第43話 年末年越し大決戦!後編(3)
しかして現場は戦場だ、気になる事も後回しに僕とマコラは霊峰富士大将軍へと向かう。
霊峰富士大将軍が少しずつだが動いた、すると先程と同様に地面から大岩が無数に突き出てきた。
しかしそれが現れた瞬間に粉々に打ち砕く者が現れる。
ガラルドとナタリスだ。
「ガッハッハッハッハッ!その殺気、本気であの怪物をや殺る気と見た、お前達に賭けてやろう!」
「その太刀はかつて失われた神器だな!後で話を聞かせてもらうぞ!」
何やは面倒なフラグが立った予感がするがまあいいか、この場では大半の事は少時である。
僕とマコラは二人を追い越して加速する、霊峰富士大将軍まで後少しだ。
ポンコツちゃんが出現させたと思われる巨大魔法陣の中に入った。霊峰富士大将軍はまだ身動きも満足に取れない様子である。
「………このまま一気に……!?」
霊峰富士大将軍がこちらを視認した、するとその両目から赤いビームを発射してきた。目からビームとかマジですか。
「させない!」
前に飛び出したマコラ、クレセントブーツによる蹴りを放って大将軍ビームを迎え撃つ。
「ハァアアアアーーーーーーーーーッ!」
「マコラ!」
マコラの渾身の蹴りはなんとか大将軍ビームを逸らした、しかしマコラのクレセントブーツも破壊されてしまった。
「クレセントブーツは連発出来ない、私はここまでみたい」
どうやら片方のクレセントブーツでは満足に空を飛べないらしい、ヨロヨロ飛行となったマコラである。
マコラは僕の方を見て言った。
「………後はちゃんと決める」
僕はしっかり頷いた。
飛行速度を最高にまで上げて一気に霊峰富士大将軍へと近づく。
そして霊峰富士大将軍の左肩に着地した、すかさず次の魔法だ。
「フィジカルバースト、
身体能力を底上げしてから『討滅の太刀』を静かに構える、ここまで来たら後は自然と身体が動くままだ。
僕を見失った霊峰富士大将軍は視界を動かしていた、そして肩に止まる小さな存在に気付く。
小さすぎるってのもこう言う時は武器になるんだね。
「討魔………いやっ」
『討滅の太刀』から青い光が現れる。
「
僕の最強の斬撃をかます。
霊峰富士大将軍の巨大な首を、切り飛ばした!。
「……………」
飛ばされた首は光となって直ぐに消えた、そして身体も力なく倒れようとする。
光となってこちらも消えた。
その巨体が光となって闘技場の上に集まる、すると青い魔法陣へと姿を変えた。
まさかの第2形態?とか思ったけど違った。
なんと魔法陣から何かが沢山落ちてきたのである。
マコラの傍居に行き落ちてきた物を確認する。
「………これは、お歳暮?」
「なにそれ?」
あの年明け早々に届くお高い何かだ。最も貧乏な僕は贈った事も贈られた事もないけどね。
見るとハムだったりお酒だったりチーズだったり何故かお鍋セットだったりと無数のお歳暮が空から降ってきていた。
他にもお蕎麦に餅にと年越しに食べたくなる品物も多数降ってきている。
ネビウス様が僕が住む世界のどんな文化を学習してるのか知らないけど、まさかこれがダンジョンのクリア報酬だとでも?。
「………ハジメ」
「ん?」
「やったね」
「………うん、大変だったよ」
マコラは笑顔で僕を労ってくれた、本当にあの一撃を繰り出すと大変だったんだからね?。
魔力も大半使い切ったし、腕も痛いしさ~。
そんな事を話していると何やら闘技場に変化が起き始める。
なんとダンジョンを退場していた連中やイルバーンに住む人々が次々とこの闘技場に転移して現れ始めたのだ。
なんで?と思っているとダッシュでこちらに現れたポンコツちゃんが大きな声で何やら叫んでいる。
「ハジメさん!お酒とおつまみになりそうなのが沢山ですよ、これは酒盛りするしかありませんね!」
「……………」
成る程、ダンジョンクリアを祝して酒盛りをしろと……ネビウス様。
よく分からないがそんな空気が漂い始めた。
◇◇◇◇◇◇
「ダンジョンクリアとワタシらの勝利にぃ~~~~~~~乾杯!」
「「「「「「乾杯!」」」」」」
音頭を取るのはポンコツちゃんである、何故か彼女が仕切っている。
雑魚いギルマスが仕切ろうとしたらポンコツちゃんにすっこんどいて下さいと言われてすっこんでしまったギルマスだ。
アガーム大陸のとは全く違う高級な酒とか酒のつまみをそれぞれが手にして人の輪が出来る。
全員がとても楽しそうである、僕も楽しい。
酒の種類もビールに焼酎、ワインにカクテルと様々だ、そしてつまみも美味い。日本じゃとても買えなかった物がこれだけ好きに食べられるなんて幸せだ。
そして何よりダンジョンをクリアしたっていう達成感がお酒を進ませる。
僕はマコラ、リゼルさん、ポンコツちゃんと飲んでいた。
ちなみにガラルドやナタリスも飲んでいる、やはりお酒が好きなヤツは海を越えても沢山いるらしい。地球と同じである。
「いや~~ワタシの大魔法のおかげですね!」
「本当にパニアさんが何かしたんですか?」
「ちょっ!?酷いですよハジメさん!」
「ふふふっそれはウチが保証する。この阿呆そうなヤツは確かに頑張った」
「…………知ってる、多分ハジメは魔法で見ていた」
マコラがネタばらしを始めてしまった、ぶーたれたポンコツちゃんが酒をあおって僕に面倒くさい絡み方をしてくる。
酔っぱらいの相手をしながら気付く、この闘技場……少しずつ上空に上がっていないか?。
闘技場は元は噴火口の中にあった、それが気がつけば既に富士山すら下に眺める高さまで上昇していた。
なんでこんな高さまで……するとその答えが直ぐに出た。
いつまにか時間は経過し、空が白み始めてる。
地平線の向こうから太陽が顔を出し始めだ。
「年始めのご来光か」
「なんですそれ?」
「…………綺麗」
「これはなかなか…悪くないな」
確かにこの初日の出は凄いな、日本に住む僕でもここまで雄大なのは生まれて始めて見たよ。
酒盛りで騒いでいる人々を見る、皆笑顔である。
今回は結構大変だったからね、大いに飲んでお騒ぎたい気持ちは僕にもある。
今年も良い一年があるといいなと思う僕だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます