第13話
「行かれるのですか?魔女に会いに」
「当然だ。イカれた者にしか見えない世界がある」
「何か、あってからでは遅いです」
ジレンマ、トリレンマはユーリを止めようとしている。
なんとなく、それは部下としての習性である。
ユーリは訊く。
「何かあるかもしれない。無いかもしれない。敢えて聞こう。奇数国に私に何かあって困る奴はいるか?」
彼らは考える。奇数国は困らない。王は彼を嫌っているし、軍も彼に期待していないし、民はこの男のことなど知りもしない。
自分たちも仕える主人が変わるだけのこと。この奇矯な男から別な主人に変わられてもなにも悪いことはない。
「では、お止めはいたしませんが、……」
「分かった。お前たちは連れて行かない」
安堵する二つの数。
「ジュークボックス! お前は来い」
やれやれ、めんどくさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます