第41話 年末年越し大決戦!後編(1)
なんだあの化け物、およそ人間が勝負を挑んでどうにかなりそうな感じじゃないぞ。
流石に周りの皆も二の足を踏む、人間なんて簡単に踏み潰してしまいそうなのがこのダンジョンのボスみたいだ、そりゃあ引くよね。
宙に浮く闘技場に行くための階段も途中から宙に浮き始める。僕個人的にはあれを歩くのも一つの試練である。
僕達が立っているのは富士山の噴火口が見下ろせる場所なので敵さんの姿が見えた。それにしてもデカい、あんなのに現代兵器なしで挑めと?ネビウス様のダンジョン難易度高すぎだよ。
しかしやられても死にはしないのはどうやらガラルドやナタリス達のメンツも同じらしくあのボスにも引くつもりはないらしい、或いは時間までにクリア出来なかったら的なのがあるんだよやっぱり。
そして援軍を得た冒険者達もやる気はある、まあどこぞのポンコツちゃんは応援に専念しようとしたがマコラとリゼルさんに引っ張られる形で闘技場へと現在向かっている。
僕?僕も捕まった。マジックポータルで逃げようとしたけどリゼルさんは僕と一緒にマジックポータルで帰った事があるからね、普通にバレて捕まった。
そうして前線逃亡組の僕達は揃ってボス戦へと向かう。
「………後はこの人達に任せません?」
「あんなの人間が勝てる訳ないですよ!」
「……いいから来る」
「お前らは本当にそういう所がダメなんだぞ」
リゼルさんの言葉に精神的なダメージを受けた、あ~あっ戦う気力がなくなるな~~。
しかしそんな姑息なやり取りをしているとどうやら先頭組が闘技場に流れ込んだらしい。
何やらうるさい声が聞こえるからね、気になるのでマジックアイを召喚して様子を見てみる。
戦況を確認、お~あの青い甲冑巨人が本当に動き出したぞ。
「……むむっ!閃きましたよハジメさん!あの巨人、
「…………」
となりの逃亡ポンコツちゃんがいきなり変な事を言い出した、まあいいか。
じゃあその霊峰富士大将軍が腰の刀を抜いた、その刀も馬鹿デカい。そして静かに構える。
冒険者やバーバリアン、そして女騎士達も流石に近づいて戦うのは有り得ないと判断して遠くから魔法や遠距離武器での攻撃をしている。
霊峰富士大将軍が刀を振るった、するとその斬撃が離れた遠距離攻撃組を直撃した。バーバリアンの攻撃と同じようなヤツだ、しかしその威力は段違いである。
一撃でかなりの数の戦力がダンジョンかは退場させられた。
「ガッハッハッハ!コイツはやるな、まさか我が部下をこうも容易く蹴散らすとは」
「距離を取っても無意味か、ならばヤツに接近して戦うのみ!」
確かにあれじゃあ離れて戦う意味がないな。ナタリスの号令で女騎士達が霊峰富士大将軍の元へと突撃する。
冒険者組も武器を手に突撃した。
霊峰富士大将軍が片足を上げ、そして闘技場の地面を踏む。すると地面にヒビが入り突撃していた連中の足元から大きな岩の槍が次々と出現した。
魔法まで使うのか、吹き飛ばされた連中は光となってダンジョンを退場した。
「……くっ!?これでは近づくことすら」
「───
霊峰富士大将軍が喋った、手にする刀をあの巨体で目にも映らない速さで数度振るった。
出現した大岩と女騎士と冒険者とバーバリアンが細切れにされて吹き飛んだ。
「アッアレでも生きてるのか?」
「………さあ?」
そこはネビウス様の女神パワーを信じるより他にないよ、けどまあ大丈夫だ、ネビウス様はやると言ったらちゃんとやるタイプの女神様だから。
口先だけの人間の上司とはそこが違うのである。
しかし霊峰富士大将軍の強さは思ってた以上だ、このままでは全滅もマジで有り得る。
「正直、こんなレベルの敵が出て来るって事はこちらも持ってる手札を全てぶつけてどうにかこうにかって所かも知れませんね」
「………いいの?」
「…………」
「ハジメはいつも本気で戦う事をしない、人目がある所だと特に。何か理由があるの?」
流石にマコラはおじさんの行動をよく見てる。
本音は単に目立っても良いことが少ないから、逆に面倒の
逆に言えばそれ以外に大した理由はない、いざとなれば遠慮なく魔法も神器もつかうのが僕だ。
そして今回はクリア出来なかったら多分面倒くさい事に必ずなる、何しろネビウス様はやると言ったらやるからね。悪い意味でもそうなのだ。
そしてそれを知るのは、恐らくこの場では僕だけ。まあ神託だかはあるから知ってる人間は知ってるだろうけどさ。
仕方ないかな、ここは全力でいこう。
「大した理由なんてありませんよ、息抜きで来てる場所を失うのに比べたらちっぽけな理由ですね」
僕はリュックサックを地面に置く、そして中から『討滅の太刀【
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