【今福】

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これは、佐世保での案件より、さらに少し前の話になる。


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という訳なのに、まーた仕事がない。

業界では夏枯れと呼ばれている普遍的な現象であり、俺のせいでは無い。


と言う訳でお金がないから、バイトする事にした。


「綺麗で可愛くてオッパイが大きい女の子が、いっぱいいる所が大好きなのよネ?」


という誰か、と言うより佳菜に紹介された案件だ。


と言うか、アイツは何故、仕事と金がないという俺の悩みと、俺の好きな女性と職場の様子を知ってるのか、謎だ。


松浦佳菜。

松浦家の長女。


年齢は知らない、と言うより聞けない。

危険案件だ。


趣味は大型バイクを乗り回す事。

愛車はカワサキのゼファー。

いわゆるナナハンである。


いわゆるカワサキカラーのライムグリーンは一切使われておらず、全体がブラックで男好きがするネイキッドマシンなのだ。


因みに男好きと言ってもホモではなく、俺もホモは嫌いだ。

ロリコンはまぁ、見るだけなら、女子高生もありかな、という立場。

積極的に好きな訳ではない。


因みに俺もバイクは限定解除してるが、金が無いから買えるわけが無い。


車は当然、持っているが、ごく普通の自動車だ。

俺が買える範囲内で買ったから、当然中古車。


ちなみに車を買った後、中古だったと佳菜に報告した事あるが、


「中古車?そんな物も売ってるのね」


と、心底哀れな奴を見るような、残念そうな顔をされた。


と言うか、何で俺は、あの日あの時あの場所で、佳菜にそんな報告したんだ?

いやそもそも、何故報告する必要があったんだ?


遊星からの物体Xなんてハリウッド映画があったが、俺はアイツに脳を弄られて、操られてるのかも知れない、マジで。


おっと、車の話をしてるんだった。

俺は佳菜の事を少しでも考えると、脳がボケるのかも知れない、マジで。


それで、やっと買った車の話なんだが、三菱パジェロだ。4WDで一世を風靡した、あの車だ。


4WD、つまり4つあるタイヤが全部グイグイ動く。凄い!

SUV (Sport Utility Vehecle)との違いは知らない。

たぶん、呼び方に流行があるんだと思う。


似た車でランドクルーザーという車もあるが、あちらはトヨタ製。

当然だが、上級国民様向けだ。

俺なんかが、買えるハズも無かったのである。


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もう何の話をしてるのか、訳が分からなくなってきたが、頑張れ俺。

別に頑張っても、1円にもならないけど。


何だか、自分が哀れな気分になって来た。

もう止めよう考えるのを。


それで、だ。

どこでパジェロ(初期型)の中古車を買ったのかと言うと、そんなもの三菱自動車の販売代理店に決まってる。


ところか俺は、三菱の自動車が走ってるのも、三菱の車が売られてるのも、一生で一度も見た事がなかった。


一応三菱なんだから、流石にそれは無いだろう。自分がおかしいのに決まってる。


だって、あの、大三菱なんだぜ?


あらゆる日本国民が、まさしく揺籠から墓場まで、世話になっているに決まってる。


だよな。


だよな?


??


何かが、おかしい。


生まれてから、今日の今の瞬間まで、三菱の製品を、俺は本当に知っていたのか?


三菱鉛筆。


いや、これは本当に「三菱」とは違うらしい。小学生の頃、あれほど使いまくった、あの三菱鉛筆が、まさか天下の三菱財閥の製品では無いなんて!?


俺はもう、何を信じて生きて行けば良いのだろう?


とにかく、だ。

とにかく今を信じて、今の刹那を信じて、今日を、未来を、コッソリと、たった1人で、生きて行きたい。


俺はそう、決心した。



そんな訳で、今俺が運転してるのが、三菱パジェロE-L141GW!いわゆる89年型だ。


89年型に俺が拘りを持っているのが不思議かも知れないが、大学を卒業して大企業に就職したあの頃、俺も持っていたのかも知れないな。


いわゆる、バブル戦士の矜持の残滓って奴を。


「24時間、働けますか?ユンケル!」


ところで俺は延々と、何を話しているのだろう?

こんな所で、一体誰に、話をして来たのだろう?


とにかく、だ。

とにかく俺は、佳菜に紹介してもらったのだ。仕事を。


「時給600円?」


「何とか、何とかこれで、仕事、紹介してくれないか?」


俺は、限りなく卑屈に、土下座して、頼み込んだのだった。


「そんな仕事、あるわけないでしょ?そんなの仕事ですら無い、お遊びよ。分かってる?やんちゃな中高生に、仕方なく与える時間潰し。それが万九郎には、お似合いみたいね」


「ははーん、有難き幸せで、御座います」


こうして俺は、海水浴場の監視員という、松浦家謹製の有難いバイトを、有り難く頂いたのだった。


仕方無いだろ。この広い平戸・松浦・伊万里・唐津・佐世保全域では、松浦家の仲介無くして、仕事どころかバイトにすら、ありつけないんだぜ。


松浦市今福。

ぎぎが浜海水浴場。



「よっしゃあ!」


という訳で、早速、翌日の日曜日、国民の休日(嘘)に、第3セクター松浦鉄道に、JR佐世保駅から午前5:56に搭乗。

相浦(アイノウラ)、佐々、平戸口、田平(タビラ)、御厨(ミクリヤ)、調川(ツキノカワ)を遥々大周りして、松浦鉄道今福駅に午前7:52に到着。


俺のナイスバディ女子ねっとり視姦(嘘)の夏は、始まったばかりだ。


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驚いた事に、松浦鉄道の車両は、電車ではなかった。


「ディーゼルって、要するに蒸気機関車の事だよな?つまり汽車。ウッハー俺とか汽車、生まれて初めて乗った」


国立大卒のマスターで、基本日本一優秀な開発技術者の癖に、ハードウェアの事は全く分かってない万九郎。

良く分かりもしないで、ご満悦。


「そういや車両の壁に、松浦鉄道のマスコットって女の子、飾ってあったな」


「鉄道娘・西浦ありさちゃん、だっけ?可愛くて綺麗でオッパイが大きい!俺の彼女にしたい」


言う事なら、誰にでも出来る。


「プシュ・・・」


運転手さん以外、自分しか乗ってなかった車両から、ようやく下車。


松浦鉄道今福駅。


そのプラットフォームに、万九郎が今、降り立ったのである。


ホームは無人、駅前の駐車場も無人。


荒涼たる大地に、Dydoの自販機が、1台だけ立っている。


「はぁ?買えってか!この海の王者たる俺に、挑戦ってかー!」


今どき珍しい、当たったらもう1本な自販機だ。


ピコピコピコピコー♪


「あ、当たった!な訳ねーじゃん」


ここは手堅く、Coca-Cola 350ml缶を買った。


プシュ!


「美味しーい!」


3秒で飲み干した。


Dydoの自販機の真横に常備されている、清潔なプラスチック製のゴミ箱に、空き缶を捨てる。


「良し!制圧完了」


松浦鉄道今福駅の前から、500メートルを繋いでいる車道、無人。


そこから更に、国道204号線まで、車道をずっと歩いて来たが、無人。


野良猫、野良犬は言うまでもなく、空にもカラスや白鷺、トンビ、ウミネコすらいない。


まるで、異なる星系の、とある惑星上を歩いているようだ。


「人間は他の世界(惑星)に旅行するが、そこでは生命が存在しない砂漠を発見するだけである。神よ、許したまえ。彼らは自分たちが神よりも全知全能であると信じているのです。そこでは神が創造した静けさだけがあるが、心の底では人々は神の美と力を見るのである」


万九郎はまた、たった1人で、歩いていた。


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ブッブー。


危ない!ぼんやりしていた万九郎は、国道204号との横断歩道を、歩行者用信号が赤のまま歩こうとして、目の前を走り過ぎた日産の軽自動車、ROOXに、危うく轢かれそうになった。


「うっわ危ねえ暴走運転!日産の癖に!軽の癖に!」


いくら自分の三菱パジェロが40年近くも古いポンコツだからって、酷い。

何が酷いって、僻みが酷い。


最近の軽自動車と比べたら、89年型のパジェロなんか、どうせ万九郎たった1人しか乗らないのに無駄に広い。

情報電子機器が誕生する25年も前の車だから、カーナビとか搭載してる訳ない。コックピットにあるメカ類と言えば、エアコンとAMラジオだけ。


「AMって周波数そのものが近い内に廃止されて、FM放送で全面的に置き換えられるんだっけ?そう言われても、ラジオ機器とか見た事も無いし、街角とかコンビニでAMラジオ局が鳴ってるのも、生まれて一度も聞いたことないよ」


"I am Casey Kasem. This week's greatest leap in American Top 40’s chart is..."


「FENかぁ、あれは良かった」


学内の丸善で、カード型ラジオを買った。大学に入って直ぐに。


周波数を810 kHzに合わせると、あっという間に、凄く手軽に聞くことが出来た。


「北高在学中は、二位田原さんに、朝から晩まで扱(シゴ)かれていたからなあ。部活どころかTVも見た事ないし、ラジオも聞いたことない」


「だから、家がUS Navy Baseの近くなのにバイトも、できなかった。そのせいで、英語すら話せなかったんだよな」


「大学に入学した後は、バイトの暇を盗んで、黒Tシャツの胸ポケットにカード型ラジオを入れっぱなしで聞いていた、FEN」


「お陰で2週間後にはペラペラになったな、楽勝。まぁ俺は碌に講義に出なかったから、英語の授業が楽になるとか、そんなのは無かったなwww まぁ今さらどうでもいいけど」


気が付けば、横断歩道を渡り終えて、海沿いの緩い坂道を、降り始めたところだった。


「さすがに佳菜の家が受注ヒエラルキーを10階層くらいぶん投げた案件だけ有るな。一見、田舎に見えても、海が綺麗だわ。俺だって、泳いでみたい気分になってきた」


ルンルンと軽い足取りで海水浴場まで近づいて行く。


「そういや俺の車、海水浴場を一望できる高場にある、高校の駐車場に停めてるんだけど、問題無いよなー?通勤初日だけ律儀に汽車で来たけど、もちろん帰りはパジェロで直帰。当然だよな」


明日からは、直行直帰するつもりだ。


「流石にまだ早いから、監視とか着替えとか、Coca-Colaの自販機とか、海水浴場必須の設備を見とくか。まぁ問題なんか、ある訳ないけど」



午前11:00。


家族連れや、可愛くて美人で、胸がDカップで、肌が白くて綺麗な女の子達が、ワイワイ押し寄せて来た。


背の高い脚立(キャタツ)の上に、ゆったりと座る万九郎。何故か双眼鏡を使っていた。


「いや、溺れたりとか、沖まで自分の身体だけで遠泳してる女の子とか、ビーチバレーで喧嘩とか、マリンバイクで浅いとこ爆走する馬鹿とか、いるかもじゃん?」


エゲツナイ水着で可愛くて美人で、胸がDカップで、肌が白くて綺麗な女の子だけを、双眼鏡越しでストレートに、ネットリと見てただけである。


昼過ぎには大盛況。

万九郎の財布もホッカホカ(嘘)。


ラッキーでハッピーな7日2日の、透き通るような海を、皆んなが楽しんでるとばかり、思っていた。


「オルァ!俺達はカラードギャング、PP団のサトシ&ショオヤって、アレだ!強くて悪い男の子達だぞー!」


酷い!何だこりゃ?ヤクザにだってKnow Howが求められる昨今に、何てこった。


「ハァーン?お前ら子供かよ!?情けねえ!名前知ってるんだぞ!聡と翔也だろwww 仕事ぐらいやれ。松浦藩には不良は(゚⊿゚)イラネ!」


怒ったら、泣きながら逃げて行った。


「あっ、アイツら、さっきの日産ROOXに乗ってた奴らじゃねぇか。軽の癖に。よし、追いかけてやるー」


酷い。弱い者虐めである。


「TransparencyとFlightで透明になって飛んで追いかけて」


「最後は雷魔法のTesla!」


軽の日産ROOXが、黒田ストアの駐車場まで逃げて、軽くお釈迦になった。


「こら!まーた手癖の悪かとが来たバイ!早う働かんねアホ!」


方言丸出しの黒田ストアのオバサンにぶん殴られて、店の裏手で働かせられている。もちろん、タダ。


「良し。それにしてもカラーギャングって、関東のヤクザ崩れだよなぁ?中卒とか悪い工業高校卒で、女にモテないから引ったくりとかやってるゴミ共が、何でこっち来てんだ?」


この時、万九郎はまだ知らなかったのだが、県境を越えた佐賀県側では、悪い企みが進んでいたのだ。


「まっ、北部九州のヤクザ共の総元締めってか、悪いことしないしないように見張ってるのが、佳菜の実家だろ?何かあったら、連絡あるンじゃね?俺今、別件で忙しいし」


見てるだけで、何もせずに自動的に問題が解決してることには、知らぬフリで。


またホイホイ透明になって飛んで、海水浴場まで戻って来た。


「人多過ぎだし、左手の岩場まで飛んで行って、日陰になってるとこでスーパーカップ(アイスの方)食いながら寝とくか」


酷い労働怠慢だ。


「勤務時間に出勤はしてるし、明日からも夏中やるからなー!見つからなけりゃ遊ぶって、人として当然じゃね?」


「それにしても、砂浜に透明な海が最高だなー」


ウットリしながら、凄い透明感の海を見ていた。


「ってオイ!」


時々美味しそうな魚がスィーと泳んでるキミのハートはスカイブルー(c杉山清貴)な飛んでも無くビューティーな海を、ウットリと見下ろしてると、


「うおっ!」


現在時刻午後14:02、1日で一番暑くなる時間だ、たぶん。


透明過ぎるマリンブルーの海中に、万九郎は、とんでも無い物を見つけてしまった。


「って言うか、人だから物じゃ無いし」


それは人、美し過ぎる女。


透明度が高過ぎる、血管の中の血液の赤さを写したような、高貴すぎる白人の肌。


しかも、全裸。


「北欧系かなあ?それにしても、トンでも無い美人だなぁ。って、海底に沈んでるのに窒息しちゃうから、観察してるだけじゃ駄目じゃん俺!」


シャルリン!


水飛沫を上げずに、万九郎がオリンピック風の綺麗過ぎる高板飛び込みを披露。得点は当然10.0の3本抜きだ!


とても綺麗で乳房も張ってるコケージャン(Caucasian)の女の子は、透明過ぎる海水の最奥、海面下5メートルにいた。


「良し!」


女の子をガッシリと海底から抱え上げると


「びしょ濡れ良し!」


例の要領で透明ジャンプ!


可愛い女の子を、半分島って感じの岩場の、割と開けてる所にそっと、優しく置いてあげた。


「って?!」


女の子は、息をしていない。


「人工呼吸!」


張りのいい大きな乳房をガッチリ、両手でホールドして、ムッキュムキュと勢い良く揉み始めた。


「ハァーンオパーイバンザイ!」


うっかり夢中で、3分ほど揉みまくっていた。


「ヤッバ今の事案だろ事案」


両手をオッパイに被せたまま停止。柔らかな感触を逃さない。


「ヤッベー!凄く気持ちいいだけど、これ見られたら犯罪だよなー多分?」


瞬時に手のひらを形のいい、ブリプリした胸から0.00000000001ナノミリ程距離を置く、小心者である。


同時に周りをキョロキョロ小心者らしく見回して、彼女をガッチリと抱き締め、ネットリとディープに接吻!

息を大きく吸い込んで、救助呼吸モーション入ってました。


「ハァースゥー最高!」


嫌らしい!万九郎は競泳用のエグイ水着パンティーを着けているが、綺麗で可愛いくて胸に張りがあってEカップ(喜!)で、更に女の子はピンクの乳首がピックンチョに勃っている!心持ち腰の動きも入ってきた。


「フゥー!役得役得ゥ!」


そこに一瞬の視線。

ライフルの照準器(Focusing Scope)越しで、遥か遠くから狙いを付けられてる確かな冷たい視線。


「死にたいの?」


まぁ誰か知りませんが、怒って当然ですよね。


「プフォア!」


綺麗で可愛くてオッパイが大きい白人系の女の子が、自発的に唇を離して、自発呼吸を開始した。


身長168cm、体重48kg、肌の張り良し!臍(ヘソ)の凹みセクシー!下半身はお尻がムッチリと重量感のある担ぎ心地の良さ!


視線を顔に移すと、まず金髪!プラチナブランドのゴージャスなヘア!下半身のデルタヘアも、当然染めてないからピッカピカなブロンド!

次に顔の造形は文句の付けようが無い美人さん!

仄かな紅を透かした、透明に近い、それでいて仄かに暖かい白さ!


「日本人には、いないタイプかな。怜悧なのに優しい。ウハ見惚れてしまう!」


万九郎が、アホみたいに喜んでいる。


最後に大きな両目!


パッチリ!そう、開いてました。Welcome to Japan!


「何か、何か言わないと」


万九郎が、珍しく狼狽えている。


"Never mind. I speak Japanese”


異星人級に超美人で、オッパイ丸出しな女の子が、言った。


「あハイ?とにかく何で、あんな所でオッパイ丸出しで!死んでいたンですか?」


「あ、陸の男!背は高いし顔は良いし、魔力も体力も精力も凄そうで、抱れ甲斐ありそう!」


ムホーと嬉しそうな女の子ちゃん!


「俺も嫌いじゃないけど、あんまり剥き出しで迫られると、ちょっとビックリするかなー?あと海パン脱ぐ手間とか」


「えーとね、海の中で私の国が大変だから、助けて下さい!何でもします。お金とか魚とかセックス?とか」


目と目で通じ合ってるハズの女の子が、何か変だ。


「嫌!そのいきなり身売りとか?いや!この国には、悪い奴隷商人はいないけど?」


「フーン何か焦(ジレ) ったい人ですねー!ワタシの海の王国が、大変だから、陸のいい男が助けるのは当然!子孫存続のためにも!」


「何か凄い事言った気がするけど、とにかく君の海の王国って何?」


「はぁ?人魚!人魚の国ですよマァ冥土!」


「それって、俺とさっきからオッパイ丸出しで激しく抱き合ってる君が人魚で、人魚の国の王女様とか?」


「だから、さっきからずーっと、そう言ってるじゃないですかー!」


お怒りの王女様www


「だってさー!お前さっきからずーっと、俺と抱き合ってるンだけど?両脚とかM字にパックリ広げて、先っぽ入ってるンですけどー」


もちろん嘘だ。


「ひゃーいパックリズッポリ硬いのが奥まで?」


「だから、やって無いって!」


身体を、離した。


「イヤーだ、それ勿体無い!もっとジュッポ!ジュッポ!ジュッポ!ジュッポ!しましょ私と!」


「あ、これ残念な女だわ」


一瞬で距離を取る俺。


筋肉質のスポーツ体型な俺に対して、色々もう丸見えな姫。脚はだらし無く大きく開いてるし、ヨダレまで垂らしてて・・・


何か最初、清純なイメージだったのに、台無しだ。


「それで、さっきからずーっと聞いてますけど、人魚の国の、何処がどう言う風にピンチなの?ってか人魚?人間じゃん?恐ろしく美人で、いい身体してるけど」


「私はシャーロット・ド・マ・ツーラ!人魚の大国マ・ツーラ国の、第5649代女王の一人娘です。さっきからずーっと言ってるじゃないですかー」


「いや全然言ってないし。さっきからずーっとオッパイ丸出しなんだけど。人魚なら魚の下半身はどこ行ったの?」


「陸に上がると自然に人の下半身になるの!海の中だと当然、魚っぽい下半身よ!」


「人魚の下半身って、なんか断面w 丸っこいじゃん見た事ないけど。海魚の縦に薄丸いバディとは偉い違いだな」


「私達は海の王者、人魚なの。シャチとかイッカクとか、重量感あるムッチリしてる海棲哺乳類の、下半身になります」


「でも、中身は人間と同じなのよー知らないけど。何か私達人魚は、人魚族じゃ無くて、ヒト族なの!人と同じなの!だから、貴方とセックスするのも当然なの」


万九郎も、綺麗で可愛いくてオッパイが大きい女の子は、大好きだ。


「まぁ人生で彼女いた事ないけど、何か女の方からヤリタイから裸にして下さーい!ジュッポ!ジュッポ!なのはなあ」


女の子はもっと、慎ましやかじゃ無いと、勿体無いけど男が逃げる的な?


実例は当然、1つも見た事も聞いた事もないが。


なんかさっきからずーっと、お互いの身体を凝視して12分くらい経過している。


「まぁとにかく話が進まないから、キミは俺に何をやって欲しいんだい?」


「私の国、最近半魚人族と戦争してます」


「ほぉ?」


「それで万九郎に助太刀して貰って、アイツら追い払って、平和な海に戻す!」


「やっと、分かりやすくなったな」


「ハイ」


「でも俺って売れっ子でさ、安くないぜ?」


時給600円の最低賃金法違反な、ド低給で雇われてる万九郎が、何か言ってますwww


「はーん?そんな事どうにでもなりますよお」


「ホウ?」


「私の国ってば超古代から続いてる大王国ですしー、あー男は1人も居ないから、女王国ですー。それで知ってますー?」


「海には、国境線が、ないんデス」


「そりゃハッキリした領土とは違うだろ?」


「海の底には、山から川から、空から、なんと大気圏外からも、常に資源が降って、積もっています」


「モリモリモリモリ!モリモリモリモリ!」


「ほ、ほぉ?」


「貴金属からレアメタル、石油に石炭ついでにメタルハイドレート!」


「ゴクッ」


「そりゃ凄い量の資源が眠ってて、それを私の意のままに掘り出す事が、できるンです!」


「URブルジョワ ジー!」


「”That's right!" そう、その通り!私ったら既にセレブ!」


"Rich is Right!"


「金持ちは、正しい!」

「金持ちは、正しい!」


「だからね、ホラ!」


「?」


「万九郎に私の代わりに!半魚人族をやっつけちゃって!欲しいの!」


「ハーン?さっきから聞いてれば、お前だけに、やたら都合の良い話だな」


「さっきから私のオッパイとか、丸見えなの見てるでしょ?」


「分からん」


「何が?」


「何千兆円もの儲け話と、お前のオッパイが見えていることの違いだが?」


「エッ、見えてるンじゃ無くて、見てるンでしょ?ほーら私の乳房、凄いでしょ!」


胸を張って、張りのいいオッパイを剥き出しにして、ピンクの乳首をこっちに向かって、挑発的に勃起させてます。


「確かに相当凄く嫌らしい裸だが、俺がお前と一晩腰が抜けるくらいやりまくっても、せいぜい10万とか、そんなもんだろ?」


「エッ?」


「それと無数の人間が絡む大プロジェクトは、そりや違うっての」


王女様は、全く違う物で、別の違う物を押し付けようと、したわけだ。


「じゃ、どうすればいいの?」


「オッパイ丸出しで、嬉しいんだけどね」


「はい?」


「やって欲しい事に、集中しよう」


「やって欲しい事?」


「うん」


「アイツらを、やっつける!」


「良し。契約完了!」


万九郎は、それからやるべきことを、取り決めた。


「1つの国が、別の1つの国をやっつけたいなら、仲間を作るのが早い」


「はい?」


「特に、敵との国力が近い時。この場合は絶対だ」


「仲間の国?」


「ああ」


「そんな国って、あるの?」


「目の前に」


"Now I gache!"


"Welcome to Japan, once again!"


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ここから万九郎のプロジェクトが、本格的に動き始めた。


「呉の海上自衛隊に連絡を入れる。前のプロジェクトで、佐世保には借りが有るからな」


「借り?」


「そうだ借りだ。これをハッキリさせないで話を進めようとすると、必ず頓挫する」


「頓挫?」


「そうだ。話が進まなくなる」


「なぜ?」


「そりゃ一方の当事者が他方の当事者に対して、不公平だと思うからさ」


"Unbalanced?"


「そう。簡単に言えば、これだけやってあげたのに、何でお返しが無いのって、普通思わない?」


「そうよね!確かにそう!」


「だからさ、今回はしっかりやるのさ」


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呉の海上自衛隊が、空母出雲を派遣してくれた。艦上にはF35Bが満載。


「こちら、呉の司令官、飾羅木(カツラギ)だ。階級は二佐」


「今回のミッションを担当している万 万九郎(ヨロズ マンクロウ)です。色々至らない所が、あると思いますが、宜しくお願いします」


「前回のオペレーションについては、佐世保の小此木から聞いている。中々に凄まじい作戦だったようだな」


「小此木三佐ですね。こちらこそ、佐世保には大変、お世話になりました」


「聞いたぞ。あの時の大震災が、まさか予震に過ぎなかったとはな」


「まさか地竜とは、全く予想外でした。身内に情報提供者がいたため、滞りなく作戦を済ませる事ができました」


「良し。その手腕に期待しよう」


空母出雲から、先遣隊のヘリコプター隊が、ぎぎが浜一帯に到着した。


「ヨロズ君。ここから坂を登った所にある、県立高等学校の体育館を、情報連絡の為に接収した。問題は、無いだろうか?」


「あの人達は公務員ですから、上の言う事に従うのには、慣れていると思います」


「そういうものかも、知れないな」


「作戦のご説明、お願いします」


「現在、我が隊は全速で、玄界灘を西方に向かっている。これに問題は無いな?」


「私も単身で、同じく西の方向に、向かいます」


「と言う事は、合流海域は?」


「はい。平戸島の北方、生月(イキツキ)島の北方です」


「うむ。我が隊は全速で、同海域に向かう」


「了解しました」


##################


「何だか、格好良いわよね貴方!硬い乳首に来るわあ」


「ここは海水浴場と言って、人が多い場所なんだ。兎に角、人に見られない限りは、オッパイ丸出しになろうが、オナニーしようが、お前の自由だ」


「フリーダム。そう言う事ね」


人魚姫のシャーロット・ド・マ・ツーラは、急に元気になると、海に飛び込んで、どこか沖の方に泳いで行った。


「また半裸で・・。あの人の一族って、何万人いるンだろう?性暴力事案が増えそうだけど、男子中高生には、手を出さないで欲しいなあ」


16時23分。生月島北方。


「良し。ウチは展開を完了した」


「はい」


「日本の領海の西も西か」


「はい」


「嫌な位置取りかも、知れんな」


「はい。ですが何を言って来ようと、無視してれば良いのです」


「そうだな。それが良い」


午後17時31分。


「あの、海上が騒ついている所が、半魚人族の大規模な群れか?」


「そうなります」


「先制攻撃する」


「死体処理ですね?」


「そうだ」


「基本無視で」


「無視?」


「はい。我々日本国民と、半魚民族の間には、何の関係もありません」


「そうだな」


「それこそ、膨大な彼らの死体が発生し、それらが領海を越えて、プカプカ他所の国の海を汚しても、我が国には、何の関係もない事です」


「その通りだな」


「間もなく接敵です。時計合わせしますか?」


「いや、オペレーション全体が完了した時点で、予定時間との差は20秒と有るまい」


「私が先制で、宜しいですか?」


「いや。此方は一応、艦体で来ている。F35を先頭に、飽和的攻撃を叩き込めば、敵を最も効果的に霧散できる」


「ご武運を」


「其方(ソナタ)もな」


##################


呉の攻撃隊と離れ、万九郎は、たった1人で敵の群れに向かう。


「二佐の戦果を複雑化するのは、良くない。よって、俺は単騎先行し、見えない魔法と飛行魔法を駆使して敵発見。後は、雑魚どもだけを排除する」


万九郎は、直ちに作戦内容を実行した。


今、玄界灘の海は、凪だ。


##################


「それで万九郎?」


「うん?」


「あの、言いにくい趣味の部族が」


「はあ?」


「私に、言わせないで」


「だから?」


「あの人達のお店が、増えてるの。佐世保を中心に」


「それで?」


「だから、貴方が・・」


「ん?」


「貴方が、たった1人で、全員の相手を、しなさい!」


「はーーん?何それ酷い!風俗って事だろ?とんでもねー!」


「知りません!」


「幾らするんだ?何千万とか、下手したら何億とか?」


「俺、死ぬかも・・・佳菜!」


「海水浴場のバイトは、紹介したでしょ」


「1時間600円のとこだろ!」


「それ以外、貴方、無職でしょ?」


「酷い!何だよ、俺に何をやれって?」


「普通に、善良な市民で、あって欲しい。それだけよ」


万九郎は、全力で自宅に帰って、泣きながら寝た。


##################


その日の深夜11:27。


「ツルルーン」


「ん何だよ今、寝てるのに」


とか言いながら、律儀に電話に出る、万九郎。


「はーい、誰だよ全く?」


「万九郎?」


「はあ?」


「明日ね」


「はい」


「久しぶりに、佐世保の精神科の総合病院に、行ってみなさい」


「うん、何で?」


「貴方」


「はい?」


「あそこの綺麗で可愛くて、胸が膨よかな看護婦さん達に」


「はあ?」


「大層、人気があるそうね?」


「何を、言いたい?」


「別に何も」


「はあ?」


「あの可愛い看護婦たちのメール宛に」


「え、おい、ちょ!?」


「貴方が、あのシャーロット・ド・マ・ツーラさんと、とても生々しく、仲良くしてるシーンの画像と動画を、沢山送ってあげたの」


「jpg画像に加えて、動画もって事か?」


「そうよ」


「お前さあ、目上なのは知ってるが、人としてさ」


「はい?」


「お前さ」


「ハイ?」


「面白がってるだろ、絶対!」


「そんな事、無いわ」


「いや、ある。昔から、こうだろ」


「そうだっけ?」


「それ以外の何がある?」


「全て。万九郎と私の、全て」


「ツーツー」


「あら?意識失っちゃったの?折角あの、人魚のお姫様の個人アドレスとか、電話番号とか、教えてあげようと思ったのに」


##################


今回は、いくら何でも可愛いそうでした金銭的に。

次回からは、少しは良し事が、あるかも知れませんね。



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