第51話 【忘却の川】

帰りの車内では、皆が、なぜか上機嫌です。


「松浦本家のディナーか、るんるん♪」


運転席の狂子様。


「ロンギヌスの槍♪うちの家宝に追加ね」


佳菜様です。


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後部座席では、万九郎が、そそくさと包帯を、解いています。


アスカが手をかざすと、ボアラ!


傷が、たちまち癒えていきます。


「これは一応、感謝の印ということで」


アスカは、いつも通り、そっけないです。


「私たち3人の誰でも、10秒で片付けていました。テレポートで死角に入って、巨大気功を、溜めずに撃てば、坂口さんは、気を失ったまま、2秒で確保できたでしょう」


アスカが、左の手のひらを開きます。


右の手のひらが、万九郎の腕に、触れました。


「熊になっても、魂は人なのです。野獣になって、悪業を重ねるより、一瞬でも早く、解き放つのは、良いことです。だから、解き放ってくれて、感謝しています」


何だか、すっと気が楽になりました。

ありがとう、アスカ。


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邸内に戻ると、カウンタックみたいな車が、止まっています、

エイドリアーーン!


クラクラ。


万九郎、軽く貧血になりそうです。


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襖を開くと、「ヒャッハーーーーーーー!」


大宴会が、始まっていました。


変な、お爺さん(「ドク、と言うそうです」が変な機械で、宴会場の天井に、ギラギラする球体を浮かせています。


「諸君。あれが我らの敵、デスますスターだ!」


!That’s heavy♪”


24歳くらいの、いかにも映画に出てきそうな男性(「マーティーって、言うそうです」ほか数名が、空飛ぶスケボーでデスます略を攻撃中!


「何だ、こりゃ?」


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ふと振り返ると、そこに


「佳菜?いや、少しだけ年少かな?」


な感じの少女が、座っていました。


さて、誰でしょう。アスカ!忘却の川。

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