第74話 【新しい出会い】

万九郎は、ランニングをしています。


浦ノ崎から今福、反転して立岩、久原から、波瀬を経由して、浦ノ崎に戻ってくる、30kmのコースです。


万九郎は今、浦ノ崎の家に、住んでいます。


ベアトリーチェが、セレスが居なくなった今、自分が万九郎の妻である必然性がないと、言いました。


正式に離婚し、佐世保の家と、資産の大部分を、ベアトリーチェに、渡しました。


ベアトリーチェは、不公平だと言いましたが、


「俺は、これからも稼げるから」


と言って、納得させました。


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万九郎は今日、浦ノ崎の灯台で、釣りをしています。


釣果は、上々です。


「そろそろ、帰るか」


そう呟いて、ふと、空を見たら、UFOが、何やらゆったりと、飛んでいます。

人に目撃されるとか、全然、気にしていない感じです。


「あれは、佐世保の方向だな」


見定めると直ちに、三菱パジェロに乗って、佐世保別邸に、向かいました。


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万九郎はパジェロを、パチンコ屋の駐車場に停めて、佐世保別邸に、向かっています。


あのUFOは、別邸の上空、かなり低空に、浮かんでいます。


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「おはようございます、ワカ!」


サングラスたちの、挨拶です。


広間の中央には当然、佳菜と美香。そして、


「婆さん!?」


そこには、死んだハズの松浦狂子が、当然のように、立っていました。


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「すっかり、亡くなったものと・・」


「あんな短距離のテレポート、出来て当然じゃろ」


そう言われれば、そうです。


狂子は、佳菜以上の実力者なのですから。


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「あれは、何事です?」


「どこかの星の異星人が、来たと言うだけじゃろ」


そう言えば、狂子も、どこか遠い星から来た、異星人なのでした。


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UFOの下に、階段が、現れました。


そして、若くて綺麗で可愛くて、おっぱいの大きい女性が、降りてきています。


髪の毛は、見事に輝いており、まさにプラチナブロンドです。


「あ?」


女性が、ばったりと、倒れてしまいました。


即座に、メイド部隊の救護班によって、佐世保の中央病院に、運ばれました。


見事な、手際です。


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この場にアスカは、居ませんでした。


このレベルの異星人には、興味がないのでしょう。


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万九郎は、佐世保別邸の畳の間で、お茶を飲んでいます。


「美味い、お茶だな」


「はい。多いお茶と同じ、茶葉ですから」


美香が、当然のように、言います。


狂子と佳菜も、当然、居ます。


「待っているだけか」


「そうです。私たちにできることは、今は、ありません」


佳菜が淡々と、言います。


「何だか、久しぶりに、平和だなあ」


万九郎は、ふと、呟きました。


「平和である間に、平和を感受せい」


狂子様が、言いました。


長閑な、昼過ぎです。


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第3部、スタートです。


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