第12話

 偶数国「2」姫ことプリンセス・ツウはその名前だけで奇数国の数たちを恐怖させる。

 

 しかし鈍感力を持ったユーリは、まったく気にする様子がない。


「さてさて、プリンセスともあろう者が禁忌の悪魔召喚に手を出すとは驚きですな」


「それはお互いさまでしょ。でも、そのイカれた者同士で手を組むって話しなら乗らなくもないわよ」


「具体的に何が出来る?」


「国境にメメント森という森がありますでしょ。そこにはディエムという花が咲いている場所があるの。森の一番奥で丁度国境にあたる場所よ。カルペ・ディエムと呼ばれている場所なんだけど、」


「ディエム?」


「知らない? ディエムは花うらないに使う花なの。別名は「その日の花」」


「知らないな」


「常識無いのね」


「奇数国の者は常識を超えるのだ」


「まあ、常識知らずには頼もしさもあるわね」


「で、あろうが」


「イカれた者、にだけ見える世界」


「イカした者でもある」


「アタシはあなたが来ようと来まいとその場所に、カルペ・ディエムには居ます。興味がお在りならおいでくださいな」


 ツウ信はそこで切れた。

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