第43話 飯綱町(りんごの産地)

 飯綱町は、長野市北部にある広い飯綱山に掛かっているが、飯綱山の登山口は、飯綱町から北西にある戸隠にある。余談だが、飯綱山は登山をすると、とんでもなく険しい急な坂には石仏があったりする初心者向けの山だが(私は小学生の頃、学校行事でここを登山させられた思い出がある。小学生にはかなりハード)、ほどほどに人気があり、私も成人してから単独で途中まで登ったが、どうやらベテランのトレーニング場所として、定期的に利用している方もいるらしく、登山口すぐ下の狭く小さな駐車場には限界まで車が停められていた(その下にある大きな駐車場は空いていた)。ちなみに、今の私に飯綱山を登りきる体力は無い。もう、二度とごめんだ。


 以前も書いたような気がするが、りんごは坂のある水捌みずはけの良い、日当たりの良い場所では良いりんごが出来る。飯綱町はその条件にあっている。ここには、二軒ほど直売所があり、ひとつは、むーちゃんという飯綱町の南側のマルシェで、それなりのこじんまりした新しく建て替えたらしい綺麗な直売所で、カフェなどもあるがコンパクトに様々な農産物が陳列され、りんごジュースをはじめとしたお菓子などの土産物もあり、多少高いなと思う物もあるが、新鮮なので需要はあるようで、一応お客さんもそれなりにいる場所である。二軒目は、さんちゃんという直売所で、むーちゃんほどの広さも無く(かなり小さい)、隣には和食の食堂らしきものもあるが、とにかくりんごに関するジュースやアイスなどと共に、りんごそのものが販売され、りんごに特化したラインナップをしている。価格は普通でそれほど安くはないが、りんごの質は悪くはなさそうだ。


 あとは期間限定だが、さんちゃんの裏に位置するJAながのいいづなフルーツセンターでは、十月下旬から、十二月のはじめまで、臨時で直売所をオープンしていることがある。売り切れもあるみたいだが、こちらで購入するのも良いのかもしれない(残念ながら、私は行ったことが無い)。


 参考までにりんごの出荷時期は、秋映あきばえ十月中旬(皮の色は赤くて見た目が良いが、味はそれほどでも)、シナノスイート十月中旬~十一月上旬(やや甘め)、シナノゴールド十一月中旬(黄色いりんご。紅玉ほどではないが、酸味がそこそこあり、甘さもあるのでバランスが良い(やや酸っぱい)。イタリアなどの外国人に人気で、あちらではりんごは酸っぱい果物という認識なので、甘いだけのりんごは不評)、サンふじ十一月中旬~十二月上旬(りんごらしい味、中心が黄色く蜜(べつにこの部分は甘く無い)のある物がおいしく、さらに言えば、放射線状に中程なかほどの果肉部分まで細かに蜜のサシが入った物はかなりおいしい、ただし、蜜の部分は腐りやすいので、早く食べなくてはならないので、注意)。あとは、品種的に、たくさん蜜が入るものがあるみたいだが、噂ではあまりおいしくなかったとも聞いたことがあったような……世界一という大きなりんごは果肉が劣化しやすく(すかすかのりんごのこと。長野ではりんごが劣化した物を「ボケる、ボケた」と言う)、たしか、目立った味の特徴は無く(昔食べただけなので、記憶は曖昧あいまい)、あまりおいしくなかった記憶が……ちなみに、平地で栽培されたりんごは果肉が劣化しやすく、坂のりんごは、果肉がしっかりしていて(水分少なめだから?)、長期保存に向いているという話もあるかもしれません(もちろん長期保存に向く品種でないと無理、シナノゴールドとふじはオーケー、しかし、ふじはふじでも、色の赤くて良い早生わせべにふじはあまり向かないかも、家族が言うには、あまりおいしくないらしい、昔、紅ふじは購入して困ったとのこと(紅ふじは、皮に黄と赤の筋が交互に入っていない真っ赤で綺麗なりんご、ふじにも色々ある))……(例外はあるかもしれませんが、だいたいこんな話がありますよ、という紹介)。


 しかし、これらのりんごの味についての特徴はあくまで基準であって、交配した木が他のりんごの特徴を備えたり、蜜蜂などの受粉で他のりんごの花粉を受粉したり(近くに他の品種の木があればよくあること、小さな農園では混ざりやすいかも)、肥料や土地、気候の条件、状態によっても変化があるものだと思ったほうが良い(なので、酸っぱいシナノスイートもあるし、甘いシナノゴールドもある。果肉の固さについてもまちまちで(紅玉などは劣化すると果肉が柔らかくなり不味くなることが多いが、それとは別に同じ品種でも育った土地や交配のさじ加減でかなり果肉の固さが違う))、ちなみに、シナノゴールドは最近消費者庁に三百グラムで内臓脂肪を減らす機能性食品として認められました(凄い)。


 飯綱町には久世福商店で知られている同じ経営であるサンクゼールワイナリーがあり、そこの場所である高台はサンクゼールのおかと紹介され、自社商品などを販売し、軽食やドリンクなどを販売する店舗と、少し離れた所にある小さなチャペル、広いテラス席のある田舎風のレストランの建物などがあり(レストランでは予約がいっぱいである場合、テラス席に案内されることとなります(週末注意))、販売店では久世福商店の自社製品などと並び、この飯綱町限定で栽培されているの渋くて酸っぱいという和りんごである高坂りんごのシードルや、この地域のぶどう畑で採れたぶどうを使用したワインなどが販売され、レストランは高台に位置する為に、建物の下の場所には、ワイン用の小さな葡萄畑があり、遠くに見える山々と共に素朴な景色を眺めることが出来る。レストランのメニューでは、メインに炭火焼きの信州福味鶏ふくみどりや、信州ポーク、鹿肉、鴨肉、信州牛などがあり、その他にCW・ニコルさんの伝えた鹿肉のシチューや鹿肉のパスタなどバラエティに富んでて面白い。ワインは平日七百円以下のグラスワインなら三百五十円とお値打ちで、フランス産のノンアルコールのスパークリングワインも選択出来る(なかなかおいしい)。食事のお値段は一応都会価格だが、肉にも使用されるヒマラヤのローズ岩塩、みりんの入ったあらおろしわさび、パンにつけるジャムなど、久世福商店の品物が料理に使用されているので、お試しにはちょうど良く、気に入ったのなら、帰りに販売店に寄るのも楽しいと思う(私の場合、寄ったら、わさびは売り切れだった。残念)。


 ランチを楽しんだら、次はデザートだ。もちろんサンクゼールにもあるが、少し離れた場所にある、山下フルーツ農園のカフェ傳之丞でんのじょうはいかがだろうか。


 道幅が途中狭くなったりする田舎にありがちな微妙なカーブがある道路は悩ましいが、一応、看板目当てに車を走らせると、ようやくたどり着くことが出来る。カフェである傳之丞は、農家の入り口に五台ぐらい停められる駐車場があり、奥に入るといかにもな感じの豪農風古民家が鎮座ちんざしている。玄関を入った場所にある窓口でケーキやドリンクを選んでお金を支払い(ケーキセットは千八十円。ドリンクでは紅茶やコーヒー以外に色々なりんごのジュースが選べ、酸っぱい物から甘い物まで分かりやすく表でまとめてあり、りんごの種類を知らなくても大丈夫なようになっている)、会計が済んだら店内(部屋)にお邪魔して、好みのテーブルを選択し、待つことになる。ここのカフェでは、イギリス原産のブラムリーという酸っぱい青りんごを使用したケーキが有名らしく、上にはクランブルというクッキーがそぼろ状になったようなものが載せられ、ブラムリー特有の酸味のある味が楽しめる。しかし、個人的には、同じ飯綱町の昭和なレストランである、国道沿いの焼きカレーで有名なレストランルックの、素朴で地味なあまり高価な材料が使われてなさそうな手作りのりんごケーキのほうが私には好みだった……(見た目は断然、ここのカフェのケーキのほうがおしゃれでおいしそうに見えるのだが、私自身がおしゃれさんになれなかった。無念)。ここには、ランチ用にキッシュやサラダなどが載ったプレート料理もあり、休日の土日にはベーグルも焼かれるとのことで、女性を中心に人気があるというのもうなづける。


 ここのカフェは、雰囲気を楽しむというのだろうか、高い天井に、ふすまなどにはイギリス風の壁紙が所々に使われ、アンティークな時計やなんだかわからない昔の置き物などがあり、駐車場の隣にはヤギもいたりと、子供連れにも喜ばれそうな場所ではある。


 ちなみに、久世福商店では、今年長野市内の若里という場所に(ビックハットという大きな建物のそば)アジアンテイストの市場をほうふつとさせる久世福商店が作らせた新たな形態の店舗であるMeKEL(メケル)をオープンさせた。冷凍食品を中心にして、タイ王室にゆかりのある五つ星ホテルのエグゼクティブシェフの奥田氏監修のカオマンガイなどがあったが(多分おすすめ商品)、ちょっといい値段だったので、違う冷凍食品を購入した(何を買ったのかというと鶏団子のスープを購入した)、輸入食品やこだわりの調味料(透明な醤油など)日本各地の良い食品などを販売しているが、全体的に値段が高めなので、お客さんが少なく、いつか閉店するかもしれないと思った(正直、田舎の価格帯では無い。冷凍食品といえども賞味期限はあるし、テナント代も高い家賃を支払っているかもしれず、人件費もある。ネットショップや都会だったら成功するのにと思った)。


 関係ないが、心配していたツルヤブランドの飯山の新米が販売された、気持ち値段が高くなった気もするが、誤差百円ぐらいかと思うので、まぁ今食べている長野県産のコシヒカリに飽きたら、飯山の米を食べてみようと思う(なかなか良い感じの新米だった。白く無い)。


 なろうで異世界恋愛一位の作品がアルファポリスで盗作されていたらしい。これから恋愛もあるらしいが、今は特に何もなく、私の好きな感情移入しやすい前世日本人のスローライフもので(テンプレで頭を使わなくて良いのでらく)、どんな人が書いているのかなぁと、このまま作品が良かったら書籍化の折りには購入を考えようと思っていたので(あんまりだらだらと続くだけの作品は困るので、出来たら、一巻~三巻、せめて五巻ぐらいがいいかな。例の悪役令嬢の本はいつまで続くのだろうか、完結したらまとめて読むつもりだが、いつまでもヒロインとヒーローがくっつかない(多分、出版社が売れるから、作品を長くするようにしているのかなぁ))、のこのこと作者の近況報告を見ていたら、他のサイトに盗作が……ということが書いてあった(この方はなろうオンリーとのことだったが、現在はカクヨムにも……)。他の方のコメントでは、この作品がアルファポリスで二位だったらしく、アルファポリスは還元率が良いのでバレなかったら、最終的にそれなりの金額になっただろうなとは思うが、ペンネームも違うし、内容も少しは改変していたようだが、本人以外は気が付いていなかったのかも知れないが、本人が気付いたので、アルファポリスに連絡し、アルファポリスがきちんと対処してくれたらしく、アルファポリスの恋愛のランキングにその作品は無くなっていた。そうしたことがバレたら、加害者のアカウントは停止になるし、被害者である作者が、お金が掛かる弁護士を立ててまでは、訴訟をしないとは思うが、どちらにしても読者としては、厄介な話ではある(作者の書くモチベーションが下がったらショック)。


 つい、余計なお世話だが、カクヨムでそうしたことがあったら嫌だな、と思ったので、いくつかのこの作品のキーワードを検索してみたが、カクヨムではあまり女性向けの恋愛は読者がいないせいか(男性の読者のほうが多い)、あるいは、一回読んだ作品は二度目以降、何度読んでもポイントが付かないからか、それともバレたら大企業であるKADOKAWAが出て来て何らかの訴訟になるからリスクが大きいのか(あたかも自分自身が著者であるかのようにふるまって作品を発表したから、なんらかの理由で詐欺罪とか? もしくは、本当の著者でなかった為に、作品の取り上げなどと、交渉する余地が無くなり、書籍化をし収益をあげることの出来る機会損失が生じたとか? 無理すぎるかもしれないが、他に何かあるかなぁ)、とにかくその作品はカクヨムに無かったので、ホッとした(どこの編集者さんも目をつけていると思うが、出来たら挿し絵をウエハラ蜂さんにとは言わないが、ぜひ神絵師にお願いしたい、読者のわがまま?)。


 ひとまず安心だが、当たり前のようにこのような事をされてしまうと、著作権とは何なのだろうかなと思う。出来れば、著作権は親告罪なので、どんどんと訴えて、盗作が無くなれば良いけど、日本の裁判は、時間もお金も掛かるわりには、訴えた時の支払われる金額が安いので、割りに合わない。アメリカ並みとは言わないけれど、日本もそれなりの法治国家らしく、被害者が訴訟をしやすくなる支払い金額になればいいなと祈ってみた(世の中が平和になって、皆が本を読むことが楽めますように……うーん、識字率の問題が……日本は恵まれているなぁ)。

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