第11話 健康器具
――20分後
あれから1単位分(20分)のリハビリをメタルスライムに行った。
よく筋硬結が出来ている人に鉄板でも入れてきたんですかと冗談で言っていた日常が本当に起こるとは思わなかった。
「久々に疲れたわ……」
メタルスライムの肩凝りは治り、硬度は若干落ち、柔らかさを少し取り戻していた。
そんな中、何かあるのかスライムが俺を突いていた。
「ん、なんかあ……あーー!!」
俺は忘れていた。治療が終わると同時に光り輝くことを……。
「あー、光る前に何か言ってくれよ」
視界が少しずつ回復するとスライムはきっと呆れたのだろうか体を傾けて、手を横に広げていた。
「チクショー! それで何が……あれ? 増えてないか?」
目の前にいたメタルスライムは一つの塊から三つになっていた。
大きさはちょうど三等分した程度で一つ一つが水晶玉サイズになっている。
するとメタルスライム達は近づくとまた光を放っていた。
「だから先に言ってくれー!」
急な光にまた転げ回った。それにしても見た目や形体が変わる時に光り輝くのはヒーロー戦隊モノの変身シーンみたいだ。
「はぁ……はぁ……」
気づいた頃には俺はぐったりとしていた。ただでさえ仕事終わりなのにこの有様だ。
ゲームであればHPが0になっていただろう。
しかし、体を張ったことでメタルスライムの分離の能力をみてあることに気づいた。
この能力を使ってあれが作れないかと……。
「ひょっとしてこういう形になれるか?」
俺がジェスチャーで表したのは小さなボールが二つくっついた物。単純に健康器具とかで売っている凝りほぐしの道具だ。
「大丈夫そう……ギィヤアアアア」
話終える前にメタルスライムが形を変えだした。
今度こそ瞼を閉じようと思ったが、話していたためタイミングが遅れてしまった。
「もう俺はダメだ……」
そのまま目を開けるのを諦め眠りにつくことにした。
そんな俺をスライム達が突っついていた。
「もう体力切れだああああー!」
俺はマッサージ用の健康器具を手に入れた。
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