第21話
「はぁ?」
思わず目を点にして大口を開けてしまう。
一方的に言うだけ言って、消えてしまった。
何かもらえるのかと思ったら、消えてしまったのだからムカついても仕方ないだろう。
左手の
「
腕輪の
腕輪の
それで、これからどうする?
まぁ、蜥蜴が消えてしまったし皆と合流して一度戻るか。
闘技場の入口を振り返るとと傾斜を登った先に扉がある。
反対側にはいつの間にか新しい鉄の門がある。
入口は石の扉、出口は鉄の扉。
次からあの扉の向こうに進むことになる。
ちょっとした覚悟を心に秘めて、坂道を引き返した。
……マジか?
坂道を引き返して石の扉に着いたんだけど、石の扉が開かない。
押しても、引いても開かない。
ドンドン叩いても、何の反応もない。
帰れない。
休憩がてら斜面に腰掛けて闘技場を眺める。
銀色の蜥蜴が色々と説明してくれた最後、
そう言えば、
右肩に止まった
助けてくれないか。
プンッ、
あっ!
慌てて
闘技場の真ん中辺りに着くと、僕の左肩に戻ってきて止まった。
肩に止まった
光がゆっくりと強くなって、収まったときには光の中心だったところに金属の塊があった。
鉄? いや、銀か?
一辺が二十センチメートルほどの金属の立方体。
なるほど。
五行、
しばらくすると、金属ブロックの表面か結露し始めた。
水が付いてる。
これも
だって、金属ブロックが生まれたときは淡い光があったのに、今は光がなかった
再び
素早く金属ブロックを
出口の鉄の扉に止まると、僕を待っていた。
出口の扉は入口の扉をそのまま鉄にしたと言っていい。大きさも同じで高さ三メートルほど、両開きで両方の扉に波型の紋様と二匹の蜥蜴が彫られている。
尻尾を上にして下を向いた蜥蜴が力の象徴に見えると言うと褒め過ぎだろうか。
扉に掘られた蜥蜴の方が大きいんだけど、
扉の前に立つと
そうだよな。
戻れないなら、進むしかない。
ここに迷宮ができたときから、前に進むしかない。
鉄の扉をゆっくりと押し開き、闘技場の外に出た。
蜥蜴の遣り口が勘に触るが、進んでやるさ。
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