第55話 【ゴールドラッシュ】

何かが、ピリっとしました。


空気が、電荷を帯びているようです。


上半身を起こすと、もう皆、立ち上がるか、身体を起こしていました。


「何かが、来ています。ですが、距離的に近づいてる、というのとは、違うようです」


「じゃな。やつら、結界を越えて、邸内に直接、来るつもりじゃ」


「ですが、まだプレッシャーは、低いですね」


「フン、様子見ってことじゃな」


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また一堂、リラックスムード。


「ワカ、おにぎりとお茶、いかがですか?」


サングラスです。


「ちょうど小腹が減ってたので、じゃ1個もらうよ。Thanks」


サングラスは。ほかの面々にも、おにぎりとお茶を、勧めてる様子です。


おにぎりは、サケおにぎりでした。


何だか、小さい親切が、心にします。


みんな、不平1つ言わずに、黙々と食べています。

ここで、エネルギーを補給しておくことが大切なのを、知ってるからです。


大スクリーンには、邸内各所の防犯モニターの映像が映っています。


全モニターが、上を向いています。


空から、来るのか?


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お茶を飲みます。松浦食品の、多いお茶。

多くはない気がしますが、さすがに美味しいです。


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空が、少しずつ、暗くなっています。

小さな、小さな、黒い粒が、渦を巻いています。


「間もなく、じゃな」


「実体化には、時間が掛かりますからね」


「操ららしいダサいやり方じゃが、せっかくだから、最後まで見てやろう」


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空気が、凝っています。


いよいよ、大蛇のように、空が、黒い黒い渦を、巻き始めました。


渦を見てると、気を失いそうです。


何が、来るんだ?


渦の中で、黒い粒が、凝り始めました。


数えてみると、1つ、2つ・・全部で、12個あるようです。


いよいよ、形を現し始めました。


「顕現ってか。物々しいことた。どうせ、12体で十二神将とか、洒落こむつもりなんじゃろ」


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黒い影が、着地しました。


とうとう、十二神将が、姿を表しました。


「せっかくなら、四天王とか、少なめにしといてくれれば」


万九郎、少し泣きそうな気分です。


「Oh!Japanese devine warriors!」


ドクが、なぜか嬉しそうです。


“Thay are heavy."


確かに、重そうです。


強い!


直感で、そう思いました。


ところで、誰が戦うんだ?

全員で?


晒し1枚にドスを構えたサングラスが20人ほど、じっと、腰を上げつつあります。


「およしさない!あなたたちの敵う相手ではありません。ここは、この私の出番です。松浦家直伝、ゴーレムを、ご覧あれ!」


「ここで、ゴーレムを使うか」


狂子様、少し感心した様子。


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「フン!」


佳菜の身体が、金色の鎧で包まれます。


「『百式』を強化した『金色夜叉』よ。さあ皆さん、"It's a party time!”いらっしゃいませ」


ぐるん、と振り返ると閃光一閃、金色の光が、佳菜の腕から上に!


そこから分かれて、佳菜の近くに、光の球が現れます。


正確に12体!


次の瞬間には、光の玉は、金色の闘神になっていました。


「何体もの鬼神を凝らして、各個のゴーレムになっている。これは強い!」


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巨神の体長は、それぞれ3メートルくらい。デカイです。


対峙したのは、一瞬のみ、


物凄い勢いで、ゴーレムたちが、十二神将に襲いかかります。


強い!


重く速いパンチとキックで、相手を粉々にしていきます。


「フン!呪術の融合?弱すぎですわ」


勝負は、あっけなく付きました。


双方の闘士が、消えていきます。


さすがに、強い!

偉そうにしてるだけのことは、あります。


サングラス部隊も、お嬢おつかれ!さすが、お嬢!と、大喜びです。


さすが、佳菜さんですね。


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