変態…と仲良くなる…気はな…い

 俺を挟んで座りだした新海にいみさんと本城ほんじょうさんの2人。

仲良くしてほしいって言うが、俺は変態と仲良くしたくないんだよ。



 「ねぇ、風祭かざまつり君。考え直してほしいな~」


新海さんが自身の手を俺の太ももの上に置いて、ズボン越しにスリスリしてきた。


「彰君。あたし達は諦めないよ」

俺の手を握ってくる本城さん。


この2人、香水でも付けてるのか良い匂いがするな。

ボディタッチもかなり効いている。このままだと、心が惑わされそうだ。


「や…やめろ」


「そう言う割には、抵抗しないよね。風祭君」


「ね? 彰君、本当に素直じゃないなぁ~」


「俺は、変態…と仲良くなる…気はな…い」

そう言わないと、俺の心が折れてしまう。


「ねぇ、風祭君。アンダースコートじゃない、ウチの本当の下着見せようか?」

新海さんが俺の耳元で囁く。


「……なんだと?」


「反応したね。無理せず素直になったほうがいいよ」

新海さんは座りながら、自身のスカートを少しずつ上げていく。


そんな事やったら、他の人にも見られるぞ。

そう思って辺りを見渡したが、誰もいない。


「もう休憩時間が終わるからね。ここにはあたし達しかいないよ」

本城さんが補足した。


新海さんはパンツが見えるところギリギリで、スカートを止めた。

「続きは、仲良くなることを約束してからね」


そこまで見せておいて、お預けかよ。

こんな見え透いた罠にかかる俺も変態か。なら…。


「わかった。お前達と仲良くしよう」


「わ~い、ありがと~」

新海さんは笑顔で喜んでいる。


「彰君。恵のパンツが見たいから仲良くするって、君も十分変態でしょ」

本城さんに痛いところを突かれてしまった。


本城さんにと言った事はないが、新海さんから色々聞いたのだろう。


「そうだな。お前達の変態が移ったせいだ」


「も~、口は相変わらず悪いんだから…」


新海さんがそう言った直後、3限開始のチャイムが鳴る。


「急いで戻るぞ。3限後の休憩時間にまたここで。良いな?」


「わかったよ」


「はいはい」


新海さんと本城さんがそれぞれ返事した後、俺達は別れた。

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