第4話 気がつけば3歳……
産まれてから3年。3歳になった僕とリラが一緒に遊んでいる。
「トーヤ〜、これ上げる〜」
リラが僕にガルンさんの作った積み木を手渡してくる。僕は顔はニッコリ笑顔で、でも何も話さずに積み木を受け取る。その積み木を自分が積んでいた積み木の上に置く。
相変わらず僕は言葉を発してない。けれどもガルンさんもラメルさんも、そして二人に僕は喋れないと聞いたリラもそんな事はどうでも良いとばかりに普通に僕に接してくれる。特にリラは5日早く産まれたので、僕のお姉ちゃんの役割を担ってくれている。まだ3歳なのに……
そんな僕はこの3年間でかなり出来る事が増えたんだ。
名前:トーヤ・ログセルガー(公爵家五男)
年齢:三歳
種族:人種
性別:男
性格:ムッツリ・
称号:転生者
体力:18
気力:52
技力:22
魔力:178
魂力:265
技能:魔力操作・全属性魔法(1)・身体強化(小)・気配察知(範囲小)・刀技(1)・
加護:アメノウズメの加護
【道具箱】【知識箱】
体力はまだまだだけど、魔力と魂力の上がり方は凄いと思わない? 自分でもちょっとビックリしてるんだ。そして、技能が沢山増えたんだ。全属性魔法が出た時は嬉しかったね。
この世界では、属性は色で分けられているみたいだ。【火】は赤色、【水】は水色、【土】は茶色、【風】は青色、【木】は緑色、【氷】は白色、【雷】は黄色、【闇】は濃紺色、【光】は金色、【聖】は銀色の10の属性があるんだ。(1)はレベルを表してる。まだ低いレベルだけど、隠れて練習してるから、その内に上がると思うんだ。
因みに獣人は魔力が少ない傾向にあるみたいだ。コレは新たな技能、
そして、二人の子供のリラなんだけど…… 僕がちょっとやっちゃいました…… 1歳になっても寝る時は僕と手を繋いで寝るリラの魔力を、繋いだ手を通して操作していたら、熟睡する前のリラも気がついたようで、それからは自分で体内の魔力をグルグル循環させていたんだ。だから、リラの魔力は両親よりも多い。魔力が58もあるんだ。この数値が獣人としては凄い数値なんだと僕は知ってしまった。
ガルンさんとラメルさんのある日の会話で、二人とも獣人としては魔力が多い方だと言っていたのを聞いたから、ならばリラの魔力はとんでもない数値って事になるよね。
ま、まあ過ぎた事を気にしては前を向いて進んでいけないから、僕は気にしない事にしたけど。いいよね? ね!
「トーヤ〜、今日も素振りする?」
積み木遊びに飽きたリラが僕にそう聞いてきた。僕はニコニコと頷く。そして、二人で家の外に出て、公爵家本邸から見えない場所に行く。僕とリラが手にしたのは前世でいう木刀だ。長さは柄の部分を含めて僕のが60センチ、リラのが70センチだ。
リラは僕よりも体力、技力が高いから僕のより10センチ長い木刀でも難なく振っている。僕は身体強化を使ってやっとマトモに振れる程度だけど、素振りの時は身体強化を使用しないようにしている。
そうすれば、基礎の能力の数値が上がるからなんだ。いくら身体強化とはいっても元の数値が低いと強化しても弱いからね。
そう思ってはいるけれど、60センチの木刀に振り回されている僕を見てリラが言う。
「トーヤ〜、やっぱり50センチにする?」
僕はその言葉にブンブンと首を横に振る。このまま60センチの木刀で頑張って、マトモに振れるようになった時には体力も技力もかなり向上している筈だからだ。でも首を横に振る僕にリラが言った。
「でも〜、トーヤ。素振りなのに怪我してるから…… お姉ちゃんは心配…… 怪我したら素振りも出来なくなるよ……」
そこで僕はハッとしたんだ。そう、木刀に振り回されている僕は偶に自分自身に木刀が当たる事がある。勿論、銀色魔法で、寝て起きたら治る程度の怪我なんだけど、確かにその内に頭なんかも叩きそうだ。それを思えば背伸びせずに身の丈にあった長さの木刀にするべきかもと考えた。
僕は気づかせてくれたリラの方を向いて、頭を下げながら60センチの木刀を差し出した。
「エヘヘ、良かった。お姉ちゃんの言う事を聞いてくれて。ちょっと待ってね〜。お母さんに削ってきて貰うから」
そう言ってリラは木刀を手に家に戻っていった。10分程で50センチとなった木刀を手に家から出てきたのは、リラとラメルさんだった。
「トーヤ様、良かったです。私もいつ言おうかと悩んでおりましたから。さあ、コチラの木刀をお使い下さいね。それと、今日から私が二人の素振りを見ます。簡単な指導もさせて下さいね」
リラから手渡してもらった木刀を手に僕はワクワクしていた。前世では何の運動もしてなかったので、素振りをしても正しい姿勢なんかも知らなかったからだ。(それでも振り回していたら刀技が増えたんだけどね)
「さあ、先ずは握り方からお教えしますね。トーヤ様は右利きですから、そうです。そのようにお持ちになるのが良いでしょう。力を入れ過ぎても抜き過ぎてもダメですよ」
その横で身体能力の高い獣人の本能なのか、リラはラメルさんにダメ出しされることも無く、木刀をビュンビュン振っている。僕だっていつかは……
その思いを胸にラメルさんの胸部装甲を見上げながら心に誓うのだった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます