第22話 合流

 俺はスケルトンとワイワイ肩を組みながら話をしていた。


 すっかり打ち解けていたが、回りから見たら不審者としか見えないだろう。


 骨と全裸の男が肩を組み合っているのだ。


「魔王様ー!」


 どこからか呼んでいる声が聞こえた。


「ん? 誰かが呼んでいるな」


「迎えに来たのか?」


「あっ、魔王様だ!」


 遠くから走ってきたのは幼女のスライムだった。


 しかし、急いで探していたのか形が少し変わってきていた。


「おおお、おい! 溶けてるぞ!」


 そんな姿に俺はあたふたとしていた。


 だって人間の顔が半分溶けてスライムの状態で走ってくるのだ。


「おー、あれがさっき言ってた仲間か」


「そうなんです」


 待っている間にスケルトンには自身の境遇を話していた。


 異世界から召喚されたことを話したのはスケルトンが初めてだった。


 魔物だが、スケルトンにもしっかり心があり人間に対して怒っていた。


 隣にいる俺も一応人間のはずだが……。


「魔王様どこに行ってたんですか! 探したんですよ」


「ごめんね。ついびっくりして逃げてきちゃった」


 俺の安全が分かるとスライムも少しずつ幼女の姿に戻った。


 そして、遅れて後ろからコボルト達が追ってきていた。


「魔王様! スケルトンは魔物です!」


 ボディーガードのコボルトは手に短剣を構えると、スピードを上げてスケルトンを切りつけていた。


「あああ、骨がー! って生きてるんですけどね」


 スケルトンは相変わらず呑気だった。


「魔王様離れててください」


 俺とスケルトンの間にしっかりと入って距離を無理やり取ったのは、さすがボディーガードだ。


「お前らありがとう。だがこいつらは友達だぞ」


 俺の言葉にコボルト達は驚き、スケルトンと交互に見比べていた。


 スケルトン達も静かに頷いていたため、コボルト達は武器を片付けた。


「あー、こちら一緒に仕事をすることになったスケルトンです」


 俺はスライムとコボルト達に紹介することにした。


 スケルトン達も一斉に頭を下げていた。


 意外にそういうことに関しては真面目なようだ。


「魔王様! スケルトンは陽を浴びれないけど大丈夫なの?」


 スライムの一言にスケルトンに視線を移すと、スケルトン達も忘れていたのか下顎骨をガクガクとさせて音を鳴らしていた。


 怯えているのかなんなのかはわからないが相変わらず面白い。


「あっ、えーっとまずは夜に移動しても大丈夫?」


 俺はコボルト達に確認をすると頷いていた。


 コボルトは夜でも目が見えるため特に問題ないようだった。


「とりあえず、小屋の周辺で場所を用意して考えようか」


 少しずつ暗くなってきたため、そのまま小屋まで移動してから考えることにした。

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