第30話 須坂市

 須坂市は、臥竜公園の桜がいい、桜の名所百選に選ばれている。


 それと、豪商の館、田中本家博物館。


 臥竜公園は桜の時期だけ、駐車料金を取る。前まで、五百円だったのに、いつの間にか七百円に値上がりしたらしい。ここには、真っ黒おでん(須坂は味噌屋が何軒かあるが、ここに醤油もあるとのことで、この醤油を使った名物を、というのがはじまりだったとか昔聞いたことがある)という、醤油の染みたおでんがある(桜の季節には売れすぎで薄茶色なことも)。単品でも頼めるが、まとめて販売されている一皿を注文することも出来る。

 私はここで、おでん単品と珍しいお団子(店によって違う)と鯉のエサをごくたまに買う(自分で食パンを切って、持参する時もある)。

 臥竜公園には大きな池があり、昔はここでボートで遊んだが、今は動物園を眺めるほうが楽なので、時間があれば、入園料を支払いふらふらする(普段は公園のみで遊んでいる)。

 ここには、臥竜公園の池に(動物園から)脱走したペンギンがいたり、今は亡くなってしまったが、テレビ番組で有名になったハッチというカンガルーがいたり、地元企業から寄付された、太陽光発電の入浴システムがあるお風呂付きのカピバラ舎がある。

 小さいながらも頑張っている、須坂市が運営しているこじんまりとした、良い市営動物園だ。

 そういえば、私が遊びに行った時には、幼稚園児の集団がここでお散歩していることもあった。皆動物を見てはしゃいでいても、ちゃんと先生から離れなくて偉い。


 田中本家博物館入館料千円。


 昔、時々行っていた時にはもっと安かった気がしたが、ここに行くなら、ひな祭りの時期がいい。昔の高価なお雛様がずらりと展示される。ここには、食事処もあり、予約をして食べる物もあるらしい(私は食べたことがないが)。昔、ここでお雑煮を食べたり、お菓子を食べた記憶があるが、あまりよくは覚えていない。それよりも庭に咲いていた夏の朝顔の花が素敵だったことや、庭木がよく手入れがされていて、雰囲気が良かったことが思い出される。

 

 須坂市は今度、須坂南インター近辺の開発があるので、ここにルートインホテルや、イオンモールなどが出来るので、利便性が良くなる。須坂市は、地域の活性化に向けて頑張っているので、私もささやかながらに応援したい。


 須坂市の食事はどんな所がいい? と聞かれたら、山田牧場の見晴茶屋の焼きチーズカレーや自家製チーズのピザが有名らしい(ここのピザが美味しくて好き、レストランのピザと違って、手作りっぽい)……といいたいが、山奥すぎて遠くて車の運転が大変なので、近場を紹介したい。

 

 松葉屋そば店はいかがだろうか。


 ボリュームがあるのに、値段が安い。


 そばは普通だが、ここには、須坂市が力を入れている、みそすき丼、九百八十円がある(須坂市が様々な飲食店で作らせていて、名物にしたいらしい)。

 須坂市の味噌とここの伝統野菜の村山早生むらやまわせごぼうを使用した丼もので、ごぼうは柔らかくて美味しいという噂だが、ごぼうの味は、食べ比べていないので、違いがよくわからない(確かにごぼうは柔らかかったが、圧力鍋使用かも?)。

 それぞれの飲食店によって違うのですが、ここのみそすき丼は、玉ねぎときのこ類とごぼうと、豚と牛のお肉がハーフアンドハーフで、味がかなり濃いめで、すき焼きの味噌バージョンといったところです。そこに温玉とねぎとガリなどが添えられ、さらには、冷やっこと漬け物、味噌汁がついてきます。

 ここの、みそすき丼は、ご飯の量がたいへん多いので、女性たちの中には、量が半分の半みそすき丼を頼まれている方々もいます。

 

 個人的に、松葉屋はソースカツ丼がおすすめだと思うが、せっかくなので、珍しいものを……とおすすめしてみた。

 

 さて、お土産は? というと、須坂市の酒造メーカーに遠藤酒造がある。辛口の酒を造り、どぶろくで有名だ。年に一回ある、蔵開きというイベントがある時には、コロナになってからは知らないが、お猪口を購入しての試飲、飲み放題が昔はあった。

 流石に、純米大吟醸は美味しかったが、安い酒は不味かった(値段相応)。酒粕入れ放題では、酒を購入している人にはサービスが良く(袋を持っているからすぐバレる)、従業員も親切で、良い酒粕の場所を教えてくれたり、「もっと入れなよ」的な発言や、「頑張って」という励ましもあった。酒蔵見学も面白く、ほとんどの場所を見学させてもらい、酒蔵見学をした人だけが購入出来るという限定のお酒を購入したが、それについては、それほど美味しくはなかった(残念)。ここのお酒はネーミング(シャアなど(ガンダム好きの方をターゲットにしているのかな?))やパッケージに凝っているので、おしゃれな辛口好きの方へのお土産に良さそうです(個人的には、普通に渓流純米大吟醸が無難かと思いますが(これは、家族が辛口好きのお世話になった人によくプレゼントしていた)、お酒は好みで選ぶのが良いでしょう)。

 

 あとは、糀屋こうじやという味噌屋が、臥竜公園からそこそこ離れた所にあるので、そこで作っている、一休さん納豆、一つ百八円が珍しいです。長野県産百パーセントの大豆を使った、大粒で柔らかく、噛むとねっとりとした食感で、一つの内容量が多く、醤油とカラシはついていません。

 市販品の多少歯ごたえのある食感に慣れた方には、少々物足りないかもしれませんが(私も少し食感のある、おかめ納豆のほうが食べ慣れているので、なんとも言えませんが……)、柔らかいのが好きな方にはご納得いただける内容です。

 ここの味噌はどうかと聞かれたら、さすがにかなり上等な善光寺のよしのやを以前に紹介しているので、おすすめすることは……と、やめておきます(味は普通)。


 宮部みゆき先生のウィキペディアの経歴の執筆など、その人本人の小説の書き方などがわかって面白い。

 そして、小説を書くのは、やはり才能と運なのだろうな、と思う。

 画家のピカソは、前衛的な絵画で有名だが、若い時は、日本の平面的な絵画を目指して描いたり、色々模索していて、かなり上手な絵も残していて、はっきり言ってピカソは基本的に絵が上手い。そして商才もあった。ピカソのゲルニカを見て、子供の落書きだよこんなの簡単に描けるさ、という人がいるかもしれないが、描くことは出来ないだろう。小説も同じで、日記ならともかく、起承転結を踏まえたり、色々な工夫をして読者を楽しませながら読ますことが出来るのは、才能だと思う。

 ただ、一流の絵画の良さがわからない人間には、普通の才能のない人間が描いた絵との違いがわからないし、小説も同じだと思う。

 ただ小説は書けばいいというものでもないし、最近は書籍化したものでも、レベルの低い素人か、と思うような作品も多く、書店に行ったら、ウェブ小説ばかりが並んでいて、プロの書いたライトな作品を求めていたから、結局、買うことが出来なかった。

 キツいことを書いているのかもしれないが(セルジオ越後並み?)、幼稚園児が描いた絵や、中学生が描いた絵ばかりでなく、たまには、美術館に飾られるような一流の絵画が見たいのと同じで、なんとかならないのかなぁこの状況は、と思う。

 所詮、今の小説は消耗品だから、そんなに時間がかけられないのだろうけど、たまに、懐石みたいな料理を食べたいと思うのと同じで、ジャンクななろう系作品もいいけど、たまに、本格派のライトな作品が欲しい時期もある(ただ本格派でも、私も好みがあるからなぁ、中には読みたくないものもある)。


 懐石といえば、小布施の小布施堂本店は、冷凍物を使っていない懐石料理、三千五百円を提供している。

 月替わりの料理は、品数は少ないけど、変わりご飯がおかわり出来て(二回目には、漬け物でなく、出汁を取ったあとと思われる昆布を味付けした物が添えられる)、デザートの後に栗あんの上生菓子が出てくる(甘党向き)。朱雀の時は予約のみだが、その次の月には、予約しなくても良く、ご飯が栗おこわの時には、ちゃんと栗がまたついてくるおかわりが嬉しい(食事の内容は、小布施堂懐石で検索すると出てきます。この画面は、月はじめすぎると出てこないこともあり、また、上生菓子は掲載されていませんが、食事に出てきます)。


 うーん、池波正太郎先生カムバック希望、どこかに池波先生の未発表の作品があればいいのに。

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