【岡山】

##################


以下、修正中です。


##################


11月1日。

月曜日。

午前9時45分。


今、万九郎は、松浦家の佐世保別邸に居る。


一昨日までの東京でのミッションを、成功裡に終わらせる事ができて、佳菜様も、大変喜んでおいでだそうだ。


3ヶ月間のミッションだったから、季節ももう、晩秋に差し掛かろうとしている。


外に見える広葉樹も、すっかり落葉を終えている。


佳菜様も、厚手で暖かい色系の白いセーターとロングスカートを着て、針葉樹製の立派な椅子に、ごゆるりと、お座りになっておられる。


「万九郎。本当に今回は、良くやったわ。もちろん、報酬は十分に用意するけど、何か要望とか、あるかしら?」


佳菜様が、にっこりと微笑んで、こちらに向かって仰られた。


「我が儘(ママ)みたいで、言いにくいのですが、久しぶりに独身気分を味わってみたいと、そう思っています」


「ティナとは、うまく行っているのでしょう」


「はい。ティナが居るおかげで、家はとても良く行っています」


「ええ、そのように聞いてるわ」


「やれやれ。男の人は、遅かれ早かれ、そうなるみたいね」


という訳で、一泊二日で、どこに行っても良い、という許可を頂いた。


留守中もセレナは、シャル達も何かと可愛がってるようだから、心配いらないな。


という訳で、万九郎はサクっと準備を済ませて、気ままな旅に出かけたのだ。


##################


今回は、三菱パジェロで国見トンネル経由、伊万里駅前のイオンの駐車場に車を停めるところまでは同じなのだが、初めて「いまり号」でJR博多駅に行くことにした。


「少しでも、未体験なものは、体験してみたい」


万九郎は、コカコーラの自販機横の、凹みになっている所で、Lucky Strikeを1本、吸っている。


カチッ。


「スウーーフーー」


美味い。


最近は、アルコールは飲むくせに、タバコを毛嫌いする人が多い。


正直、日本酒だの焼酎だのは、絶対に美味しいものではない。むしろ、苦いというか、とにかく不味い。


酒で酔えるのも、せいぜい20代前半までだろう。冷たいカフェオレの方が、よっぽど美味い。


とにかく、タバコの1本の半分まで吸ったところで、いまり号が来た。


平日の午前中という事もあり、乗客は6人だけだった。


バスの中も、当然空いている。

向かって右側の、前から1/3くらいにある座席に座った。


いまり号が、発進した。


左手に、旧伊万里玉屋の6階立ての建物が見えてきたところで、イオンとは伊万里駅を挟んで反対側にあるRAWSONで買っていたストロング系500mlのタブを


ブジュっと


開けた。


いまり号も、いわゆる高速バスなので、高速道路を走るのだが、大体は福岡県内に入ってからだ。


それまでは、国道204号線を、のんびりと行く。


生まれて5回も通ったことがない道路なので、意外と新しい発見が、あったりしている。


ガードレールの向こうに発見した、とっぶりした堤。


【堤(ツツミ)】


小規模な湖。単なる堤防とは、異なる。

歴史は古く、空海に遡ることができる。


##################


子供の頃以来、久しぶりに発見した、カチガラス(カケス)と、その巣。


数は多くないが、何だか、しんみりして、悪くない。


それをオカズに、ストロング系をグッピ飲んでる。


空間的に拘束されている高速バスの中だからこそ、自分なりにリラックスする方法を試すのが、万九郎のポリシーである。


左手に、唐津の鏡山が見えたと思ったら、今は広々とした玄界灘が見える。


万九郎は、この景色と風景が、とても好きだ。


ここで万九郎は、濃紺のタイトジーンズの左側の尻ポケットから、iPhone SE 3を取り出した。


最近、財布に余裕ができたので、佐世保のNTTドコモで買ったばかりの物だ。


それは置いといて、白猫プロジェクトである。


今日が11月1日なので、昨日ガチャが始まったのだが、何となく、やっていなかった。


それはこの、いまり号の車内での格好の機会を、予見していたためかも知れない。


そんなことより、今回のガチャは、シエラが出る!


しかも魔!魔導師!ウィザード シエラの登場に、万九郎の胸は、ワクワクの枠を超えている。


今回は6人ガチャ、つまりガチャの1筐体が、6体のガチャキャラで構成されているという贅沢なガチャ。


1人だけ男のハズレキャラがいるハズなので、それは引かなくていいのだが、引いてしまった時は仕方ない。一度も使わないだけだから。このような壮絶なムーブの事を、通の間では「倉庫行き」と、呼んでいる。


万九郎は今、3万9750個ものジュエルを、無駄に溜め込んでいるので、大丈夫!絶対に、シエラを引ける。


ガチャ画面に切り替えると、左下にシエラの、新しい、麗しい、美しい姿がある。


ガチャは11連で、ジュエル250個を消費する。これを10回繰り返すと、ガチャシート1枚になる。


11連の10回目は、「必勝ガチャ」、つまり、新キャラが必ず当たる。ガチャシートの1枚目は最後に、2枚目にも同じく最後、3枚目は1/3くらい、4枚目にもなると、ほとんどが必勝だから、4枚目まで行けば、お目当てが必ず引ける。


意外と、良心的なのだ。


さて、高速バスの旅も、筑前前原、姪浜、青々とした博多湾、天神日銀支店前を過ぎ、残るは博多駅前バスターミナル。


5分くらいの間に、残ったストロング系をグッと飲み干した。


いまり号が、バスターミナルに到着した。


万九郎は、5~6人の乗客の、最後に降りた。


JR博多駅。何だか、つい最近、来た気がしている。


まず、駅を博多口から出て、少し先にある大理石製のオブジェみたいな物体の所に行く。


そこには、誰もいない。周囲は、車が引っ切りなしに流れているのに。


そこに「よっこらしょ」と腰掛けて、誰に気遣うこともなく、タバコを吸う。


万九郎が吸ってる銘柄は、Lucky Strike。

去年、全てのタバコが、倍以上に値上がりしてからは、ずっと同じだ。

たぶん、死ぬまで同じだと思う。


「フゥーーっ、ハァ」


気持ち良く、タバコを吸っている。


一度に1本吸い切ってしまうことも考えるが、どうしても、1本の半分くらい吸ったところで、火を消してしまう。


これでも、よそ行き用に少し無理をしたのだが、普段はリラックスしてるからか、1本吸い終わるまでに3回、火を消す。


以前、精神分裂病が酷かったときには、1本を吸い終わるまでに3回、さらに酷い時には4回、5回と火を消していた。


あ、1本の半分、吸い終わった。

さあ行こう。


駅を真っ直ぐ突っ切ると、JR博多駅の筑紫口が見えてくる。


だいたい、その辺りに、新幹線乗り場方面への、緩い上り階段がある。


新幹線の普通車乗車券は、Suicaで肩代わりし、特急席乗車券だけを買う。


そのまま、新幹線ホームまで行き、すでに停車している東京駅行きか、新大阪駅行きに乗る。


行き先で何か食べればいいので、ホームのキヨスクでは、何も買わない。


8番車両の、Aの16番シートに座った。


すぐにiPhoneを取り出し、さっきの続きで、まだシエラが来ていないガチャに、万九郎は臨む。

たった1人で。


万九郎が座った座席は、海側である。

とは言っても、新幹線が九州から出るまでは、こちらが山側になる。


音もなく、新幹線のぞみ号が、発進した。


##################


窓から外を見ていると、福岡市の市街地は、割と簡単になくなる。

ここは、直方(ノウガタ)市。


北九州と福岡市の市街地は、このように、はっきりと分断されている。


これが首都圏や、大阪京都神戸の大都市圏との違いである。


間もなく新幹線が、JR北九州駅に着く。


降りる人は、見当たらなかった。


さて、発進である。


門司・下関という、面白そうな街もあるが、今日のところは、縁がなかった。


その後も、徳山、周防花岡、岩国が、過ぎ去って行った。


「こんな感じの街も、住んだら面白いのだろうか」


考えても意味のない事を、ふと気付いたら、考えてしまっている。


「まぁいいか。こういうのも、一人旅の楽しみなんだろう」


さらに、横川が過ぎ、少し前にティナと来た、広島に到着した。


「ここも、一人旅で来ると面白そうな街だな。広島風のお好み焼きも、食ってみたい」


万九郎が食べたことのある、いわゆる普通のお好み焼きは、佐世保のスーパーで買った物だったが。


その後、新幹線は岡山県に入り、倉敷を通過した。


倉敷市は岡山市と、人口がほどんど変わらない。このような街のペアは、ほかに埼玉県の大宮市と浦和市しか、日本には存在しない。


まあ、埼玉の方は、どっちも東京の金魚の糞だから、全然貴重ではない。


そしていよいよ、新幹線がJR岡山駅に、到着した。


###############


万九郎も、さっそく駅のホームに降りた。


そこで、ふと自分が、小腹が減っていることに気付いた。


前後を見回すと、見つけた。


駅うどんの店。


さっそく、注文した。


かき揚げうどん。340円。


中でオバさんが、さっさと作ってくれた。


さて、食うか。


その前に、立ち食い台の上にあった七味唐辛子を、ささっと振り掛けた。


これで、味にキレが出る。


さっそく、食べる。


「美味い」


「博多うどんとは、ちょっと違うな」


博多うどんは、ツユが澄んでいる。まぁ実際には、少し半透明程度だが。


それに対して、このうどんは、つゆがほんの少しだけ、茶色気味ている。使っている醤油の種類でも、違うのだろう。


岡山のうどんは、大阪のうどんに似ている。


大阪人も、地元のうどんは美味いと知っているが、別に誇るような物でなし、どうでもええと思っている。


うどんと、喉越しとやらに、妙に関わる讃岐人とは、大違いである。


「あ、そういや」


万九郎は今、かつて食べた最低最悪のうどんを、思い出した。


国立大に受かって暫くして、ゴールデンウィークの頃、まだバイトもやってなくて、手持ち無沙汰だったので、大学から一番近い地方都市、土浦にやって来た。


当然、車は無いので、関東鉄道バスだった。料金は、覚えていない。


当時の土浦と言うと、駅前はシャッター街だったので、必然的にJR土浦駅の駅ビルに向かったのだ。


駅ビルの階段を上り、建物の中に入ると、マクドとかがあったが、不思議と引き寄せられなかった。


と言うより、今のヤングには信じられないかも知れないが、当時、JR構内のハンバーガー屋と言えば、ドムドムだった。

用事で大学から都内に出てきた時、入ったのがドムドムだった。


信じられない話かも知れないが、万九郎が人生で最初に食べたハンバーガーは、ドムドムハンバーガーだった。


何の話してたんだっけ?


あぁ、あの時、なぜか駅の構内に行きたくなって、入場券を買ったのだった。


駅の入場券を買うwww

この伝説的ムーブに及んだのは、ホントに暇だったからだろうな。

文系だったし←少しだけ恥。


とにかく、入場券で改札を抜けて、階段を降りると、ホームの上に駅うどんがあったw

関東では、立ち食いって言うのだが、とにかく、その店に入って、注文したのだ。


かけうどんを。


大学1年で、ホントに金無かったから、仕方ないよ(悲惨。


それで、中のおばさんが、ヒョイと作ってくれたところまでは、同じだったんだ。


何か違ったかって?


つゆが、真っ黒!


麺も、つゆに全く馴染んでなくて、ぐっぢゃりな感じで固い。


何だ、こりゃ?


あれほどの、食い物の神への冒涜(Brasphemy)を目撃したのは、あれが最初であり、最後だ。


##################


また、プチな妄想に、走っていた。


とにかく、岡山のうどんも、美味いという事だ。


JR岡山駅を出て、駅前の地下街を、地下鉄の無い地下街かぁ、などとボンヤリ思いながら、街中を歩いていたら、何やら岡山にしては、大きな建物がある。


それとなく近付いて見ると、


株式会社ベネッセ。


そう言えば、高校生の頃に、模試とかやってた。


あの頃の万九郎は、二位田原由美一佐によって、連日休みなく、朝も夕方も、激烈な訓練を課されていた。


「だから模試とか言われてもなぁ。全く勉強しなかったから、学年で3~4番だったな」


一応、万九郎が卒業したのは、長崎県立佐世保北高校で、佐世保では一番の進学校。隣の佐賀県の佐賀西高校なんか、比べ物にならない。


ベネッセの社屋ビルは14回建てと、岡山県の社屋ビルでは一番の高さだから、万九郎が驚くのも当然である。

佐世保とか、一番高いのは、玉屋の6階建てだ。


「佐世保でも自分には、十分に都会なんだけどなあ」


街の外れ、田んぼや畑が見えるところまで来あ。


「この辺は、さすがに長閑だなあ」


ですが、万九郎は、気付いてしまった。気付かなかったら、幸せだっただろうものを。


白の褌(フンドシ)を履いて、上半身は素っ裸な、無駄に引き締まって逞しい男たちが、集団で、まるでスポーツでもしているかの様に、走っている。


「何だ?あれ」


万九郎が呆然としていると、1台のトヨタ レクサスが、男達を追いかけるように、ゆっくりと走って行く。


万九郎も、ここまで見てしまったら、引き下がることもできず、透明化して後を追う。


暫くの間、追いかけていると、あの男達が、大きなお寺に入って行った事が、分かった。


【西大寺】


西大寺(さいだいじ)は、岡山県岡山市東区西大寺にある寺。山号は金陵山。本坊は観音院。

観音院は高野山真言宗別格本山の寺院。本尊は千手観世音菩薩。中国三十三観音霊場第一番札所、百八観音霊場(中国観音霊場、四国三十三観音霊場、九州西国霊場の3霊場の連携体)では第一番(本堂)・第二番(境内の南海観音)札所である。日本三大奇祭のひとつとも言われる、会陽(えよう、裸祭り)が有名である。


本当に、大きなお寺である。


おや?


整列した男達の前に、酷く色っぽい女が立っている。

女は、両手を腰に当て、胸を反っている。


「おい、ちょっとあれ」


女は、赤いカーディガンを着ているのだが、白い上着の生地が酷く薄いため、2つの乳房の輪郭が、ハッキリと見えている。

勃起した2つの乳首も然り。

乳首の先端が、ポッチリと丸分かりになっており、ピンク色の乳輪も、薄(ウッスラ)と見えている。


しかも。2つの乳房が、Fカップは余裕であろうかという、凶暴な巨大さのため、カーディガンが両側にずれて、乳房の大きさが、誰の目にもハッキリと分かる。


下半身は、股下3cmの濃紺の超ミニスカートが、猛烈に張りのある尻を、みっちりと包んでいる。


「何か知り合いなのかも知れないけど、男と女なのに。あの女、変態過ぎる」


「男達も何あれ?白の褌はともかく、着痩せするタイプ揃いが筋肉隆々とか。いや、まさか?」


そのまさかだったんですよ、万九郎。


「貴方たち!」


ん、何だ?


「分かってるンでしょうね!この私!一橋行子(ヒトツバシイクコ)と(株)ベネッセにとって、南町に勝つ事は、できて当たり前の事。必然よ!」


「ヤクザ暴力団の影響力を排除する事は、この街の健全化につながるだけじゃなくて、貴方たちホモ達の、会陽での絶頂には、欠かせない物の筈よ」


「ウォーー!」

男達も、興奮しながら反応している。


あまりの事に、気配を消すという、万九郎にとって当たり前な事が疎かになっており、自分の存在を目視されるという、普通なら、あり得ない事が、現実になってしまった。


しかも、あの女、一橋行子にも目撃された様子。なぜか過去を赤らめて、嬉しそうな顔をしていた。


それにしても、どの大学に行きたかったか、丸分かりな名前だな。

受験生のときに、さぞかし必死で勉強しまくる、ガリ勉さんだったのだろう。


############################


その後、万九郎は、JR岡山駅に程よく近い街中で、「ホテル葵」というビジネスホテルにチェックインした。


ほどよく夕方になっていた事から、街の中を彷徨って、王将っぽい中華料理屋で、天津飯を食べ、ビールを飲んだ。


その後、ホテルの部屋で、入浴を済ませて、寝る前に程よくリラックスしていた時、それは起こった。


「貴方、マンジ万九郎と言うそうね。貴方、今すぐ、ここで私と、セックスしなさい!」


大方、デリヘル嬢のフリをして、この部屋まで来たのだろうが、要求が酷い!


それにしても、いかに油断していたとは言え、万九郎のいるホテルの部屋まで押し掛けるとか、女にできる事ではない。


「私と(株)ベネッセの目に掛かったら、何事もお見通しよ。市民の目の監視網には、いくら貴方でも、気付かなかったようね!」


一橋行子は、あっという間に全裸になり、万九郎に襲い掛かってきた。


嫌らしい女は、とても良いが、こちらも妻子のある身、そう易々と、屈するわけには行かない。


##################


「済まんが、そこのベネッセの人。女が裸になってまで悪いが、このままだと携帯で警察に電話しないと、いけなくなるぞ?」


女は、本当に渋々と言った体裁で、服を着直して帰って行った。


###############


翌日。


一橋行子は、(株)ベネッセの応接室で、午前中から北町、東町、西町、中町の重鎮らを集め、5日後に迫った西大寺開陽の「お見せ会」が、岡山市の経済と運営にとって、いかに重要であるかを、改めて主張した。


##################


一橋行子には、秘密がある。


数年前まで彼女は、(株)ベネッセ東京本社に勤めており、優れた成績を上げ続け、32歳にして、すでに部長を任されていた。


だが、彼女には、別の顔があったのだ。


飲み会と称しては、たびたび新人や若手の男性社員を連れ出し、カラオケボックスで下着姿を、いや黒のブラジャーとパンティーを脱ぎ、全裸になった姿を、若い男子社員たちに見せていたのだ。


一橋行子は、社内での職位を利用し、特に見た目が若い男子・男性社員のプライバシーを、丸裸にしていた。


男の子達の自宅アパートに事前に携帯で電話を入れて、鍵を開けておくように命令し、いきなり本人の部屋に現れ、いきなり全裸になり、男の子にも裸になるように命令し、ありとあらゆる体位での行為を強要し、さらに嫌らしい体位になって、一橋行子好みの性交の画像や動画を撮影したり、一緒に車で出かけ、助手席の彼女が全裸になったり、人が来そうなスリルのある所で、一橋行子と2人で車から出て、できるだけ離れたところまで行って、全裸の彼女とセックスする。


「ああ、もう!」


要するに彼女、一橋行子は、変態だったのである。


##################


岡山に転勤になった後は、少なくとも、男性社員への不品行は無くなっていたのだが、ホモやロリペドと同じで、結果的(Eventually)には、するのである。


【Eventually】


「最終的」、「結果的」、「結局」、「最後には」など、運命的な響きがして、なおかつ努力の入り込む余地や、努力の成果を感じさせる。

好きな単語だ。


##################


翌日以降、万九郎は常に、第三者の視線を感じていた。


そして4日後。


黒塗りで、正面以外の窓にスモークを焚いた、見るからに高級車のベンツが現れた。散歩をしていた万九郎の隣に、音もなく急停車したのだ。


「申し訳ございませんが、お乗りください」


運転手の、高圧的かつ頑なな声が聞こえた。


万九郎は、特に抵抗もせず、黙って後ろ左側の座席に座った。


20分ほど、走っていた。


着いたところは、立派な屋敷だ。


そのまま、いかにも、この屋敷の家令か首席執事と思われる男に案内され、広い応接室に入れられた。


「ようこそ、万九郎君」


「ああ」


「この度は、街の者や(株)ベネッセの、あの一橋行子とかいう女が、失礼した」


「 」


「フン、無言か」


「ならば言おう!今、君は、そのパッとしない人生を変える、大チャンスを迎えている」


「見たまえ、3億ある!君のような者には、さぞかし大金だろう」


万九郎が、何も言わないでいると、


「この札束の山を袋に入れて、持たせてやろうと言うのだ!さっさと、嬉しそうに笑って、頭を深く下げろ!」


「何を言っているのか知らないし、こんな金には興味はない。明日はなぜか、俺を追いかけて、男衆が西大寺からNHK岡山放送今日前のゴールまで走るようだが、手抜きをするつもりは一切ない!では、失礼する」


そのまま万九郎は屋敷を出て、ホテルに戻って寝た。


##################


「さあ、西大寺開陽の、年1回のお見せ会の日が、やって参りました!」


NHK岡山の男性アナウンサーの声です。


「『追われ役』万九郎さんは、準備できていますね」


万九郎の向こうには、20mほど離れて、白褌の男達がいる。


「レディセット」


「ゴー!」


万九郎と男達が、一斉に走り始めまた。



万九郎は順調に走っている。

爽やかなのかも知れない。


随分と離された後続の男達、中でも一部の男達の様子が変だ!


顳顬(こめかみ)に血管が浮き上がり、顔を赤く、あるいは息を荒くしている男達がいる。


白い褌が、弾けるように外れ、男達の下半身を隠す物が、無くなっている!


ゴール地点の、NHK岡山放送局前。


ゴールの瞬間を捉えようと、カメラマン達が控え、多くの人達で、ごった返していた。


##################


先頭の万九郎は、なぜか地下街にいる。


あまりに余裕だったので、コースから、つい外れてきた。


地下街の売店で、冷たく冷えたカフェオレを買い、そのままカフェテリア形式のベンチに座って、ゆるりと飲んでいる。


Lucky Strikeも吸い始めた。地下だからって、気にしない。だって、丸いテーブルの上に、灰皿があるのだから。


##################


「おっ、先頭は万九郎選手!これは、いいンでしょうか?」


「ま、別にええやろ。万物に普遍の法則やからなあ」


##################


そのまま万九郎は、先頭のままゴールを走り抜け、西大寺の境内から外に出て、人通りの少ないところまで来た。


「待って!今回のことは、この通り陳謝します。でも、でも1回だけ、1回だけ私と、ストロングに性交してみない?」


そう言いながら、一橋行子は着ていた元々恥ずかしい服を全部脱ぎ去り、万九郎の目の前で、また全裸になった。


「ハッハーん、待って!」


と言いながら、万九郎にいよいよ、飛び込んで来ようとしている。


「今、話が付いたんだが、俺の知り合いに、なぜかいっぱい性魔(サキュバス)がいるんだが、その内の1人が、友人を1人、紹介してくれる事になった」


「え、何?」


「まぁ、言ってるだけじゃ、分からないよな。さあ、インキュバス出てこい!」


【念話】


言うまでもなく、万九郎とサキュバスの1人が、テレパシー(Telepathy)で、話をしていたんんですが、安心してください。滅多に、やりません。この物語の終わりは、月と宇宙の話になりますので、完全に使わないのは、難しいです。


##################


ほかにも「なろう系」と呼ばれている自称小説の中には、色々都合がいいのが多すぎますね。チートとかwwwアイテムボックスとか。

あと、何かと便利に魔法を使い過ぎ。万九郎のように、二位田原一佐による地獄の方がマシな訓練とかなくて、いきなりですかwww 子供ですか?

それと、国王とか公爵とすぐに仲良くなって、あまつさえタメ口(溜息。

さらには、クラス転移で、今まで何もできなかった、顔が醜い身長152cmの大森君とやらが、クラスの人気者で、実際性格も成績もいいA君を、神様から貰った卑怯な力とか、なぜか美味い飯とおかずを作る才能でガタガタにして、クラスのマドンナwとか聖女とか、言わんや王女とチョメチョメしちゃう?はぁ何ですかそれ。


##################


自分も、5日前にカクヨムで公開したばかり、なろうは諸事情あって未公開だから、正直、全国で10人も読んでないんじゃないかとか、焦る気持ちがあります。

自分から見たら正直、全然面白くないし、才能もないのに、なんでアニメ化とか、ノベル化とか、漫画化とか、そんな話になってるのか、自分は精神分裂病で入院してるのに、もう何が何やら、訳がわかりませんが、正直妬みもありますし、このまま愚痴を垂れ流しても、見苦しいし、大人げないですから、これくらいにします。

どうも見苦しいところをお見せし、申し訳ございませんでした。


##################


で、なかなかハンサムなインキュバスが突然現れて、一橋行子さん大歓喜!


「万九郎くん。あなたとは残念だったけど、私も変態女。そのままじゃ、済まさないわ!」


と言うと、猛然と全裸になり、インキュバス(略称インキュ)と、笑いながら行為を始めた。野外なのに。


「アッハんうっほん、プチュジュルジュル~」


「行くわよー!万九郎君見てて!」


##################


一橋さんは、もう結婚も、子供も無理かも知れない。でも、剥き出しの # R15規制により削除 # だけが、露骨に好きと言う生き方wは、いつの日か、彼女の人生の、彼女なりの正しさの証明に、なるんじゃないでしょうか。


##################


万九郎は、そのまま同じビジネスホテルに泊まり、翌日、帰った。


##################


帰りの詳細は、もう何度も書きましたし、済みませんが、省略します。



という訳で、万九郎の5泊6日の岡山の旅、これにて終わりです。


ここまで読んでくれて、本当にありがとう。


##################


この物語は、これからもずっとずっと、ずっとずっと、長く続きますので、遠慮なく末永いお付き合いを、と言うか、私の友達になってください。なんなら恋人でもオーケーですよーwww



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る