第8話
善意の行為をしたはずなのになんでこんなコソコソしなきゃならないのかね。
本来なら表彰されてもいい行為はずなのに。などと自分の都合のいいように思考が流れてしまう。
勝手に人の心の中に不法侵入し、法はあらずとも倫理的には問題ある行動とったくせに自分に都合のいい、主張をしてしまいそそうだ。だけど、盗人にも三分の理というの主張したい。
水量が少なめだったとはいえ、濁流で流れが早めになった川を渡ったりと気を抜けばそれなりに危ない目にもあったりしたのだからな(みんなは絶対にやるなよ。プロでも命落とすなんてことはザラにあることだから)。
まぁ個人的にはこいつの珍しい感謝の言葉と珍しい表情を見聞できるという大きな報酬も、得られたしいいだろう。
帰路の道すがら、「それよりもどうっすっかな。書置きの件」
「大丈夫よ。今日は伯母……郁美さん早くない日だし」
こいつ慌てて、川の様子を見てくるなんて書いたらしい。完全にフラグだろう。遅いらしいが、見られて怒られやしないだろうか。
いや、今はそっちよりのことよりも、「それもあるけどよ。平気なのか?なんか特殊な電波みたいなのを飛ばしたんだろ?」
「バレないように最小範囲でやったから平気よ。それにこの街の範囲内にそういった組織みたいなのはいないから」
「でも、そういった組織はあるんだろう? お前の科学技術を上回るやつが接触なんてこともありえるんじゃないか?」
「そうなったらそれはそれで好都合ね。だって、私の完璧な情報漏洩防止策をかいくぐって接触してくる連中なら逆に利用してやるわ」
この自信はどこからくるんだ? と思ったが機械開発したからか。あとは前述したように、コミュ力とまともな発明以外は基本なんでもできる女だからな。
待てよ。そしたら交渉するのはコミュ障のこいつじゃなくて、俺がすることになるんじゃないか?
などと、新たな悩みに悩まされそうなので、とりあえず保留にして、考えるの放棄。風呂に入る方向へと意識をシフトさせた。もしも、変やつに遭遇したら、頑張れ! ちょっと先の未来の俺。接触するのがまともな人物だということを祈ってるぜ。
などと祈っていたところ。
複数人が移動時に発生する足音が聞こえた。この暴風雨の警戒が解かれ、注意喚起に変わるくらい弱まったらしいので、比例するように雨音や雷が弱まっているはずなのに、中々響く足音が段々大きく聞こえるのはそれなりの人数がこちらに近づいていることを表す。こんな天候でピクニックに行くような大人数の足跡が聞こえるなどというのありえな——
「ちょっとあれ警官じゃない? まさかあんたもう私を訴えたの? 怖いんだけど」
遠くの曲がり角から黒いレインコートをきた複数の人達が現れた。距離が離れているのと、曇り空、なによりも深めに被ったフードをのためか顔が全くわからないので、より恐怖を煽る。なので俺は視線をやや下に逸らした。
「知らん。知らん」
いや、俺のほうが怖いんですけど。なぜなら俺はついさっき人類初の人工的なテレパシーのものの成功者だ。
さっきの行動によってどこかの組織が情報がキャッチし、接触というなの捕獲しにきた可能性はあるが、文音ちゃん救出の捜索隊の可能性もある。とりあえず俺たちには関係ないだろう。さっさと横を抜けてシャワーをーー
「君達、
雷を受けたような衝撃が身体を突き抜けてく。意味ありげな言葉。やはりこいつら天恵がいうようにヤバイ組織のようだ。
どうする?
そんなのは決まってるとりあえず天恵を逃がす。あいつなら助けてくれるさ。なんだかんだ。言っ自分の研究情報漏洩のリスクを追ってまで赤の他人を助けてくれたやつだ。友達となった俺のことくらい助けてくれるだろう。まだ、俺の母親を助けてくれた恩を返したつもりはない。なら俺ができることをやるだけだーー
「逃げろっ!! 天恵!!」
俺は横にいた天才少女に逃走を図るように、呼び掛けた。
「って……もういねーしっ!」
やっぱあいつ足速ッ! 猛烈なダッシュで小さい体がさらに小さくなって俺の視界の隅へと瞬間移動したかのように、離れていたが、いつの間にか後ろにいた。仲間組織連中につかまってしまった。
「離してよ。離せよ」という天恵の声がかすかに聞こえる。どうやら捕まったらしい。らしいというのは俺も捕まってしまったからだ。これから俺たちはどうなってしまうのだろうか。
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