第四話

『続いてのニュースです。えー、当時七歳だった小学生、末崎冬真くんが自宅付近で死亡していた事件について、警視庁は、事後二十年が経った本日をもって、調査を打ち切りにすることを発表しました。』


 部隊が本部への帰路についた時、商業施設の街頭に設置されたテレビでは、あるニュースが流れていた。


 住宅街男児不審死事件。


  二十年前の今日に起きた事件で、当時小学生の末崎冬真が、自宅付近で血だらけになって倒れているのを近所の人が発見し、すぐさま病院に搬送されたがまもなく死亡した、という事件だ。


 事件後、付近の学校では集団登校が義務付けられ、教職員と警察による巡回が行われていた。


 調査関係者は、全力で事件の調査に当たっていたが、目撃者ゼロ、証拠と思われるものも残っておらず、調査が難航していた。


 そもそもで、凶器の断定にも至らなかった。遺体は大きく損壊しており、車の衝突によるものだと考えられていたが、所々に火傷の痕があったり、出血量が異常だったり。車の衝突だけでは、片づけられない状況だったのだ。


 技能者を使えばすぐに解決するだろうが、なんせ過去を視る技能者なんて、限られた者だろう。


「はぁ、今日も疲れたぁ…。 明日は休みにならないかな天馬?」


 上目遣いで媚びるように、寺里が篠森に視線を送る。


「別に俺が起こしてる訳じゃねぇし。俺に言うなよ」


「うぇ~、ケチィ。予知してるから、実質天馬が起こしてるようなもんじゃん」


「そんなこと、言っちゃダメだよ、温羅。篠森に、そんな気は、無いんだよ」


 駄々をこねるように体を揺らす寺里を、影山がなだめる。そんな二人を横目に見ながら、篠森は静かに舌打ちをした。


 これからの未来に、お前の姿は無い。




 確かにそうだった。でも、これなら――




 ――任務で死んでくれた方が、よっぽどましだった。

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リバイバー 霜桜 雪奈 @Nix-0420

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