商売繁盛。アルバイトリーダー・ロイロの無双再び!?
「いらっしゃいませ!」
楽しそうなリズの可愛い声が出店スペースに響くと、続けてアンナやカメリアも、いらっしゃいませ、と声を弾ませる。
お客様がお客様を呼ぶ、といった状況に入り物珍しさもあってか客足は途絶えること無く盛況をみせる〈気まぐれ猫〉。
リズ&アンナの和菓子ブースは、リズの元気な接客に惹かれてか年配の女性を中心としたお姉様方が、ユルクでは高価とされている甘味がリーズナブルに食べれるということや、和菓子の可愛らしい見た目も相まって上限の3個ずつ買って頂いているよう。
カメリアの売るパンは、主婦層もそうですが思っていた以上に冒険者や旅人風のお客様が多い。確かに携帯食としても便利なのかな?早めに召し上がってください、とちゃんと伝えているので問題無いでしょう。カメリアもパンが売れる度に笑顔が増えていきます。
そして、ルーチェは。
人数制限をかけたことが功を奏して、以前私とルーチェの2人で行ったハンドケア体験の時のような行列はありません。フェルミナが整理券を用意し、順番待ちの間は他のブースで買い物やテーブル席でゆっくりと休憩して頂いているのでお客様もストレスフリーです。流石は元受付嬢、と言ったところでしょうね。
そして、体験を終えた女性達が輝くような笑顔でキャッキャと感想を言っています。そんなお客様を見ながら微笑むルーチェの顔も、一段と輝いています。
で、です。
私の珈琲とケーキのセットはというと、最初はその真っ黒な見た目を敬遠されたのか、用意していた紅茶とケーキのセットの方が売れていました。
ですが、年配の男性やエルフ族の男性...だと思われる見目麗しい方に興味をもたれ、次第に注文も増加。男性はブラック珈琲、女性はカフェ・オ・レ、といった感じでしょうか。
休憩スペースではセルジュさんと、シフト休みでお客様として来ていた宿の従業員の女性2人が流石はプロフェッショナル、と感嘆するほどにスムーズ且つ丁寧に接客してもらっています。
この女性2人には、ルーチェの時と同じで給金代わりに現物支給で話がついています。
〈KumA〉のハンドクリーム、高級の方。思えば、このクリームをリズの実母に売ろうと思っていたのに、あんなカタチでその話も無くなってしまったので〈
御礼品としてならいいか、と思って今回は放出します。まぁ、大丈夫でしょう。セルジュさんの部下の人達なので。
うん、思っていた以上に順調で良かった。
何やら
ニャハハハハッ。
今頃アキサメは〈気まぐれ猫〉の順調な状況にニコニコのはずニャ〜。
私と
私は〈気まぐれ猫〉の看板猫・ぷりてぃロイロちゃんニャ!
今回は前のよーに失敗はしないニャ。
ネトに悪意を持つヤカラが入ってこれないよーに結界を張らせたし、マンガイチの時にも大ジョーブなよーに
さぁ、ジュンビバンタン!アメアラレ、ニャ!
〈招き猫〉のセイノーを思い知るがいいニャ!
「ニャハハハハッ!ニャーハッハッハ!」
「うわッ!?急に高笑いするなピョン!びっくりして結界が一瞬歪んだピョン!」
「ニャ?めんごめんごニャ〜。
にゃあ、ネト。私達はガンバッテるニャ?」
「え?あ、まぁ、頑張ってるんじゃないかピョン?御館様も見守ってくれてるし」
「だよニャッ!?じゃあ、ゴホービがあってもいいと思うニャ!
だ・か・ら、今からぶーすをまわって楽しむニャッ!」
「え!?マジ?私達って従業員、ってヤツじゃないの?え?イイってそんな事?本当に?あ、ち、ちょっと、バステ...ロイロ姉!待って!待ってよ、置いてかないでよッ!...ピョン」
ヤバッ!?ロイロ姉が走ってった!
いつも気怠げなクセしてこんな時だけ俊敏に動くなよッ!?
あぁぁぁーッ!!
御館様がコッチ見てるッ!
ちょ、ちょっと待って下さい!私じゃないんです、アイツです!
犯人は
「気まぐれ過ぎでしょッ!?
➖・➖・➖・➖・➖・➖・➖・➖・➖・➖・➖
御一読頂きありがとうございます。
ロイロ姉の暴走のスタートです。
〈気まぐれ猫〉が〈気まぐれ〉であるという事を体現している看板猫は、次回お客様も巻き込んで...。
では、また次話でお会いできたら幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます