ロイロ容疑猫、取り調べ。『答えは簡単ニャ』

「ニャ〜〜私はやってないニャ〜!」

「.....犯人は皆揃ってそう言うのですよ」

「それでも私はやってないニャ!」


 何でしょう、この茶番は。態々、机と椅子まで用意して。こんな卓上照明、何処から持ってきたんでしょう?

 貴女ロイロ以外に誰がやらかしたと言うんでしょうかね?


「先ず1つ。ロイロは私に言いましたよね?

 『ルーチェとリズの2人とお友達になりたいニャ。2人をココに招待したいニャ』、と。

 覚えてますか?」

「当たり前ニャ。そんなに直ぐ忘れる程おバカさんじゃないニャ〜」

「分かりました。では、何故、ルーチェの従業員契約、リズの御護りのステラの事を、私に相談も無しにやったのでしょうかね?」

「そんなの決まってるニャ!」

「ほう。白状して教えてくれるかな?」

「面白そうだったからニャ!さぷらいずニャ!」

「...........貴サ、オホンッ。ロイロ君、そこに正座」


 「えぇ〜足が痺れるニャ〜」とぶつぶつ言いながらも、チョコンと正座するロイロを見て、頭が痛くなる私。


「コラ。お行儀が悪いですよ」

「ニャ!?アキサメが正座しろって言ったニャ!」

「普通は床でしょ、床」

に人間の普通を言われても困るニャ〜」


 くっ!...平常心、平常心ですよ、私。


「まぁ、良いでしょう。で?本当の理由は何ですか、ロイロ」

「ニャ〜、あれニャ、あのままだとリズとルーチェが狙われる可能性があったのは、アキサメも気付いてた筈ニャ。でも、アキサメが直接手を下すのは、最終手段ニャ。

 アキサメもは嫌ニャ筈ニャ」

「...確かにそうですが、教えてくれても良かったでしょう?」

「それこそ却下されるだけニャ。

 アキサメは『巻き込みたく無い』とか言って、自分で何とかしようとするニャ。

 を使ってでも、ニャ」


 確かに。ロイロ...私の性格を良く分かってますね。

 実際、それでも良いかな?なんて思ったりしますし、何より使える武力モノは躊躇いなく使うつもりですからね。

 御堂院の事は大嫌いですが......ん?あれ?


「ロイロ、1つ聞いても良いですか?」

「ニャ?さっきからずっと聞かれてばっかりニャよ?...何ニャ?」


「何で、ロイロがのですか?異世界召喚ロイロと知り合う前の事なのに」


 ユルクに来た事で、ロイロと出会えたのです。


「!?...しまったニャ。口が滑ったニャ〜」


 『どうしようニャ〜』『やっちまったニャ!』と、頭を抱え左右にブンブン振るロイロ。

 ......何ででしょう、妙な感じです。

 ニャ〜ニャ〜言っているロイロを、ジーッと見ていると、一瞬、ロイロが私の反応を伺う様な目をしている事に気付き、行動に出ます。


ーーガシッ!


「うニャ!?」


 タイミングを見計らって、ロイロの頭を右手で鷲掴みにして。


「ふふふふふ」

「!?ニ、ニャニャ?ゴ、ゴロニャ〜ン...」

「どうです、ロイロ君。良かったら、御堂院の修練体験でもいかがですか?」

「ニャ...ワタチはロイロ、くろねこニャン?

 しゅーれんはゴエンリョねがうニャあぁ!?」


 少ーしだけ、指先に力を入れて。


「ニャあああぁぁ!!イタいィィニャーーー!アキサメ、ぎぶ、ぎぶニャ!?ニャ!私の可愛い頭が割れちゃうニャー!!」

「大丈夫、大丈夫。そんなに簡単に頭蓋は割れませんよ〜」

「頭蓋って言うニャ!ごめんなさいニャ!ちゃんと説明するから離してニャ〜!」


 そろそろ許してあげましょう。

 私はロイロの頭から、手を離します。


「あぁぁ...痛かったニャ〜。どーぶつ虐待ニャ。ツーホー案件ニャ...」

「ほらほら。ちゃっちゃと喋りなさい」

「...分かったニャ。

 ん〜、先ずは、ニャんで私が御堂院を知っているのか。

 答えは、至極簡単ニャ。

 私は、アキサメの中で御堂院を見てきたから、ニャ。

 二つ目。私とアキサメは、いつ出会ったのか。

 これも答えは簡単ニャ。


 御堂院 秋雨が


 このタイミングで言うのもニャんだけど、


 私、【merchandisingマーチャンダイジング】スキルニャ。


 全くの別物ニャよ」


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