第24話

切り抜き動画の件から3日が経った。

そう、この日はついに俺の立ち絵のリニューアルの日である。


俺はTwitterで朝から告知をし、付けられるだけハッシュタグを付けた。

そして学校につくと村松にも配信を見るように念押しした。


学校の授業中でも配信のタイトルやどんなことを話すのかだけを考えた。


しかし、なかなか話の内容や、タイトルを考えるのには時間がかかってしまう。

気づいたときにはもう6時間目の授業が終わりかけていた。


「なあ村松、良い感じの配信のタイトルないか?」

放課後、俺は村松に何か良い案がないか聞いた。


「別に何でも良いんじゃないか?」

帰ってきたのはその一言だった。


たしかにどんなタイトルでも、どんなサムネでも面白ければ伸びる動画は伸びるからな・・・


「じゃあどんなことを話したら良いと思う?」


「うーん、それも自分で決めたらどうだ?」


「どうしてだよ?良いじゃないか、俺からしたら一視聴者の意見を取り入れたいだけなんだから・・・」


「なんでどんな人が見てるかわからないのに視聴者が俺みたいな人ばかりだと思うんだ?まずは自分のスタンスを確立させないとキャラが安定しないし視聴者もついてこないぞ!」


この真っ当な意見に俺は同意せざるを得なかった。


「わかったよ。じゃあ配信楽しみにしてくれよな!」

俺はそうとだけ言って学校を後にした。


家に帰った俺はさっそくサムネ作りに取り掛かった。


今回のサムネはあえて新しい立ち絵のシルエットを使用し、視聴者の好奇心をそそらせるようにした。


そして今度は配信のタイトルを作る。

内容はわかりやすくシンプルに・・・

『【配信】生まれ変わった俺を見てほしい・・・これが影人闇の真の姿・・・』

これで配信に必要な物は揃った。


あとは話す内容を決めるだけだが、新しい立ち絵を作った経緯などの話以外は正直アドリブでも大丈夫だろう。


さあ、配信まであと1時間、俺はその間に夕食を済ませた。


「お兄ちゃん、ちょっと良いかな?」


「どうした天舞音?」


「は、配信頑張ってね・・・見てるから。生まれ変わった影人闇をみんなに見せてあげて!!」


「うん!楽しみにしておいてくれ!!」


そう言って俺は影人闇として机の前に座り、配信予定時刻を待つ。

もうすでに待機人数が200人を超えている。


みんなが期待してくれているのが伝わった。

俺はちゃんとその期待に応えなければ・・・


そして、配信予定時刻が訪れる。


———————始まりだ————————


俺は待機画面を配信画面に切り替える。


「どうも~皆さんこんばんわ!!生まれ変わったバーチャルライバー影人闇です!!今日の配信どうぞお楽しみください!!!」

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