◉なんてたぼーな日ニャ!?〈午前10:20〜11:01〉

 ニャ〜ニャニャ〜♪...ニャ?アキサメがでもんすとれーしょんに使うオルゴールは、これかニャ?


『.....分かりました。出会えるかは分かりませんが、その時は必ずお渡しすると約束します』

『頼むよ。それにしても、なんでまた今朝に限ってペンダントこんな物持って来たんだかな、ウチの飼い猫タマは』

『何故なんですかね。...猫は気まぐれ、と言いますからね』

『それも、そうだな』


 私のお願いだからニャよ〜。猫には猫なりのリユーがあるニャよ〜。


 ニャニャ。これはきゅーとで私にピッタリの人形ニャ♪あ、そうニャ、〈気まぐれ猫〉の看板の絵も描いておかニャきゃ。

 ニャ〜ニャ〜♪ニャッと。上手く描けたニャ!ニャんでも出来てしまう自分のサイノーがこわいニャ〜♪




『さて、〈気まぐれ猫〉をオープンさせましょう』


 ニャふふ。始まるニャ〜。


『新進気鋭の画家の作品か、幼稚園児の絵か。どちらにせよ、味のある絵ですね...』


 ニャーハッハ、アキサメはゲージュツが分かってるニャ!


《おい、なんでそんなモンに憑いてんだよ、猫神...。兎に角、例の子どもはこの近くに居るからな。青い髪の女の子だ》


 分かったニャよ...ニャ?音ちゃんは何処にいるニャ?


《秋雨の屋台の裏にある木に居るぞ。お!秋雨がテーブルの上にオルゴールオマエを乗せたぞ。いよいよだな、オレ様の神力チカラを見せてやるゼ》


 ふふっ、私のぷりてぃな姿で千客万来ニャ!

 おっと、アキサメが蓋を開けたニャ!

 見せてやろうニャ、私の〈招き猫神力〉のセイノーとやらを!


〜〜♪〜〜♫〜♪〜〜♩♫〜.....


 ち〜いさ〜いゴロ〜ニャ〜

 か〜みさまがいて〜...ニャ?


 ハッ!?この曲は私の曲ニャ!?

 この黒ニャンコ人形といい、曲といい...

 やるニャ、アキサメ。


 あ、もうすぐ1周ニャ!アキサメ、気付くかニャ〜?


 ニャ!目が合ったニャ〜。特別にういんくしてあげるニャ〜。


『ニャ〜♪見つかっちゃったニャ♫』


 驚いたかニャ〜?さぷらーいずニャ〜!

 あ、アレ、止まらないニャ?え、もう1周するニャ!?え、止まれないのニャ!?ち、ちょっと待つニャ、2周目でアキサメと目が合ったら、私どんな顔すればいいか分からないニャ!ちょーはずかしーニャ、台無しニャ!


 お願いニャ!止まってーーーニャーーー!?


《何遊んでんだよ...オルゴールの人形になんか憑くからだろ。そういうのを、自業自得っていうんだよ、駄猫神。

 あ、いけね。オレも仕事しなきゃな》


ーー音楽干渉music intervention


〜〜♪〜〜〜♫〜〜〜♩♫ 〜〜♪〜〜〜♫〜〜〜♩♫ 〜〜♪〜〜〜♫〜〜〜♩♫....


 オルゴールから響く音は旋律メロディとなり、辺りの人々へと、音楽神の声を届ける。


《聴こえるかい、愛しい子。

 見えるかい、音の表情かお

 感じるかい、音の気持ち。

 さぁ、こっちだよ。

 おいで、愛しい、愛しい子》


〜〜♪〜〜〜♫〜〜〜♩♫ 〜〜♪〜〜〜♫〜〜〜♩♫....


『これは、誰が演奏しているのですか?』


《ヨシ!上手くいったゼ!後は頼むぞ、秋雨》


 ニャハハハハ〜!何だか楽しくなってきたニャ〜!


《..................頼むから邪魔だけはするなよな》


『おにいちゃん、すぐ近くだよ?』

『え?誰も楽器なんて弾いてないよ?』

『音、音楽を奏でているのは、この箱ですよ。

 これは、機械仕掛けの楽器で、ゼンマイを巻いて音楽を奏でる楽器、オルゴール、と言います。綺麗な音でしょう?』


 歌ってるのは私ニャ〜♪


『え!この箱が演奏してるの!?ミリィ、ミリィの手で持ち上げれるくらいの小さな箱が、この演奏をしてるんだって!すごいね!』

『えぇ!?そうなの?すごいね、おにいちゃん!』

『うん!』


 そうニャ!私はスゴイのニャ〜!

 さぁ、一緒に歌うニャ〜♪


 ち〜いさい頃〜は♪か〜みさまがいて〜♫

「ふ〜ふふふふ〜ふ♪か〜みさまがいて〜♫」


『ミリィ、どうしたの?この歌知ってるの?』

『え?しらないよ。そうきこえたよ?』

『え〜?僕には聴こえないや』


 やさしさに〜♫つつまれたニャら〜♪

『ふふふふふ〜♫つつまれたニャら〜♪』


 あ、アキサメがこっち見たニャ。さては、私のビセーにホレボレしたニャ?


 ニャ?アキサメが子どもたちに他のオルゴールも聴かせるみたいニャ。

 ニャ〜......これはスゴイ光景ニャ。

 音ちゃんの神力チカラで、げんそー世界に引き込まれたみたいニャ...。

 ニャ!アレが音ニャ?確かに楽しそーにあそんでるニャ。

 キレイな光景ニャ〜。あの女の子はちゃんと見えてるみたいニャ。ニャハハ、手を振って可愛いニャ。


ーーぱちぱちぱちぱち!


『みんな、ありがとうー!たのしかったねー!』


 オルゴールたちが止まっていって、私もオルゴールから離れて、今は音ちゃんと一緒に木の枝に座ってるニャ。辺りが静かにニャったけど、音ちゃんが少しカッコつけたニャ。


 ......♪(tin)。


《ウッセー。可愛い観客audienceにサービスしただけだよ。後は、この子が選ぶオルゴールとペンダントを通して、祝福と加護を与えるわ。秋雨も気付いたみたいだから大丈夫だろ。ありがとな、猫神》


 礼にはおよばないニャ。私も楽しかったニャ。ありがとニャ、音ちゃん。


《どういたしまして、だ。お?選んだみたいだな...あははは!猫神、オマエの歌は大好評だったみたいだゼ?》


 ニャ?あ〜、なるほどニャ。こんなおさない子どもまでミリョーしてしまうなんて、罪な猫ニャね私は。


『気に入ってくれたのかな、その曲』

『うん!やっぱりさいしょにきいたこのおとたちが、いちばんわらってたから!』

『そっか。そうだね、お嬢さんにはそのオルゴールが、音楽が1番似合ってる。私もそう思うよ。

 そうだ、もう1つオマケ。

 このオルゴールを作ったお爺さんのそのまたお祖父さんが、ミリィちゃん渡して欲しいって。

 とても可愛いハチドリhumming birdを模したピンク色のペンダントだよ。

 オルゴールと一緒。ミリィちゃんにピッタリさ』


 アキサメー!ぐっじょぶニャー!


『えへへ〜ありがとー、アキサメさん』


 あ、私の声聴こえるんだったニャ。



 さ〜てと、ひとシゴト終わらせたからお腹空いてきたニャ。

 ニャ!?そういえば、私朝ゴハン食べてないニャ!お腹すいたニャ〜。よし、ゴハン食べてくるニャ!


『優しさに、包まれたなら』


 心配しなくていいニャよ、アキサメ。

 みりぃには、私のきゅーゆーがついてるから安心ニャ。


 小さい鳥あんなナリニャけど、音楽神ニャ。ゲージュツはモチロン、こんな世界ユルクくらい、


 音ちゃんムソー、ニャよ。



 さ〜てと、ゴハン、ゴハン、ニャ。

 あ!そうニャ。すてらに言って、れおん家のゴハン食べさせてもらうニャ〜!


 





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る