第7話
放課後、俺は昨日と同じように急いで家に帰った。
天舞音も俺が家に着いてから約10分後に帰宅した。
俺たちはすぐに着替えて一応俺の近所で一番大きな家電量販店に行った。
「今思えば、なんでネットで買わないんだ?」
「うーん・・・なんとなく?」
「なんとなくかよ・・・ネットの方が安く済むかもしれないのに。」
「まあたまには2人でお出かけとか良いんじゃない?今日は配信の予定無いから忙しくないし。」
そう言って天舞音は俺の手を引いて、マイクのコーナーに連れてった。
「うーん、ピンキリだね・・・」
そう、安い物なら数千円、高い物なら十数万円とかなり値段の幅が広い。
性能も指向性、感度、周波数などなどかなり複雑である。
正直性能を見てもよくわからないので、俺はいまいちよくわからないところを天舞音に聞いていった。
「天舞音、ちょっと質問、この指向性って何?」
「指向性はマイクがどんな感じで音を拾うかってこと、単一指向性なら一人での配信向き、双指向性なら二人での配信とかインタビュー向け、全指向性は3人以上での配信用って感じ・・・」
「天舞音はどれ使ってるの?」
「場合によるかな、家に置いてるのは単一指向性のやつだけど、事務所のスタジオに置いてるのは結構種類あるよ。」
「ちなみにお値段は?」
「たぶん全部合わせると・・・?」
すると、天舞音は俺の耳元で7桁の数字を囁いた。
普通のサラリーマンの年収と錯覚してもおかしくない、そういう値だったのだ。
「も、もうちょっとコスパの良いやつない?」
「予算は?」
「5万円以内でお願いします・・・」
すぐに天舞音は商品の棚を一通り確認し、3万円ほどのマイクを持ってきた。
「じゃあこれが良いと思うよ!単一指向性で感度も良いから歌配信もできるだろうし、周波数特性もお兄ちゃんの音域にピッタリだから!!」
よくわからない単語が混じっていたが、これが一番コスパが良いということがわかった。
次はウェブカメラだが・・・
天舞音は質問でもあるのかと言わんばかりにこちらを見つめている。
「まあ流石にウェブカメラくらいはわかるぞ!あれだろ、画角と画質とフレームレートが大事なんだろ!!」
俺はもともとそこの知識はあったのでどれくらいの性能が適切かは知っていた。
「おーさすがお兄ちゃん!!よく知ってるね!!」
俺は煽ってくる天舞音を無視して良い感じのウェブカメラを探す。
そして俺はフルHD、60fps,画角90度のウェブカメラを探し出し、値段を確認した。
1万円・・・か、一応予算内だったので俺はそれを買うことにした。
会計が終わった後、俺は家に帰ろうとしたのだが天舞音はそれを引き留めた。
「ねえお兄ちゃん、せっかく私がお兄ちゃんの買い物手伝ったんだから私の買い物にも付き合ってよね!!」
「別に構わないが、どこ行くつもりなんだ?」
「それは着いてからのお楽しみ!!」
そう言って天舞音は俺を導くように前に出て先導して行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます