第56話 【スーパードクターD】

皆んなが、ホッとして、座っています。


リラックスした雰囲気が、戻って来ました。


「良かった・・誰も、傷つかないで」


「ええ」


アスカが、言います。


万九郎は、本当に、ホッとしました。


今は、午後3時過ぎです。


「おやつの時間じゃな」


狂子様が、言います。


次の瞬間には、松浦食品が誇るスイーツとティーが、食卓に並んでました。


チョコやクッキー。

日頃、甘いものはあまり食べない万九郎ですが、美味しいです。


「甘いものは、普段食べないみたいですね」


美香が、言います。


「松浦食品のお菓子は、なんでもお勧めです。和菓子も、とっても美味しいですよ」


「なんじゃ?販促活動か」

と、横から狂子様。


ワハハ!


すっかり、和やいだ雰囲気に、なりました。


「さてと、そろそろ本題に、入らなければなりませんね。そう、月です。月の落下を止めないことには、明日の総攻撃を凌いだとしても、意味はありません」


「明日?」


「今日は、満月ですから、攻撃はないでしょう」


「そうじゃな」


と、狂子様。


「一応、現状を報告しなさい」


「はっ!南極大陸から、徐々に巨大な飛行物体が、近づいています。巨大です!長崎県を優にカバーするサイズです」


「速度は?」


「マッハ1前後。ここに到着する予想時刻は、明日正午!」


「南極の地下で、エイリアンの巨大基地が見つかってな。基地には、エイリアンの宇宙船もあった。恒星間航行用の巨大なものだ。あれを、流用するつもりじゃろ。ワシも最初は、年甲斐なくワクワクして、つい協力してしまった。エイリアンのテクノロジーに、ワシのステートオブザアートの技術じゃ。落とすのは容易ではないだろう。そんなことより、ワシが発明した武器が使われてなければ良いが」


「地球に飛来する隕石の消滅を、当初の目的としておったが、エイリアンの遺跡を、あれだけ見せつけられてはな・・。ついつい、惑星間戦争向けに、作ってしまった。あれは、悪魔の兵器だ。使うことはない、と願いたいが・・」


ドクが、悩ましげに、言います。


「そりゃ甘い」


狂子様が、あっさりと、言います。。


「あっちは、ここまで二度も、面目を潰されてる。何が何でも、叩きに来る」


しゅんとなる面々。


「じゃが諸君、こんなこともあろうかと、対抗兵器を持ってきた。今、サングラスたちが準備中。明日には、お披露目できる」


ドクが、今度は誇らしげに、言っています。


ほぉーー、となる面々。


お茶で、一服します。


############################


「月の話に、戻しましょう」


アスカが、冷静に言います。


「そうね。戦略の話から、長引いてしまったわ。率直に、聞きます。月を止めることは、可能ですか」


「はい。ですが、落下モードに入ったプログラムの書き換えに、時間がかかるでしょう。私は医者であり、技術者では、ありませんから」


「ああ、それはそうだな」


ソフトウェア開発で超一流の万九郎でも、ハードウェアのことは、あまり分かりません。


また、鬱な雰囲気が・・


「諸君。こんなこともあろうかと、ワシが、とっておきのワクチンを作っておいた。ありとあらゆる知的生命体の思考パターンを読んで、落下を止めて、元の軌道に戻す!タイムマシン以来の大傑作じゃ!」


「おおおーーー」


ドク大活躍。


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