第12話 書籍化?

 小説を書いていると、書籍化の話が運営からくることがあります。

 私も他人事のように思っていましたが、来ました、で、運営から連絡がきたのですが、そんな上手い話があるわけないですよね。

 始めにきたのは出版エージェントのお話しです。いわゆる代理人ですよね。有名な企業でしたが、そんなことまでしているのか、という驚きが始めにありました。家族に話すと、「遊びでやっているのだから、絶対にそんな危ないことしないでくれ」でした。せめて、趣味でやっていると言って欲しいところですが、仕方ありません。確かに、プロではないので私のやっていることは遊びです。ネットで調べてみると、私の印税の受け取り分で支払うのか、どうやら、トラブルもあるようです(使っている方はいるようですが)。

 その会社の自社関連の電子書籍に掲載をさせて、書籍化とし、少ない印税の中から雇用をした費用を支払う? などという話をネットで読んだところで、これは詰みだな……と思いました。ビジネスモデルとして、企業側はいいかもしれませんが、作者側からすると、作品への権利が取り上げられるだけで、金銭を普通に得ることが出来ないシステムに放り込まれる可能性があります。最悪、私からの金銭持ち出しです。危険なので、運営に断っていただくようにお願いしました。

 相手側のメールに書く内容を運営に送信してくださいと言われ、普通のお断りメールを送り、この時は事なきを得ました。

 さて、月日が流れ、エタりも長くなってきました。

 再び運営から、連絡がありました。書籍化の連絡です。あり得ないなぁ、と思いながら、メールを見ます。

 どうやら出版社のようです。聞いたことのない出版社です。ネットで検索しました。取り扱っている書籍もありますが、ラノベがありません、そのうえ自費出版をしている会社だということがわかりました。

 警戒をしなくてはなりません。運営にお断りメールをするところですが、相手側のメールに会社のホームページのアドレスと担当になるであろう相手のメールアドレスがあります。もちろんクリック一つで繋がるやつです。そして、文面に興味があってもなくても連絡して欲しいとあります。

 ますます怪しいです、運営に言えば断われることを書かずに会社にメールをさせるように誘導しています。本来なら私も連絡はしません。ですが、中山七里先生が著書の七転八倒で自分のことを下世話と称していたように、私にも野次馬根性があります。私はなろうの評価で、書籍化だの、小説の書き方などで、高評価をしています。おそらく、書籍化に興味のある金持ちと思われたのかもしれません。断るつもりだが一度ぐらいは……何か憧れの遠藤周作先生や、池波正太郎先生が関わった出版社という会社(違う企業だけどね)のことが、わかるかもしれないし、とりあえずメールをしてみます。

 とにかく危ないかもしれません。自費出版は高いし、トラブルも聞いています。興味がないとは言わずに、「自分の作品は短文でネット用に書いてあるし、出版しても売れないだろうから、断ります」と告げました。これで大丈夫だろうと思うとすかさず返信メールがきます。内容は売れるか売れないかはどうでもいい、私自身が書籍化したいかどうかの意志だと……。

 おおぅ、引き留められるのですか、自費出版だとしたら、私をカモにするから売れるか売れないかはどうでもいいのでしょう。おそらく、書籍を全部買い取りの自費出版かもしれません。そして、書籍作りを楽しみましょう、というような文面も添えられています。

 そりゃあ、私が全部お金を出して、貴方たちは楽しむだけでしょうよ……このビジネスはおそらく私を騙した時点で終了です(自費出版でないかもしれませんが、とにかく怪しいです、確かに自費出版でなく、在庫無しで出版出来る方法もあるのですが、それを初期費用がかかると言って、手数料をせしめることもあるようですが(ネット情報))。

 万が一、本当の出版の打診だとしても、大手でない出版社が地方の書店に確保出来る棚や平台は少ないです(大企業の出版社の本や、知名度の高い作者の本は平積みされることが多いようで、ジャケ買いが期待されますが……)。私はそんなシビアな世界を見てきたので、とてもじゃないが私の作品では、無理でしょう、と。

 再度断ります。

 出版社同士なら、「ああ、あそこね~」で話が通じるかもしれませんが、こちらは素人。この出版社については何もわかりません。

 とにかく、世の中気を付けなければならないです。


 書籍化にはヒナプロジェクトさんに出版社がお金を支払うという話もあるそうですが、出版したら、なろうさんで、書籍化したという広告も出ますし、大丈夫なのかもしれませんが、私の作品では、売り上げの回収が出来るとは思いません。


 気分転換をして、コーヒーを飲みながら、小説の続きをコツコツ書きます。所詮、凡人には、期待を持たせず、書籍化などやめたほうがいいです。プレッシャーが尋常でない気がします。

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