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取り調べ室にて

…「どうして!盗みは罪に問われないって…。」「何言ってんだバーカ盗みは等しく縛り首…あぁ、そう言う事か。」目の前に座る、僕を捕まえた警官とは別の軽薄そうな警官が、納得が行ったと言う顔とした。「お前、乗せられたクチだろ。」

 その警官が言うには医学者、又は医者が何も知らない若者や、プロの墓荒らしを雇い、死体を集めているとの事だった。解剖教室を開いている者に多く、何でも、稼げるとの事。しかし教室を一度開いくたび、死体が一つは必要だから、死刑囚の死体では足りなくなり、やがて死体を盗む様になった。だが、自分の手を汚したくないから、無知な若者だったり、プロだったりを雇っていたと言う話だった。

 「まぁ、その男の言う事もあながち間違いじゃ無いからな、小狡い奴め。」「えっ、それってどう言う…。」「ハダカンボウにしてれば窃盗罪じゃないって事だ。死体は誰のものでも無いからな。」変な理屈だ、どっちにしろ盗みじゃないか。「まぁ、こちらとしても有難い。皆さんの鬱憤も溜まっているだろうし、精々紳士淑女の皆様のオモチャになってくれよ。」そう言い残して警官はその場を後にした。「…え?。」

 死刑執行三日前の事である。

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