第53話 【心の傷】

狂子様が、宴会場の隅まで、ドシドシと歩いて行って、いきなり、上半身にブラジャーだけを付けた姿に、なりました。


「うおおおおお!」


両手を、胸の秘孔に、突き立てています。


「ぬおおおおおおーーー!わが生涯に、一片の悔いなし!」


右腕を、突き上げています。


もの凄い白い気功波が、デスますスターを直撃!

大破壊!


すると、どういう仕掛けになってるのか、水着姿の若い女性たちが多数、宴会場に降ってきました。


さっそく、イチャイチャし始める男たち。


「あなたが、世界一の科学者なんですかー?」


“Yes!I know everything about universe!”


「カッコ★インテグラ!」


############################


「君の瞳に乾杯」


狂子様が、いつの間にかスーツを着て、若い女性に迫っています。


「まったく、男どもときたら。アスカさん、一緒に、お風呂に行きましょう。美奈も、後から来なさい」


まだ万九郎に密着している美奈に、言いました。


さっさと出て行く2人。


「俺も、ちょっと疲れたかな、風呂行ってくるよ」


万九郎が、言いました。


「そうですか。良いお風呂を」


ニッコリして、案外あっさりと、美奈が、引き下がります。


「君も、お姉さんたちが待ってるよ」


「はい」


############################


風呂場に着くと。凄くデカイ露天風呂です。


万九郎は、社会格差について考えます。


「まず、身体洗わなきゃな。ゴシゴシ、さて背中」


「背中、流させていただきます」


サングラス、あの11号です。


「ああ、ありがとう」


「もう1人は、寝床の準備とか、やっていますよ」


「なあ、佳菜・・さんの妹、いつもあんななの?」


「はぁ、美奈様ですか。はい、でも、ワカがいらっしゃって、良かったです。私らは所詮黒子。身分違いですし、年も、違い過ぎいますからね」


そんなものかと、万九郎が考えてると、


「どりゃあああーーー!」


裸の女の子の、物凄い蹴りです!


サングラスが、ふっ飛ばされました。


「ちょっ、美奈!ってか、いいのか、サングラスの頭、壁にめり込んでるぞ。首の骨も、たぶん折れてる」


「構いません。サングラスは丈夫ですから。しばらくすれば、蘇生します」


そういう問題なのか?


さっそく深雪が、背中を流し始めます。


「お兄ちゃんの背中、おっきいね」


いつの間にか前に手を回して、全裸で直接、背中を流し始めます。


「ちょっ、これって、マットプレイ?」


違います。


真っ赤になった万九郎。


「もう背中は、いいから」


そそくさと、股間や足を洗い終えて、お湯で流します。


お湯に入ると、一息つく暇もなく、深雪が密着してきます。


しかも、前から!


いや一線超えるの、やめてー。


万九郎、必死です。


背中に回って、全身を押し付けてくる美奈。


「今日の怪我は、もう大丈夫ですか?」


「ああ、もう完全に治ったよ」


「身体の傷は治っても、心の傷は残っていく。美奈は、万九郎さんの心の傷に塗って癒す、オロナミンになります」


何かが違っていますが、今の万九郎には、ジンときました。


ありがとう、美奈。


「じゃ、そろそろ行かないと、お姉ちゃんに叱られるから」


ようやく、美奈が出て行きました。


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青白い月が、見えます。


心の傷か・・


お湯から上がって、もう一回、背中を洗おうとしてると、


「ワカ、大丈夫でしたか?」


サングラスが、やっと蘇生した様子。


「いや、そっちこそ大丈夫かよ?」


「私らサングラスは、丈夫が取り柄ですから」


「でも、さっき完全に死んでたぞ」


「あの程度なら、30分で大丈夫です。今日、ヒグマにやられた仲間いましたけど、パーツを繋げたら、1時間で蘇生しました」


「それは良かった」


ほっとする万九郎。


「じゃあ、俺は上がるから、お湯に入ってくれば?」


「え、いいんですか?」


「もう十分、やってもらったし、今日は、さすがに寝るだけだろうから」


お風呂を上がって、寝床に行く万九郎。


今日も忙しかったです。

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