第56話

午後2時を迎えた。

リアは上下グレーのスーツに

水色のネクタイ

髪はワックスで撫で上げた何時ものヘアースタイル



「おや、殿下はお一人ですね」

アナウンサーガ呟く

会場に入って来るリアを見つけ

当然、婚約者も登場すると思われ

ていたがリアは1人現れた。


TVのワイドショーのMCが疑問

を持つのは当たり前かもしれない。



「もう直ぐ我らの殿下の会見が

始まろうとしています。」

カメラのフラッシュが激しく

一斉に集れ

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ


一社一社質問している。

その様子はモーリスアンダーソン家

ウィリアムスミス家

ロレンツォ、国海外がみつめていた。



「お后さまになられるお方は

ご紹介されないのでしょうか?」


リアの顔が一気に緩み 説明する。


「先日切迫流産の危機に

合って今大事を取って入院中です。

結婚式迄、皆さんお楽しみに

して欲しいとおもいます。」



「ご懐妊されていらっしゃる

と言う事ですね

おめでとうございます

どんなお方ですか?」



「隣国王太子、ロレンツオと

奪い合うほど可愛い女性です

僕が告白しました。」


メディアはザワザザワ

「ロレンッオ殿下と?」


「奪い合い?」


「お静かに願います。」

司会者の声がザワついた会見場を

制す。


構わずリアは続ける

「相当なじゃじゃ馬で

やっとつかまえました。

フローレンス愛してるゾ!!」


ニヤニヤデレデレ

メディアもついつられてニヤケてくる。


フローレンスの素性はすぐにバレて

隠しようがない、


リアがフローレンスを連れて

歩くようになったからだ!



13月も終わりを迎えフローレンス

のお腹は六ヶ月安定期を迎えていた。


いよいよ結婚式

国内外に案内状を送り

国はお祭りムード


「ううっ、フローレンス様

お美しい。」


年寄り集合

わざわざ全員使用人をモーリスが連れてきた、それはフローレンスの

願いでもあつた。


使用人といえど大事な家族

姉達も何年ぶりかでみんなと

会うことができた。

ケニーも孫娘に会う事を喜んでいた。


年寄り達は

豪華なホテルも初めてで

若くないから、ご馳走もあまり

腹に入らない。


死なない程度に食っとくか!

食いすぎても胃もたれする年頃


「お嬢様の、輿入れを見届け

ないと

死ねん。」


年寄りたちは口々に

長生きはするもんだ!と言った。


王室だったがゾロゾロと年寄り

達は花嫁控え室に呼ばれた

皆、一張羅を着て集合


「アンナ、メリーみんな〜」

フローレンスはみんなに花嫁姿

を見せた。




髪は結われ栗色の髪に合うように

可愛らしさと項の綺麗さが

目を奪う。



ぽっこりお腹はご愛嬌


そんなフローレンスをリアと

ロレンツオ、カールとハリー

が目を細めてみていた。



勿論四魔女もめかしこんで

やって来た

城の元同僚達も

こぞってやって来た、


盛大な披露宴




眉を顰める輩も居たがリアの

「差別する奴はこの国には

いらん、年寄り子供が楽しく

暮らせてこそ

我が国なのだ!」


その一言は重く有難く人々の心に

響いた。


フローレンスが沢山の人に愛され

育って来た事がよく分かると

マスコミ、メディアは毎日毎日

取り上げフローレンスは

時の人となった。






☁  ☁  ☁  ☁  ☁  





一斉に放たれた白鳩は

青く広がる空に高く高く

沢山旋回しながら飛んで行く

それはリアとフローレンスに

輝ける未来へと道案内をしている

かのように。




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子爵家のジャジャ馬娘のお相手選びsay I love you ルミン @rumiko35211

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