第14話 戸隠

 戸隠の奥社は大変なので、もう行かないが、あそこは杉並木が凄い、皆、戸隠に来たら一度見てみるといいと思っている。

 戸隠はそばが有名、私は学生時代、戸隠の知人に一番おいしいそば屋を聞いたことがある。その時に教えてもらったのがうずら屋。ちなみに私はその時、その知人が言うところの一番まずい店に行っていたらしい……さっそく、うずら屋に行ってファンになった。とにかくここはそばがおいしい。

 何度か行くうちに、決まった物を頼むようになった。エビ天一本、そばがき、ざるそばだ。

 ここの、天ぷらはごま油を使っているが、それでも私には胃もたれがする、普通の天ぷらを頼むとたとえ食べるのが半分でもつらい。だから、エビ天を一本から選ぶことが出来るのは嬉しい。そばがきは、普通のそばがきと違って、柔らかくフワッとしている。そして、ちゃんと人数分の小皿が用意され、つゆ、味噌、きな粉と三種類の食べ比べが出来るようになっている。ざるそばは打ち手が違うのか、つまようじほどの細さの時もあれば、普通の太さの時がある。おいしいのは、つまようじほどの細さの時だ、ここのそばは噛むとそばの風味がしておいしい。午後遅くになると、そばも細かく切れ、風味も落ちているような気がするので、せっかくなら早めに来て食べたほうが良いと思っている。なんで、戸隠まで長野の人が来るのかというと、ここの水はおいしくてそばを打つのにぴったりだから、と教えておく。長野市内だと、昔だったら紹介出来た店もあるが、今はやめておく、それなりの味しかしない。

 このうずら屋の行列は一時間~二時間待ちが当たり前、時間前に行っても、ウェイティングボードの紙にはすでに名前が書いてある。多分前日に戸隠の宿泊施設に泊まった方々だな、と思う。とにかく、ここのそばを食べるとしばらく他のそばは食べなくてもいい、という気持ちになる(出来たら、そばをよく噛んで食べてください、ここのは噛んだほうがそばの味がします)。やはりうずら屋は満足感が違う。

 今年もまた、新そばの時期がくる、楽しみ。


 ちょこっとだけ小説を書く、おしゃべりなシーン。頭に流れるフレーズを書き留める。よし、半分書いた。私の作品を読んでくれている方々は、きっと今だけ夢中になって読んでくれているのかもしれない、あとになったら、何で私の作品を読んでいたのかわからないと不思議がるのだろうか? 小説にも流行りと廃りがある。今はまだなろう小説のニーズはあるのだろう、多分、読まれている。次は何がくるのだろうか、楽しみでもあり、恐ろしくもある。私の書けないものだったら困るし、そうでなくとも、私に実力は無い。私はいつ小説を書くことに飽きるのだろうか? と時々思っている。昔から本は好きだが、私自身が書かなければならない程に、読みたい本が無くなるとは思っていなかった。これからも、読みたい本が出ることを待ち続けるが、今現在、私の気に入っていた作者さんの本を買い、そのまま読まずにいた本がある。昔だったら無理をしてでも読んだが、今はその気になれない。それぐらい、私は本を読めなくなった。

 今の私はフィクションに飽きて、ノンフィクションに夢中になっているのだと思う。フィクションを読んでも作品に没頭出来ず、途中でついて行けなくなることがある。ノンフィクションなら、話の整合性から、作者の感想まで、あまり嘘が無く読みやすい。


 ぼちぼちと、自分のエッセイを書く、誰かの暇潰しや、旅行の役に立てばいいな、と思いながら。

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