第39話 木島平村(米どころ)

 木島平村といえば、「幻の米」(商品名でもあり、ここの米は、生産量も少なく希少なので、こう呼ばれてもいた)。え? 幻の米は飯山じゃないのかって思うだろうけど、確かにそうなのだけど(木島平村は飯山地区として分類されている)、飯山市の東側に流れる川をはさんで、そのさらに東側に木島平村が広がっており、ちょうどそれが場所的に新潟の魚沼郡の山をはさんだ南側に位置して、山から冷たい雪解け水が流れ、寒暖の差も大きく、粘り気のある甘いお米が出来るのが木島平村である(多分、長野県で一番おいしい)。じゃあ飯山と書いてあるだけの北信州みゆきの「幻の米」は、美味しくないんだ、とはならなくて普通にコシヒカリとしては美味しい部類。ただその中でも木島平村は米の産地としてはかなりのブランドで、中には「幻の米」北信州みゆき(飯山地区のこと?)だけでなく、わざわざ幻の米の他に木島平村限定と書いたりして、木島平村で採れたことをアピールしている物もある。つまり、魚沼産のコシヒカリの中でも南魚沼産のコシヒカリは別にされているのと同じで、木島平村のコシヒカリの中には飯山地区の中でもかなり美味しい別格とも言える物がある。値段も高いから木島平村のコシヒカリはお土産としても有名で、木島平村の道の駅などでも販売され(道の駅ファームス木島平では、二合四百円の木島平村の米があるが、ここは、野菜も少なく客も見かけなかった。そしてトマトで有名なデルモンテの工場や倉庫の跡地とのことで、少し建物が道の駅らしくはなく、食彩市場たる川では、ここは小さいが、一応地元の野菜がそれなりにあり、客もいた。こちらには二合といった少量の米は無いが、多少多めの米がいくつかあり、そうした米などの回転率は売れていそうなので(減っていた)良さそうである)、飲食店でもわざわざ木島平村の米を使用していることをアピールしている店もあるし、じゃあ、木島平村の米がお高いならちょっと敷居が高い長野の飲食店か現地の木島平村に行かなければ食べられないんだな、とはならなくて、努力しているお値打ちな飲食店が長野駅から徒歩十分程度の場所に店を構えている。今回は、イレギュラーながらも、そちらの紹介もしようと思う。


 『天ぷらと手打ち蕎麦の店 さわの庵』


 そばもなかなかに旨いが、木島平村の農園と直接取り引きしたらしく、米が確実かくじつに旨いと断言出来るレベル(多分、米は機械乾燥でない天日干し)。ランチには、そばと野菜の天丼のセットで九百五十円があり(良い油なのか胃もたれしませんでした、多分米油かも)、とてもおいしく、エビが二尾? ついた普通の天丼は千八百円だったので、ランチはかなりお得。人気があり昼時にはサラリーマンが来るお店なので、時間をずらして早めに来店するほうが良いのかもしれません(小さめな二階建ての店)。


 そんなに米がおいしければ、長野県のおいしい米を買いたいけど、ちょっと木島平村まで行くのは大変だなという方には、実はツルヤスーパーが飯山産のコシヒカリを普通に自社ブランドとして四キロのジッパー付きの袋入りの商品を作っている(ツルヤ用に、多分、米会社で作ってもらっているらしく、千七百円ぐらい、まぁまぁのお味)……オンラインストアでは佐久の浅科五郎兵衛米あさしなごろべいまいのみブランド米として売っているが(味は普通かな?)、店舗にはしっかり飯山産のコシヒカリがリーズナブルに売っている(オンラインストアには飯山産のコシヒカリは出さない……多分すぐに完売するから?)。しかも、木島平村の米は「一番開花」として(マイパール長野(米会社)で販売している物)、一キロ六百九十一円で少量の米として、ツルヤでは、販売されています(前までは見かけなかったと思うのですが、お客さんの要望にあったのかな、ツルヤは精米した時期が古くなると値引きコーナーで売るので品質は安心)。


 米の重さを気にしなくていいなら、お土産として木島平村の米はおすすめです。


 しかしながら、今年は新潟でも水が無く(渇水、米の渇死?)、米の出来が悪いだろうと言われていて、今年の夏は、飯山地区でも平均の年の降水量の十八パーセントだそうで水不足の影響がかなり心配です。おまけに酷暑でしたから、長野市でも夜になってもあたたかく、飯山が長野市よりも北とはいえ美味しい米の育成に欠かせない昼夜ちゅうやの寒暖差がどうであったのかを考えると、今年の新米にはあまり期待は出来ません(うーん、飯山は大丈夫と聞いたが、高温だったし、今年の米は割れやすくなるのかな?)。


 え、木島平村の飲食店は、と言われたら、土曜日はイタリアンという変わった店名のお店があり、つたの絡まった隠れ家的な雰囲気で、結構な人気があり待つこともあるようですが、プロのイタリアンのお店というより家庭的な手料理のレベルといったほうがよいのかもしれません。店内は雰囲気が良く落ち着いた感じで、高齢男性の店主が、「上手に焼けました」と、ぼそぼそと言ってスパゲティグラタンを配膳するような(モンスターハンター?)、ほのぼのした感じです。他には、パティスリーレーブというケーキ店があり、高級チョコレートのヴァローナを使用したチョコレートケーキもあり、ケーキの平均価格は五百八十円ほどの比較的に高値で経営をしている店があり、可愛らしいアイシングクッキーや、イートインでケーキの他に飲み物を頼むと値引きされた上に、メレンゲ菓子をおまけに付けてくれるようなサービスの良さはあるが、連れの発言では、ケーキのスポンジは長野市のパティスリーケイノシンの方がおいしいし(将棋の藤井聡太さんが食べたレモンのオペラの店)、どうせ店で食べるなら、小布施の栗の木テラスの方がいい、とのこと(ここは、モンブランで有名、雰囲気がいいからなぁ)、残念、こじんまりした可愛いお店だったのに……結果論として、木島平村の飲食店のおすすめは……難しいのかなぁ。


 ああ、自分よ、ふるい立て、長野の恵みに感謝して小説を書くのだ。と、息巻いてみても原稿は進まない、あらすじなどを書いたネタだけが増えてゆく。こんなのが、読みたいという欲望だけがひとあるき。どうしたものやら……。

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