第84話 【Christmas Eve in Sasebo】

US Navyの空母ニミッツと、ヘリ空母金剛、並びに付随軍艦が、佐世保湾の港近くまで、やって来ています。


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「ヨシュア(Jesus)の誕生日を祝ってくれるというなら、喜んで参加しよう」


米海軍インド太平洋司令官、ジョン・アキリーノは、こう言いました。


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「日頃世話になっている佐世保の祭りなら、我々が協力するのは、当然だろう」


海上自衛隊の小此木3佐は、にこやかに言いました。


こうして、日米海軍と佐世保市民による、楽しいお祭りが、始まったのです。


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「明日、佳菜が佐世保で、大きな祭りをやるそうじゃ」


浦ノ崎別邸に来ていた万九郎に、狂子が、言いました。


「ああ。レイコが言ってた祭りか。クリスマスイブにやるなんて、佳菜らしいな。まあ、俺は興味ないけど」


「行って来い。普通でないこと(Something unusual)が執り行われるときには、何か普通でないことが起こる」


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メイン会場は、佐世保市民球場と、佐世保陸上競技場です。


市民球場では、ロサンゼルス・ドジャースvs.ロサンゼルス・エンジェルスが開催されます。


先発投手は、ドジャースがカーショウ、エンゼルスが大谷です。


「クレイトン・カーショウ」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クレイトン・エドワード・カーショー(Clayton Edward Kershaw 英語発音: [ˈkʰleɪʔn̩ ˈkʰɝˌʃɑ][1], 1988年3月19日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身のプロ野球選手(投手)。MLBのロサンゼルス・ドジャース所属。愛称はカーシュ(Kersh)[2]。

2010年代から2020年代のMLBを代表する投手の1人で、2011年には最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振の投手三冠を獲得、2014年にはシーズンMVPに輝き、通算で3度サイ・ヤング賞を受賞している。


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陸上競技場では、過去に大ヒットした映画が、巨大スクリーンで放映されます。


観客の中には、スタローン、シュワルツェネッガーら、ハリウッドの大スターや、ロッド・スチュワート、ボンジョビなどの、超メジャー・ミュージシャンが、紛れています。


「はい。2人乗りに改造したF-22で攫ってきました。マーティーが若いままなのに、ハリウッド俳優が年取ってるのは変ですから、今日限定で若返ってもらいましたよ。その辺は、お嬢の魔導でチョチョイのちょいです」(サングラス)


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一昨日から、とても寒かった佐世保ですが、佳菜と美香、それに浦ノ崎別邸から派遣された巫女さんたちの手によって、20°Cの気温に保たれており、すべての市民が、喜んで外出しています。


アメ横のJR線路下にあるような飲み屋街が用意され、午前中から、おっさんたちが酔っ払っています。


「はいはい。あなたは少し、飲み過ぎよ。あちらのカフェテリアで、頭冷やしてきなさい」


レイコです。警察官です。


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「ドク、マーティー、配線は全部、OK?」


ミサトの声です。


「Sure。当然じゃ」


夕方になると、精神科のある佐世保の20階建ての総合病院を中心に、役所関連の建物、マスメディアの建物、佐世保玉屋など、大きなビルで、イリュミネーションが始まりました。


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「ふぅ」


万九郎は、暖かくなっているエリアには、入れずにいました。


雪が、降っています。


LOOKに、火を点けます。


万九郎はまた、たった1人で、歩いていました。


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遠目に、明るい所を、見ます。


中森明菜さんが、いました。


「ふぅ」


万九郎はまた、ため息を、つきました。


関東の国立大学の学部生だった頃、好きだった子が、デビューしたての中森明菜さんに似ていたのを、今更、思い出しました。


更級郡が出身地だと聞いて、卒業後に一度、車で行ったことがあります。


高校生の彼女が、そこにいました。


自転車に乗って来て、すれ違っただけでした。


「あの頃、好きだと言ってれば、何か違ったのかな」


詮無いことを、考えています。


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遠くに喧騒が、聞こえます。


そろそろイベントが終わるということで、ビッグスターたちを、F-22で送り返そうとしているのですが、当人たちは、サングラスに抵抗しているようです。


“Definitely No!”


結局、みんなサングラスに連れて行かれたようです。


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キアヌは、中華料理屋でちゃんぽんを食べていたので、この騒ぎを逃れました。


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万九郎は、雪の中で、黙々と歩いています、


「パジェロに戻って、トランクに常備してるストロング系を、するめ(あたりめ)食いながら飲んで、それから仮眠して帰るか。


「何も、得るものは、無かったな」


たった1人で歩く万九郎に、付き添って歩いている人がいます。


万九郎には、見えません。


坂口滋子さんです。


とても、とても淡い、不確かな姿ですが、そこに坂口さんが、います。


「月が、綺麗だな」


万九郎は、ぼそっと言いました。


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日本では、クリスマス・イブがクリスマスですよね。




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