おい、パンツ見せろ

 3限後の休憩時間、俺と新海にいみさん・本城ほんじょうさんの3人は、再び自販機前の休憩スペースに集まることにした。


どうやら、今回は俺が一番乗りのようだ。待たせてもらおうか。



それから数分後、2人がやってきた。


「彰君。本当に来てるじゃん。もう逃げる気はなさそうだね」

本城さんが俺の姿を観て驚いている。


「仲良くなると言ったんだ。二言はない」


「そう…」

新海さんは微笑みながら俺を観る。相変わらず子供扱いしやがって。


「それよりも…、さっき俺に言った事忘れてないよな?」

俺は新海さんを指差しながら言う。


「え? 何のこと?」


とぼけるつもりか?


「ついさっきの話だろ。忘れたとは言わせんぞ」


―――


新海さんはパンツが見えるところギリギリで、スカートを止めた。

「続きは、仲良くなることを約束してからね」


(変態…と仲良くなる…気はな…い より)

―――


「あ…」

その顔、本当に今思い出したのか?


「そういう訳だ。俺はあんたのパンツを観る権利がある。だから見せろ」


「彰君。思いっきりセクハラ発言してるけど…」

本城さんが少し引いている。変態に引かれるのは心外だな。


「今は周りに誰もいないだろうが。それに、見せパンをわざと見せてたお前らが言う事か?」


「わ…わかったよ。ウチらは先輩だし、嘘付いたら後輩に示しがつかなくなるね」


「そういう事だ。誰か来る前に、さっさとまくり上げてくれ」


恥ずかしそうにスカートを少しずつまくり上げる新海さん。


演技がうまい人だ。2限後の休憩時間は知らないが、今は下にショートパンツなり

何か穿いてるはず。俺が1番乗りしたのも、穿いて遅れたからだ。


…と思っていたが、新海さんはリボンが付いたボルドーのパンツを見せてきた。


「ね…ねぇ、これで良いでしょ? 恥ずかしいよ」


新海さんの顔は真っ赤で、火が出そうなぐらいだ。

見せパンは良くて、本当のパンツはダメなのか。何が違うんだ?


「もういいぞ」


スカートを元に戻す新海さん。本当にパンツを見せるとはな…。


「言っとくけど、あたしはやらないわよ。恵が勝手に言った事だし」

本城さんが釈明する。


「俺は何も言ってないが? 見せたいアピールか、それは?」


「違うって。…彰君、どうしちゃった訳? 『仲良くなる』って言ってから、急にがっつくようになって…」


「さっきも言っただろ? お前らの変態が移ったんだよ。それか、お前らが俺の変態を呼び覚ましたか。少なくとも、原因はお前達にある」


「……」

俺の説明を黙って聞く新海さん・本城さんの2人。


その後、二人は顔を合わせ俺に言った。

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