第41話 夏の疲れ(簡単に豊野町)

 今年の夏は酷暑だった。


 夏バテはなかったが、秋になると、夏の疲れが一気に出て、一定レベルでの身体のダルさがある。色々やりたいことはあって、心ははやるのだが、いかんせん身体がついてゆけないので、非常にしんどい思いをしながらなんとか生きているときがある。夜も眠れないこともあり、入眠もいつの間にか気絶するように意識がなくなり眠るので、いつものように眠くなって、だんだんとぼんやりして眠くなる感じがしないからか、途中で目が覚める。なので、安眠とはならず、いささか不満のある睡眠である。


 本は読みたいが、なかなか新作でワクワクする私好みの作品に出会えなく、ひたすら、なろうの短編やエッセイ、昔のネット小説を読んでいるところである(本の小説は読み返し過ぎて飽きた。そろそろ気に入った本を除き、断捨離をしなくてはならない頃合いである。最近の続刊のある新しい本はあまり面白いと思えるものがなく、途中から惰性で書いているのかなと思える本が多いなぁ)。ちなみに、面白かった内容の本と表紙が良い本は残したいと思う。昔は気に入っていた本も断捨離したけど、今は昔ほど断捨離にこだわってはいない。ま、池波正太郎先生の本と遠藤周作先生の本があればいいか。


 あまりに身体の調子が上がらないので、ネットではじめて梅干しを購入し、ちまちまとそれを食べながら体調の回復を待つ次第である。そして、梅干しだけでは心許ないので補完するつもりで、スーパーで購入した黒飴も舐める(これでいけるか?)。


 秋になり、楽しみにしていたマックで月見バーガー七味香るすき焼きのやつを食べたが、昨年のほうがおいしかった(期待したぷりぷりエビプリオもおいしくなかった。ぷりぷりはどこに? 味の素の冷凍食品のエビ寄せフライみたいなのを期待していたが、周りが固くて残念な結果に)。やよい軒でさんま定食を、小布施の桜井甘精堂で焼き栗を、パティスリーロントでは紅玉で作られた酸味のあるタルトタタンを、いつもと同じ秋のおとずれ。小布施のそばのせきざわは、この時期めちゃくちゃ混むので、新蕎麦が登場した少しあとの閑散とする冬を狙うことにした。本当は小布施に行ったついでにせきざわで食べたいが、県外者が栗目的で詰めかけているので、昼食として県外者から真っ先に狙われる蕎麦屋である人気のせきざわは無理だ。そして、いつも利用させてもらっている桜井甘精堂の栗の木テラスにもこの時期は行列が出来るので、モンブランは食べられない(新栗の季節は、小布施のトップシーズンだからなぁ)。


 それにしても、今年の酷暑は本当にひどかった。新潟では渇水になったので、米が悪いからか、ツルヤでは珍しく新米として新潟のこしいぶきとコシヒカリが売られている(売れないからだろう)。特に新潟のコシヒカリは列の端の平台に大量に積まれ、これでもかと販売されているが、あまり売れていないのか、販売されたばかりの当初はあまり減っている様子が無く(白い部分もあるし(高温障害)、欠けている? 長野だったらごまかして売れると思ったのだろうか? 確かに他の場所で売れない商品も長野なら売れるとわざわざ遠い場所から持ってこられて長野のスーパーで販売される物があることも承知しているが……しばらく経ったら売れたのか減っていたが、それでもまだ残っている)。それよりも飯山産のコシヒカリがツルヤスーパーから姿を消し、長野県の米を売ってくれと、台湾、香港系の外国人バイヤーが米農家の引き合いに直接来たりと、新潟の米が等級を落としたことと、処理水対策か、米の産地である内陸部である長野に照準を合わせて、アグレッシブな動きがある。今年は大丈夫だが、来年は長野県産の米が手に入りにくくなるのだろうか、主食なだけに心配だ、と思っていたら長野県産の新米コシヒカリが新潟県産の米に遅れて出てきたが、値段が少し安いのでよく見たら、欠けてはいないし、それほど酷くは無いけれど、所々に白い粒が……長野県産も駄目だったか、残念。それよりもブランド米である佐久の浅科五郎兵衛米あさしなごろべいまいの新米はあるが、飯山産の新米がツルヤの店頭に出ない(いやな予感、まだ早いだけなら良いが)、どこかの金持ちのバイヤーにでも飯山産の米を差し押さえられたのだろうか、北海道も人参などがあまりよくなかったらしいとは、噂では聞いていたが(北海道の米に関しては八割良品とのこと、良かったです)……まぁ、天候だから仕方がないな。


 長野市の北には豊野町がある。


 豊野町には、豊野駅そばにある長野でおなじみ牛乳パンで有名な小林製菓舗もあるが(個人的には安っぽいカステラとっすらといちごジャムがパンによってサンドされたご当地パンである時代を感じるカステラパンも嫌いでは無い)、昔、衛生面で不備がありレジオネラ菌で営業停止になったことがあるが、毎月、五の付く日にはりんごがお風呂に浮かんでいる豊野温泉りんごの湯もあり(今は新たなシステムにして、衛生面もちゃんとしているらしいが、りんごの季節には浮いているりんごが多いこともあったが、だいたい平均して五個ぐらいのりんごが浮いていたかな)、最近はキャンプ場なども作られ頑張っている町が豊野町である(あまり目立つものは無いが……)。


 ここに、二人以上だったらちょっとだけおすすめのイタリアンの食堂がある。名前は、トラットリアキオッチョラだ(キオッチョラの意味は、かたつむりだそうです)。場所は豊野温泉りんごの湯から西に五百メートルぐらい来た場所の北側にある。


 食堂と言っても、雰囲気は、こじんまりした明るいカフェといったおもむきで、はじめては一人で入ったので、内容に多少ボリュームがあり色々頼めなかったので(初回はカウンターで、サラダとパスタとジェラートのみだった)、二回目には反省し、連れと共に足を運んだ。二人以上で行くとセットが頼めるので、二人合わせて三千五百円ぐらいからのコースがあり、サラダとパスタ、ピザとデザートとドリンクが注文出来るので、たいへんリーズナブルになるのでおすすめだ。ここのピザでは、プラス三百円でマルゲリータのチーズを水牛のモツァレラに変更出来るが(二人分でプラス三百円なのでお得、一人百五十円なり)、問題として、チーズの水分が多く汁が垂れることがあり、気にしない方にはなかなかおいしいので、変更することは、おすすめではある(生地はナポリ系でもちっとしている)。そして、甘党にはがっかりするかもしれないが、セットのデザートはやや少量。キッチンはシェフオーナーが一人で切り盛りしているので、多少の待ち時間はかかるが、のんびりした雰囲気の店なので、ゆったり待てるのが良い。もちろん、配膳もシェフオーナーのご家族と思われる奥様が担当し、優しさもバッチリである(親切な感じ)。


 ちなみに、周辺には民家しかなく、他には畑や山があるのみで、飲食店がここしか無く(近所には他に飲食店が無い)、必然的にこみあうのは仕方がないので、二人以上なら予約をしないと食べられないと思ったほうが良い(もしくは、かなり待つ)。なので、予約は必須。


 カクヨムコン……昨年は不参加だった。短編参加を希望していたが、内容が気に入らなくて途中で挫折した。なんとなく小説を簡単に書くことが出来るような気分になることがよくあるが、実際に書き始めると何故か上手くいかない。小説を読んでいるからか、簡単に書けるような気分になるのかもしれないが、読むと書くでは大違い。実質的に小説を読んでいて、自分だったらこうするのにと妄想するが、その妄想が形にならず、小説として書くことが出来ない、やっぱり小説を書くことは難しいのだろうか。


 コンテストに出されている一応誰ともくっついていないが完結している、なろうの推しの小説が番外編が途中まで書かれていたものが(恋愛パート?)、確認したら、内容が短くなり、途中でぶった切られよくわからない無理矢理系の終わりかたをしていた。書籍化されたら買おうと思っていたが、さすがに最後の終わり方を確認してからでないと購入出来ないなと思った。結構な長さだから一巻が売れないとよくないのだろうが、私は、終わり方は基本的にハッピーエンドというこだわりがあるので、あれでは無理だ(まれにメリバも良いが)。今年は推しているなろう発のスローライフ的な小説の更新が無くなったことにはじまり、なろうではないが、よしいいぞとスローライフだと思っていた小説は途中からハーレムになり、私にはよくわからない展開に……先に書いた書籍化はまだかなと楽しみに待っていた推しの小説の番外編の終わり方もよくわからなくなったり、本屋に行っても今一つ欲しいと心から思える本も無く、いささか今年は不作な年である。読み専としては、今年最後のカクヨムコンに期待したい。

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