応援コメント

第416話 津軽にて「身体拘束ゼロ」唱へ就活するに現実は厳し(医師脳)」への応援コメント

  • 小さな療養型病院で「内科医」の末席を汚す者です。

    「身体拘束」は難しい問題です。当院では、「手足をベッドに縛り付ける」という意味での身体拘束は行なっていませんが、点滴や経鼻胃管の自己抜去、看護者への「つねる」などの暴力を行なう患者さんに、ミトン式の手袋をつける、車いす乗車時に安全ベルトをつける、ということは行なっています。

    たくさんの認知機能の低下した、足腰が弱って転倒のリスクの高い方を少数のスタッフで看なければならない深夜当直帯は、センサーマットを駆使したりして、スタッフは大変な思いをしています。

    数か月前に、「介助下でトイレに行くことが可能なADL」の患者さんを深夜帯にトイレに連れて行き、用を足してもらっているときに、別の患者さんからコールがあり、その方をポータブルトイレに移乗中に、トイレに行っていた患者さんが自分で立ち上がり、バランスを崩して転倒。外傷性脳損傷で寝たきりとなった、とのことで裁判となり、医療者側が数千万円の賠償となったことがニュースになっていました。トイレに連れて行った看護師は、他の患者さんが便意を催しても、その場所を離れず、便意を催した患者さんにおむつの中に排便させるべきであった、との判決でした。

    手足を縛る、という意味での身体拘束はゼロに近づけるべきだと思いますが、認知症やせん妄で不自然に興奮したりして、動けない身体で無理に動き、転倒する、ということを「有責」と判断されるようであれば、薬剤なども含め、活動性の低下を来す処置を行なわざるを得ない、と考えています。