第8話_第2エリアと第3エリアのボス
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008_第2エリアと第3エリアのボス
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第2エリアのボス部屋に到着。何度か分岐があったけど、チャタが進むべき道を示してくれるから迷わずに済んだ。
本当にチャタはお利巧さんだ。耳をモフモフしてやる。
「アウゥーン」
「そうか、そうか。気持ちいいか」
ボス部屋の前でしっかりとチャタをモフッた。あぁぁ、幸せだ。
15分だけ休憩して、ボス部屋の扉を開いた。第1エリア同様、扉にはキングスライムの絵が描いてあった。
「なるほど、たしかにキングスライムだ」
形は第1エリアと同じキングスライムだが、大きさが4メートルになっている。
鑑定眼で見てみると、ビッグキングスライムという種族らしい。
「なんでもビッグをつければいいというわけではないと思うぞ。なぁ、チャタ」
「アン」
チャタもそうだと言っている。
「とりあえず、先制攻撃をしておくか」
このビッグキングスライムも物理攻撃無効を持っているから、獄炎魔法を詠唱する。
「亡者を焼く地獄の業火よ、不純なるものを全てを飲み込み灰塵をも残さず燃え盛れ。獄炎の舞!」
業火のヘビがビッグキングスライムに巻きついて、鎌首を持ち上げてからビッグキングスライムを頭から喰らった。
どこがビッグキングスライムの頭なのか分からないが、上から大きな口で喰らったと思ってくれ。
獄炎の舞が収まると、地面に黄色と青色のアイテムボールが落ちていた。
今回はボーナスはないようで、レベルアップの声だけが頭の中に何度も聞こえた。
アイテムボール黄を割ると光って、試験管のような瓶に入った青色の液体が出て来た。鑑定眼さんが言うには、これはマナポーション。瞬時にMPを150ポイント回復させる薬だ。黄色は薬品系が出やすいのか?
次はアイテムボール青を割った。相変わらずのエフェクトがあって、また液体だ。血のような赤色の液体にちょっと引きながら、鑑定眼さんを発動。
この赤い液体はINT薬。INTを+10ポイントしてくれる薬だった。色はともかく、INTを上げてくれるのはちょと嬉しい。ステータスポイントが余っていても、嬉しいものは嬉しい。
「これは俺が飲ませてもらうぞ」
「アン」
INT薬は色からは想像できない無味無臭だった。水でももう少し癖があるぞ。
ステータスを確認したら、INTが+10ポイントされていた。
こういう薬が出るのは嬉しい。ただ、極端にドロップ率が悪い。
第3エリアも洞窟。このダンジョンは洞窟しかないのかな。ただ、モンスターはスライムではなかった。ビッグの次は何かと思っていたんだが、全然違った。
人型の魔物が出て来た。人型だけど、倒すのに忌諱はない。
「木人じゃあな!」
妖魔喰を振り切って真っ二つにした。
ウッドマンという木の人型モンスターでは、俺の心は痛まない。薪を伐っているのと何が違うのか。
第3エリアは第2エリアに較べて罠が多いが、チャタが罠を発見してくれるから特に問題ない。
そしてボス部屋。ウッドマンが片足を上げて両腕を開いて、カンフーのような構えをした絵が描いてある。
休憩後ボス部屋に入ると、普通のウッドマンと同じ容姿のウッドマンが居た。
鑑定さん曰く、ウッドマンクンフーという種族。カンフーではなくクンフーだった。
「ここは俺にやらせてくれ」
道中、チャタに助けてもらってばかりだったから、ここは飼い主として良いところを見せておかないといけない気がした。
「アン」
妖魔喰を振りウッドマンクンフーの首を刎ねようとしたが、柳のように体を揺らして俺の攻撃を躱した。
それなばと突くが、これもゆらりと躱されてしまう。
ウッドマンクンフーの攻撃は変則的な動きで、死角から拳や蹴りが飛んでくる。
俺のほうがステータスが高いから紙一重で躱せているが、なんとも情けない。
「はっ」
「とうっ」
「やぁっ」
「くっ」
「っ」
10分程動きっぱなしの攻防。俺は息が上ってきたが、奴はそうではない。モンスターだからか、それとも俺が無駄な動きをしているからか、明らかに俺のほうが疲れてきている。
「ちぃぃぃっ」
クンフー野郎の蹴りをまともに喰らってしまった。痛いがダメージは大したことない。
蹴られたことで距離が開いた。あいつはおちょくるように、クンフーの構えをする。
「分かったよ。はぁ……本当に残念だ」
今の俺では奴に届かないのが分かった。
スキル・剣士を取得、それを進化させて剣豪、さらに進化させて剣王、さらにさらに剣聖★1まで進化させた。
「仕切り直しだ」
妖魔喰を構える。今までとは違って、手にしっくりとくる。これが剣聖の効果か。
「行くぜ、クンフー野郎」
一気に間合いを詰めて、ウッドマンクンフーに切りつける。奴はまた柳のように妖魔喰を避けようとしたが、それはフェイントだ。
さっきのお返しとばかりにヤクザキックを入れると、ウッドマンクンフーは吹き飛んで壁に激突した。
STR値が圧倒的に高い俺のキックは、奴の腹部を大きく抉っていた。
「来いよ。まだやれるんだろ?」
ウッドマンクンフーはよろよろと立ち上がって、ふらふらと俺に寄って来た。これが演技だったら、役者になれるぞ。
俺もゆっくり奴に近づいて行き、そして妖魔喰を振った。事前にフェイントを入れたことで、奴はそのフェイントに反応している。そこに妖魔喰を振り抜き、ウッドマンクンフーを真っ二つにした。
「ステータスだけ上げてもダメだというのが、よく分かったよ。サンキューだ」
『レベルが上がりました』×多
レベルアップの声が頭の中に鳴り響く。
ウッドマンクンフーは地面に吸収されて赤色と青色のアイテムボールを残した。
赤色からは下級ポーション、青色からは1キロの金塊が出た。金塊にはしっかり刻印まである。
1キロの金塊は軽く数百万円の価値がある。それを考えると、INT薬の希少性が分かる気がした。それにチャタの鎧もだ。
name 世渡丈二
race 人間
lv 136
class 【鬼神】 ★★★★★
HP 220+50+100+300
MP 320
STR 45+10+100
VIT 45+10+50+100
AGI 45+10+100
DEX 35
INT 45
MIN 35
ST.P 745
SK.P 42
title 【ダンジョン探索者】 ★★★★★
title 【先駆者】 ★★★★★
unique skill 【酒呑童子】 ★★★★★
unique skill 【極アイテムボックス】 ★★★★★
unique skill 【滅天使】 ★★★★★
skill 【身体強化】 ★★
skill 【頑強】 ★★★
skill 【質実剛健】 ★★★★
skill 【鑑定眼】 ★★★★
skill 【獄炎魔法】 ★
skill 【剣聖】 ★
戦闘勘を備え、どんな剣でも手足のように扱う。
unique item 【妖魔喰】 ★★
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