第25話
さあ、ここからが本番だ。
いざ配信が始まると先程以上の緊張感に包まれる。
でもそんなものは知らない。
さっそく俺はリスナーの方々に自分のデザインについて意見を聞いた。
「じゃあ単刀直入に聞きま〜す!前と後、どっが良いですか?一応前の立ち絵も用意したんだけど・・・」
『どう考えても後でしよw』
『ヤバい、めっちゃカッコいい!!』
『そもそも前のアバターはいろんな意味でヤバいだろw』
などなど、コメントはどれも前より良くなっているという趣旨のものだった。
まあイラストレーターに受注してる時点で素人が描いたアバターより上手いのは当たりなのだが、実際のコメントを見て初めて自分の姿に安心した。
また、『どうして今回アバターを変えたのか』という質問が来た。
「いや〜、やっぱり上を目指す以上アバターはカッコいいやつじゃないといけないと思ってね。」
『上とは?』
「もちろんVtuber界のトップ!そこに立つのが俺の夢なんだけど・・・道は長いね・・・」
『Vtuber界のトップに立つということは琴音たんに喧嘩売ることになるぞ、やめとけ!』
なるほど、たしかにそうな。
だが、そんなの気にしない。
チャンネル登録者数150万人を突破している大人気Vtuberでもふたを開けてみればただのドジな高校1年生だ。
そんなあいつ妹に負ける道理は無い。
「まあまあ、とりあえずある程度の段階を踏んでからだ。例えばチャンネル登録者数1万人とか・・・」
あんな威勢の良いことを考えながらも弱腰になってしまった・・・
まあ炎上はごめんだからな。
「じゃあほかに何か今回のリニューアルについて質問ある?」
『描いてる人誰なん?』
『確かに、絵師はどちら様だ?』
・・・と、今度はイラストレーターについての質問だ。
「花園エデン先生っていうイラストレーターさんなんだけど・・・みんな知ってるかな?」
『初耳だな。』
『同じく初耳。』
やっぱり彼女の知名度は皆無らしい。
まあ仕方ないと言えば仕方ないが・・・
しかし、彼女の作品であるこのアバターからは『きっとこれから有名になる!』と思わせるほどの力が秘められていた。
つまり、俺が有名になればなるほど彼女の評価も上がっていく。
逆もまたしかりだが・・・
「じゃあ他に質問とかは・・・特に無いか?」
俺はコメント欄を見たが特に質問らしい質問が無かったため俺は質問コーナーを終了した。
その後、俺はこれからのVtuberとしての活動の概要、日程等の説明をした後、配信を終了した。
今回の配信で最高の同時接続数は321人。
視聴回数1524回。
チャンネル登録者数も1456人と、どの数字も過去最高クラスだった。
また、今回の配信からスパチャも投げられられるようになり、今回の配信の合計金額は2000円。
正直この大きさのチャンネルのVtuberなら上出来なんじゃないかと思ったのだが・・・
比較対象がわからないため良いとも悪いとも言えなかった。
『お兄ちゃん、配信お疲れ様!!!今度は私の新衣装の配信あるからそっち見てね!!』
と天舞音からメッセージが送られてきた。
正直配信の後に配信を見るのは体力的にキツかったのだが、目の保養として天舞音の配信を見ることにした。
十数分後、待機画面が切り替わり天舞音の配信が始まった。
「皆さんこんにちわ~!こんばんわ~!今日も響け琴の音よ!!Voice所属のバーチャルライバー、姫乃琴音です!!今日は告知していた通り、夏限定のの新衣装お披露目しちゃうよ~!!!」
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