第7話_モンスターハウス
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007_モンスターハウス
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第2エリアもスライムばかりだった。ただしスライムの大きさが1メートルくらいになった。種族名もビッグスライムだ。
ビッグスライムは酸弾を放ってくる。ちょっと厄介だが、チャタは酸弾を避けまくる。何より咆哮でビッグスライムの動きを止めてくれる。
おかげで俺は動かないビッグスライムにとどめを刺すだけだ。チャタが居ると、俺はダメになりそうだよ。
「アオーンッ」
チャタが吠え、ビッグスライムがプルンッと止まる。俺が妖魔喰でとどめ。このルーティンですよ。
赤、黄、青、緑のビッグスライムを倒しながら進むと、そこそこ広い場所に出た。ボス部屋には扉があるから、ボス部屋ではないだろう。
「特に、ビッグスライムは居ないか」
入り口からザッと見渡して、モンスターが居ないことを確認した。
「チャタ、進むぞ」
「ウゥゥゥッ」
進もうとした俺のズボンをチャタが噛んで止め、唸る。
「どうした?」
「ウゥゥゥッ」
何かがあるようだが、見える範囲には何もない。だけど、チャタが明らかに警戒している。
膝をついてチャタと視線を合わせる。愛くるしい瞳に、思わず抱き寄せてしまった。
いやいやいや、そうではない。今は何を警戒しているのか、確認せねば。
泣く泣くチャタを下ろして、どうしたのか聞く。
「アンッアンッアンアンッアンアンッアンッ」
「ほう、このスペースに罠があると言うのか」
「アウーン」
我ながらよくも理解できるものだと思うが、理解できてしまうのだ。
「罠か……」
俺は鑑定眼を発動させた。思った通り、鑑定眼はいい仕事をしてくれる。
踏んだら罠が発動するポイント、どんな罠が発動するのか。それらを見える範囲で教えてくれた。
「てか、足の踏み場もないじゃないか!?」
このスペースのほとんどが罠の発動ポイントだ。もし罠を発動させた場合、大量のビッグスライムが湧き上がってくるらしい。
所謂、モンスターハウスだ。
出てくるのはビッグスライムばかりだから、そこまで脅威に感じないのは俺の感覚がおかしくなっているのかな?
「しかし、男同士の俺とチャタよりも、女性のほうがニーズはあると思うぞ」
ビッグスライムまみれになった女性を思い浮かべる。
女性ならちょっと見てみたいが、野郎の俺ではニーズが思い浮かばない。
「あぁ……腐女子が居たか」
BLなどをこよなく愛する腐女子なら……。いや、俺のようなフツメンオッサンではニーズの掘り起こしは無理だな。
でも、子柴のチャタなら……。視線が合うと、チャタはサッと目を背けた。
「てか、俺は何を考えているのか? そんなケモナーな人は腐女子同様コアな存在だ」
そんなことはどうでもいい。問題はこの空間を通り抜けないと、進めないことだ。
ここまでに分岐もなく1本道だったため、迂回ができないのだ。
「この道を行くしかないか。ちょっと待ってくれよ」
「アウン?」
念のため、スキルポイントを消費してスキルを取得。
ここまでにレベル42なっているから、スキルポイントは53ポイントある。
火魔法★2を★5に上げてから上級火魔法に進化させて★5にする。全部で15ポイントを消費したが、まだスキルポイントは余っている。
「これってもっと進化させられるのかな?」
上級火魔法にポイントを振っていくと、炎魔法に進化した。消費ポイントは5。炎魔法を★5にして25ポイントを消費。ここまで40ポイントを消費した。
「もっと進化するかな~」
10ポイントで獄炎魔法★1に進化した。ここまでに50ポイントを消費したから、残り3ポイントになってしまった。
魔法を取得したからMP値に+100ポイントした。ステータスポイントはまだ余っている。強いモンスターが出た時にためにとっておく。
「よし、準備OKだ。チャタ、進むぞ」
この広間全体が罠の発動エリアだから、どこを進んでも罠は発動する。
身構えつつ罠の発動エリアに足を踏み入れると、俺が入ってきた通路に鉄格子が現れた。
「逃がさないつもりか」
さらに10メートルくらいある高さの天井に魔法陣のようなものが浮かびあがって、その中心からビッグスライムが吐き出された。
1匹、2匹、3匹と地面にボトッボトッと落ちていく。
「チャタ。咆哮で動きを止めてくれ」
「アンッ。アオーンッ!」
モソモソと蠢くビックスライムたちの動きが止まった。しかし、魔法陣からは次から次にビッグスライムが吐き出されてくる。
「近づいてきたら、また咆哮な」
「アン」
ビッグスライムが10匹、20匹、30匹と増えていき、チャタが咆哮で動きを止めてくれる。
「そろそろいいか。チャタは下がってくれ」
「アン」
チャタを下げて、獄炎魔法を発動させる。
「亡者を焼く地獄の業火よ、不純なるものを全てを飲み込み灰塵をも残さず燃え盛れ。獄炎の舞!」
地面からヘビのような業火が立ち上り、凄まじい勢いでビッグスライムたちを飲み込んでいく。
うへ、この魔法ヤバい。一瞬でMPがごっそりと持って行かれたから、倦怠感が俺を襲う。MPを一気に減った倦怠感だから体調が悪いわけではなくすぐに解消されたが、一瞬気を失いかけたよ。
30匹程のビッグスライムを飲み込んだ業火だが、ビッグスライムはまだ吐き出されている。業火はビッグスライムを吐き続ける魔法陣に喰らいついた。魔法陣が業火に喰われていき、ビッグスライムの排出が止まった。
業火は魔法陣を完全に喰らい尽くすと消えた。
「大量にスキルポイントを消費しただけあって、強力だな」
その分、MPも持って行かれるけどね。
『レベルが上がりました』×多
大量のレベルアップの声が聞こえた。レベルが67になった。経験値1000倍様々だ。
name 世渡丈二
race 人間
lv 67
class 【鬼神】 ★★★★★
HP 220+50+100+300
MP 320
STR 45+10+100
VIT 45+10+50+100
AGI 45+10+100
DEX 45
INT 35
MIN 35
ST.P 400
SK.P 28
title 【ダンジョン探索者】 ★★★★★
title 【先駆者】 ★★★★★
unique skill 【酒呑童子】 ★★★★★
unique skill 【極アイテムボックス】 ★★★★★
unique skill 【滅天使】 ★★★★★
skill 【身体強化】 ★★
skill 【頑強】 ★★★
skill 【質実剛健】 ★★★★
skill 【鑑定眼】 ★★★★
skill 【獄炎魔法】 ★
地獄の業火で灰塵も残らずに全てを焼き尽くす。
unique item 【妖魔喰】 ★★
name 世渡チャタ
race 柴犬/世渡丈二の眷属
lv 67
class 【獣神】 ★★★★★
HP 208+300
MP 208
STR 42
VIT 42+50
AGI 42+20+150
DEX 42+150
INT 32
MIN 32
ST.P 345
SK.P 48
skill 【咆哮】 ★★★★★
skill 【立体機動】 ★★★
skill 【牙爪強化】 ★
skill 【回避】 ★★
skill 【疾風迅雷】 ★★★★
unique item 【魔装アーマー】 ★★★
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