第17話 栗おこわ

 ちびちびと小説を書く。時計の針の音が聞こえる。集中していない証拠。とりあえず、中山七里先生の本を読み。慣れていない、カクヨムの使い方を模索する。

 

 今日は小布施の竹風堂本店に、新栗が出た時だけの栗子餅(二個)、千円を食べに行く。

 栗子餅は午前中しか食べられない、正確には、午前九時~午前十一時まで、栗子餅は、おはぎのような餅の上に栗のペーストが押し出された甘味なので、お腹はあまり膨れない。連れが栗おこわを食べたがっていたので、ついでに山里定食、千三百二十円を頼む。

 山里定食の栗おこわは、砕かれた栗が少し多めに入っていて、栗が甘い。ちなみに、桜井甘精堂の栗おこわは、大きな栗の粒が三つ上に載っているもので、竹風堂のように全体に散らばっていないので、おこわ自体を甘くは感じなかったように思う(テーブルにはごま塩もあるしね)。


 とにかく、栗おこわを食べる。付け合わせの山菜と高野豆腐の煮物がおいしい。

 

 栗おこわを食べ終わったら、栗子餅だ。連れと半分こにし、食後の甘味を楽しむ。

 栗子餅は店に入る時に個数を聞かれ、二人でいるのに、一つを頼むと「取り皿をご用意しますね」と言われるぐらいなので、多分、たくさんの人がわけ合って食べているのだろう。

 栗子餅は、餅米だけで作られたおはぎに栗かの子のペーストが塗られ、その上からモンブランのニュルニュルが絞り出されているようなもので、付け合わせに紫蘇の実を漬けた、しょっぱい漬け物がついてくる。

 うん、おはぎ部分が少し固かったけど、概ね満足。邪魔にならないクラシック音楽を聴きながら、竹風堂で、まったり食後のお茶を飲む。


 帰りに桜井甘精堂で、期間限定品の栗最中、二百四十九円を幾つかと、純栗かの子ようかん、千九百四十四円を(一年以上の日持ちがするので)、ストック用に購入する。店員のお姉さんに最中が壊れないように慎重に紙袋に入れてもらう。

 家に帰って栗最中を食べる。小振りな、少し柔らかいほんのり水分が移った皮に、しっかりとした甘さと栗の風味がする贅沢な栗餡、思わず渋めのお茶が欲しくなる。のんびりとした秋の午後。栗の採れる時期の小布施は小さな街だが、最高におすすめ。


 小説とエッセイを書く。小説は続きを書くが、書いている私もこれからどうなるのかわからない(最後はうっすらと決めている)、完全に記述する運を天に任せ、エッセイは、自分があったらいいな、と思うようなことを書いている。

 カクヨムは読まれないと言われていたが、本当に読まれないんだな、とあらためて、しみじみ思う。

 公開をしたが、特に私のエッセイは読まれていないようだ。

 過疎化といえば、アレだが、読まれないということは、好き放題書いても叩かれないのかな? とドキドキする。こじんまり、世間の片隅で活動したかったので、今、とてもホッとしている。


 今日はいい日だ。


 日本の観光地では、あまり、応対が良くないところもあるが、竹風堂でも親切にされたし、桜井甘精堂でも丁寧な応対をされた、精神的なプレッシャーが無いので、久しぶりに満足している。


 今日も小説を書いたが、あまり進みは良くなかった。もっと量産出来るようになればいいが、なにしろ初心者なので、筆が荒れることはしたくない。とはいえ元から微妙なので、荒れたとしてもたいしたことは無いのかもしれないが、気分転換に面白い小説が読みたいなぁ、と思う……自分の小説のストックが増えない、筆も乗らない、ここが正念場だぞ、と素人ながらに思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る