敗しても俺に責任はないし、「5」将軍の忖度という話だ。よきかな、よきかな」
部下たちの説得に応じたユーリ。
「さて、あとは、どうやってあの場所まで連れて行くか、それが問題だ」
部下である「29」ジレンマと「39」トリレンマ、この二数は簡潔に完結だった。
「国境に魔女が出没しますから退治してください、そう伝えるだけではないですか!」
「ん〜、まあ、それでいいか。じゃあ、俺はツウ信機でプリンセスを呼び出しとくから」
ツウ信機というのは、ユーリが召喚した三流の悪魔に造らせたC級機関。
「CQ、CQ、応答願います!」
「CQ、CQ、応答願います!」
「CQ、CQ、応答願います!」
「CQ、CQ、応答願います!」
こんな感じで使う、いまいち使えない機械。
応答はあった。もちろん相手はプリンセス・ツウ。
「何よ。連れてくる数は決まった? プライムな奴よ、プライムな奴!」
「ああ、楽しみにしておいてくれ。国境でこちらには背中を見せて待っていて欲しい。最後までワクワク出来るだろう?」
「ふうん。まあ、いいわ。この前と同じ場所で逢いましょ」
それだけで、通信は終わり。
「それじゃ、ジュークボックス。「5」将軍をご案内して差し上げて、詳細は道々伝えておいて」
「か、閣下!」
いやいや、見事な丸投げである。仕方なく私はまず、「5」将軍の家を訊ねる。
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