第40話 年末年越し大決戦!中編(3)
それぞれのリーダー格が武器を手に跳躍した。
当たり前のように見上げる高さを飛ぶグリフォンにジャンプで接近してしまったよ、ファンタジー……。
「
「パラディオンボルグ!」
バーバリアンのリーダーの巨大な双剣がグリフォンの風の防壁を無視して翼を片方切り落とした。
金髪女騎士の槍は投げられると、まるで意志でもあるかの様にグリフォンへと向かい、こちらも風の防壁を易々と貫いてグリフォンの片翼を吹き飛ばした。
僕達冒険者があれだけ頑張っても何の成果も出せなかった化け物を余裕で……なんかネトゲーで途中から来た廃課金プレイヤーに全部持ってかれた時の事を思い出した。
空のマコラもきっと僕と同じ様な表情をしてる事だろう。
しかしグリフォンが地上に堕とされたのでウカウカもしていられない、僕達冒険者組もバーバリアンや女騎士団と一緒にグリフォンに群がる。
如何に巨大なグリフォンでも百人以上の人間に群がられたらどうしょうもない、それぞれが手にする剣やら槍やら斧やらが次々とグリフォンに向かって振るわれた。
二頭のグリフォンを倒した。
グリフォンもまた光となって消える、アイテムドロップとかはなかった。残念である。
しかし一息つきようやくそれぞれの団体さんと話しが出来る。
問題はこちらの責任者であるギルマスが早々に退場してしまっている事だけだ。普通にどうすんだよこれって感じである。
「ガッハッハッ!その様々なモンスター素材の装備、お前らは冒険者か?中々に言い面構えをしてる連中ではないか!」
「すまないがお前達の指揮を執っている者を教えてくれないか?」
それぞれのリーダーさんがこちらに話し掛けてきた、僕ら冒険者としてはギルマスを紹介したい。
しかしあの口だけマスターはいないんだよ、どうするの?リーダー格の人?もうやられましたよ?っと言うしかないのか。
なんかスッゴい恥ずかしいんですけど、他の冒険者も似たような気持ちなのか少し困った表情をしている。
しかし黙っていても仕方ない、時間も限られているので僕が前に出て話をする。
「僕らのリーダーはギルドマスターなんですが、既にここから姿を消しています」
「……指揮官がやられたのか?」
「はいっ先頭に立って突然したのですが、そのまま瞬殺されました」
「……………そっそうか」
金髪美女相手に情けない話をする、取り繕っても仕方ないので正直に話した。金髪美女に少し気を遣われたようだ。
「ガッハッハッ!だが元から組織だって動くのが得意そうな連中でもあるまい?むしろ自由に動いた方が悪くない結果になったのだろうよ」
「そうかも知れませんね、所であなた方達は一体何者なんですか?」
自己紹介タイムである、話を聞くとどちらもやはりアガーム大陸とは別の大陸の有名人らしい。
バーバリアンのリーダーはガラルド、金髪美女はナタリスと名乗った。
そして何故にこの富士山ダンジョンに来たのかと聞くと、どうやら二人とも自らの国の中心都市に突然現れた異空間の裂け目を調査しにきたらしい。
一応それぞれの国の教会の使者からは何やら色々て聞いたらしいが要領を得る話はされなかった。
恐らくネビウス様からは大陸が滅びる的な脅しくらいはあってそうだけど、そんな話を馬鹿正直に話す訳もないか。
こちらの冒険者もほぼ全てがそんな事知らずにここに来てると思うしな。
「……さてっお互いに話は済んだが。流石にこれで終わりと言うと事はあるまいな?」
「ダンジョンのボスにグリフォン二体なら普通は十分過ぎるんですがね…」
「いやっこんな馬鹿げた規模のダンジョンだ。それにそれならとっくにこのダンジョンは消滅して私達は元いた場所に戻っているはず」
ガラルドとナタリスの言葉に相槌を打つ。
その通り、つまりはあのグリフォンはボスでもなんでもないのである。
そして続々と下から冒険者や向こうさんのバーバリアンや女騎士達がここに集まる。
するとこの場所の中央に青く光る巨大な魔法陣が現れた。
「………あれは恐らく転移魔法」
「そうか、なら行き先は……あそこかな」
僕とマコラは富士山の頂上を見た、そこには魔法陣と同じ光がかなり離れていても見えた。
「おお~一気に距離を稼げるとは、親切な魔法陣ですね」
「親切とは思えないな」
「うむっ!しかし行ってみなければ話が進まんな!行くぞ!」
ガラルドやナタリスが先導して魔法陣へと向かう冒険者も魔法陣に進み出した。
「パニアさん、リゼルさん僕達も行きましょう」
魔法陣に乗る、すると一瞬視界が青い光に包まれた。そして次の瞬間僕達は富士山の山頂にいた。
しかし僕がテレビとかで見た富士山の山頂とはまるで違う、整備されているのか階段と通路があった。
その通路を進むと富士山の噴火口がある、そこまで進む。
───するとなんかヤバそうなのがいた。
噴火口には宙に浮く闘技場の様な建物があった、天井はないコロッセオみたいなヤツが浮いてた。
その闘技場は本来のヤツよりも遥かに大きめなんだろう、何しろそこにウルトラマン並みにデカい巨人が突っ立っているんだからな。
青色の甲冑に身を包んだ鎧武者の巨人である。
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