.....1人で全部やれと?
「どうかしましたか?〈スキル〉の有無や内容で神は我々を差別などしませんので、どのような結果であれ気に病んではいけません」
「...申し訳ありません。取り乱しましたが、ちゃんと〈スキル〉を確認出来ました。ところで、〈スキル〉の詳細や使い方などを知る方法はあるのでしょうか?」
「そういった事でしたら大図書館でお調べになるか、〈鑑定の魔道具〉などで確認出来ると思いますよ」
「教えて頂きありがとうございます」
「どういたしまして。神の御加護があらん事を」
教会から出た私は、可能性は低いだろうと思いつつも大図書館へと向かってみた。〈大〉と言われるのが良くわかるその図書館は辺境都市ガルトの中でもかなりの大きさを誇る建物だった。
図書館入口から中に入ると直ぐに受付カウンターがあり、入館受付の為名前等の必要事項を記入し、《本の破損・盗難の関する制約》についての署名をすると一瞬光を放ち右手の甲に小さな本をモチーフにした模様が浮かび上がった。
〈契約魔法〉の一種らしく、先程署名した制約内容を破ると手の模様が赤くなり麻痺状態となるらしい。「その間に捕縛されるのだろうな、魔法って怖いですねぇ」と私が呟くのを聞き取った受付の司書がクスリと笑った。
「普通に読書を楽しんでいればそんな事にはなりませんよ」
「おっしゃる通りですね。お恥ずかしい独り言を聞かれてしまいました」
「初めての方はだいたい皆さん同じ反応をしますから、お気になさらず」
「あはは。お気遣いありがとうございます。〈スキル〉の説明をまとめたような本はありますか?」
「〈スキル〉関連なら奥の8番の棚にありますよ」
「ありがとうございます、では」
8番の棚へ向かう途中、沢山並ぶ棚の本の背表紙を見ていく。【魔物図鑑】【食用魔物一覧】【薬草について~初心者向け~】【ダンジョンの秘密】【ユーミヤ大陸の歴史とルーク王国建国記】.......
8番の棚に着いたので、上から順に〈スキル〉の説明の本を探していく【戦闘系スキル一覧】【攻撃魔法スキル一覧】【補助系スキル(魔法)一覧】【生活魔法一覧】........【商業系スキル一覧】!!
「これですね」
本を手に取ると近くの席に座って読み始めます。商業系と括ってあるがその内容は多岐に渡り、【暗算】や【接客】などの〈スキル〉も存在するようだ。
私の【
「これは.........上手くいく可能性がありますね」
そう呟いて、意識して手元の本を見定め始めた。
私は元々
職業上、〈物を見定める目〉には自信、と言うよりも人一倍経験値があると思っています。【鑑定】の〈スキル〉の習得が異世界での経験限定なら大変だが、案外上手くいく気がしている。
本を様々な角度から見たり、材質を触って確認してみたりしていると、突然目の前に透明なボードが浮いた状態で現われた。
[本・題名【商業系スキル一覧】 著者・不明]
商業に関するスキルを取り纏めた本。カテゴリー分けの段階で商業ギルドによる監修があった為、実際よりも記載数が少ない。12か所間違った記載がある。
「予想通りですね。これで私の〈スキル〉の内容が分かる」
取り敢えず予定していた事は終えたので図書館を出る事にして、受付で司書に手の模様を見せて魔法の解除をしてもらい図書館を後にすると、そのまま今日は宿に戻って今後の計画を立てる事にしました。
宿の部屋のベッドに腰を下ろして自分の〈スキル〉を意識しながら鑑定してみると、
[スキル・
①様々な場所へと赴き商品を仕入れる為の
②仕入れた商品を
③商品売買に伴う金銭の両替が可能になる(現在の取り扱い貨幣▷円・ルク)。但し、スキル所持者のみ。
「....................
中々にぶっ飛んだ〈スキル〉でした。
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