第40話_家族サービス
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うわー、ヤバいです!
書き貯めがもうないです!
あぁぁぁ……どうしよう……。
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040_家族サービス
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ふー。コージのおかげで家に帰ったのは朝だった。あのクラブの後にカラオケとか、あいつどんだけ遊びたいんだよ。
始発で帰ってきたから母さんが起きていて、かなり目を吊り上げていた。
「あんたが帰ってくるからって、お父さん夜遅くまで待ってたのよ」
「悪かったよ」
「そうやって不貞腐れて、まったく……」
朝ご飯の支度をしながら、ぶつぶつ言うのは以前も変わらない。懐かしい光景だ。
「もう、聞いてるの?」
「ああ、聞いているよ」
「ところであんた、いつになったら結婚するのよ」
「ぶっ……なんでそんな話になるんだよ」
飲んでいたコーヒーを噴き出してしまったじゃないか。
「もう、汚いわね。自分で拭きなさいよ」
母さんが投げた布巾が顔に命中。いいコントロールで。
そそくさとコーヒーを拭いていると、みそ汁が出て来た。おお、久しぶりの母の味だ。
「早く孫の顔を見せてほしいものだわ」
「相手がいないから、無理」
「そんなこと言って、本当に居ないの?」
「居ないよ」
こればかりは俺1人ではどうにもできない。
「まあいいわ。これ飲んだら早く寝ちゃいなさい。昼から買い物行くんだからね」
「買い物なんて母さんと
母さんの買い物は長いんだよ。付き合うの疲れるから嫌なんだ。どうせ妹の三波も行くんだから、2人で好きなだけ買い物すればいいじゃないか。
「いいから、さっさと飲んじゃいなさい!」
「はーい」
みそ汁を飲み、階段を駆け上がって自分の部屋に飛び込んだ。
ベッドに倒れ込むように身を預けると、一気に睡魔が襲ってくる。
昼過ぎに起こされ、無理やり買い物に付き合わされた。
「これなんかどうかな?」
「いいんじゃないか」
「この服、色が派手かしら?」
「いいと思うよ」
否定なんかしない。否定しなくても長い買い物が、否定したらもっと長くなる。
父さんはベンチに座って天を仰いでいる。俺も座りたいが、母さんと三波が許してくれない。
買い物の荷物も俺が持つ。父さんは疲れ果てているが、母さんたちの面倒は俺がみているんだから荷物くらい持てよ。
こんなところでスキル使ったら騒ぎになるかな? まあ、たまの母親孝行だ。我慢するさ。
「あれ、世渡理事……ですか?」
「ん?」
可愛らしい顔にボブカット。この子はたしか……そうだ
「やあ、涼宮さん。あなたも買い物?」
「ウインドウショッピングしてました」
JDSOで働いている時はビジネススーツをビシッと着込んでいるけど、今日はフェミニンな可愛らしい服を着ている。とても似合っているね、その服。
「いつぞやは花束をいただきまして、ありがとうございました」
「エレベーターを譲ってもらったお礼だから、そうやってお礼を言われるとまた何か贈らなきゃいけないよ(笑)」
「あ、すみません」
「冗談だから、流してくれるかな」
生真面目なんだね。そういうところ、好感持てるよね。
「丈二の知り合い?」
母さんが顔を出してきた。
そんなにマジマジ見るなよ、涼宮さんに失礼だろ。
「仕事のね」
「あら、そうなの? 私は丈二の母です。いつも丈二がお世話になります」
「あ、いえ、私のほうがお世話になっております。私は涼宮と申します」
「そう、涼宮さんていうの。ふーん」
そういうの止めろよ、失礼だろ。
「お兄ちゃんがいつもお世話になっています。妹の三波です」
「こちらこそお世話になっております」
三波まで出て来た。そんなにマジマジと見るなよ。
なんか母さんと三波、それと涼宮さんが意気投合した。きゃっきゃと話が弾む。
俺、父さんの横に座って、休憩。ああ、疲れた。
「おい、あの子はお前の彼女か?」
「バカ言うなよ。職場の子だ。あまり喋ったこともないよ」
「そうか、父さんはあんな可愛い嫁が欲しいな」
「……そ、そのうちな」
そのうちはいつくるのだろうか? 自分で言っていて、まったく来る未来が思い浮かばない。
「ごめんね、母さんたちがうるさくて」
「いえ、とても楽しい時間でした」
涼宮さんにはまた何かを贈っておこう。
また花では芸がないな。でも他に何を贈ればいいのだ? お菓子か? それくらいしか思い浮かばなんだが……。
そうか、今聞けばいいんだ!
「今度、菓子でも差し入れさせてもらうよ。甘いものは好きかな?」
「そんな、気にしないでください」
「どうせたまにしかあそこいんは行かないから、たまに寄った時くらい何か持って行くよ」
「そ、そうですか……ありがとうございます。甘いものは好きです。でも太ってしまうから、あまり食べられなくて……」
太るのを気にしているのか。だったら甘さ控えめのものを贈ろうかな。
涼宮さんを見送って、振り返ると母さんと三波がにやにやしていた。
「な、なんだよ?」
「良い子だね。逃がしたらダメだからね」
「お兄ちゃんにしてはいい趣味の人じゃん」
「二人とも何を言ってるんだ。まったく……」
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