第14話 トップ怪談

 国の境にあるメメント森は奇数国側に三角形のシルエットをした奇葉樹、偶数国側には四角形のシルエットをした偶葉樹が茂る。


 その下に生える花々の花弁も奇数国では奇数、偶数国では偶数と決まっている。


 花占いはその花弁、ハナビラを一枚ずつ取りながら「好き、嫌い、好き、嫌い…………」と、唱えていくもので、花弁の数の奇偶が重要となる。


 国の境にしか咲かないディエムという花はコスモスであってカオスのような花であり、二分木と三分木を組み合わせたフラクタルな葉と赤とも白ともつかないピンク色。


 花うらないをするための花というのも花弁の奇偶がまちまちであるからだ。


 さて、その森に来て花を摘む乙女、花占いをする乙女、メルヘンで微笑ましい情景ではない。

 この世界での花占いはおぞましく穢らわしい呪いの儀式である。

 なにしろ、偶数奇数でいがみ合う中、それで占いをするというのは人骨でフトマニをするような行為。

 

 それをしながら待つ「2」こと、プリンセス・ツウ。


来る


来ない


来る


来ない


来る


来ない


来る


来ない


来る


来ない


来る


来ない


来る……


 そこに、我らの首相ユーリが登場する。

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