第14話 再起



「よし!時間がない、みんなの能力を把握しよう!じゃあ一人ずつ自分の能力を言ってくれないか?」



残ってくれた護衛3人に呼びかける。



「俺は薄井煙霧」



 そう言った男子生徒は体操服の上に自前のパーカーを着ている。

髪で目元まで隠れていてフードを深く被っている。



「能力は”煙”。煙を出すことができる」


「おお!相手の視界を防げるな!」



この能力は役立ちそうだ。



「じゃあ次はあたしだね!」



話しかける前に女の子が名乗り上げた。



「あたしはミリシャ!」


「・・・ミリシャ?それ本名?」


「本名だよ!」



 茶髪のロングヘアでクールでボーイッシュな顔立ち。

それに気が強そうでいかにも姉御肌って感じだな。

あと・・・巨乳だ。



「あたしの能力は”重量変化”!体のどこでも重くできるんだ!」


「おー、それはすごいな!」



うーん、今は役立たないかもな。



「役立たずだって思ってるだろ!」



あ、バレてた。



「あたし、めっちゃ強いんだからな?手足を重くすれば・・・」



 ミリシャはそう言うとファイティングポーズをとった。

すると、手足に白く薄いオーラが纏われる。

なるほど、この部分が重くなっているのか。


 そしてシャドーや回し蹴りなどを披露した。

風を切る大きなブンブン、という音が聞こえる。

人が出せるレベルの音じゃない。

これは喰らったら痛いだろうな。

いや、痛いどころか骨が砕け散るかもな。



「これはすごい能力だな!」



そう言うとミリシャはこっちを向いてドヤ顔をした。



「じゃあ最後は私ですね。私は安寧真莉愛」



 最後にそう言ったのは、

いかにも大人しそうで優しいオーラをズンズン感じる女の子。

深緑の髪色でふわっとしたロングヘア。

目が一直線になるぐらいにニコニコと笑っている。



「私の能力は”召喚:小人”です」



 仙撃が言ってた召喚型の能力か!

・・・でも小人?



「えっと、小人を召喚するの?」


「はい!出ておいで〜」



 そう言うと、

安寧さんの肩や足元からひょこっと小さい小人が顔を出した。



「うわぁ!」



 その数は大量で、

若い小人から年老いた小人までいる。



「おい真莉愛!誰だこいつらは!」



安寧さんの肩に乗っている年老いた小人が喋った。



「この方達は同じC組の方ですよー」



安寧さんが小人に話す。



「そうか、お主ら真莉愛の友達なんじゃな!この子をよろしく頼むわい!」



 年老いた小人が話す。

それを聞いて安寧さんがニコニコと笑っている。



「これで全員じゃないんですよ〜。まだまだたくさんいらっしゃるんです〜」


「そ、そうなんだ・・・」



なんか怖いな・・・



「鳴神、どう攻めて行く?」



 仙撃が言う。

うーん、と全員で悩む。



「じゃあ、こんな作戦は?」



なんとなく即興で考えた作戦を話した。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「いいなそれ!それで行こう!」



仙撃が笑顔で言う。



「みんなもこの作戦で大丈夫?」


「もちろん!」



賛同の声が上がる。



「よし!じゃあ行こう!」



俺たちは地下から地上に向かって歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る