第6話 トイレについて

「その格好で男子トイレは普通に入れますか?」

「なんやのん、急に」

「いや、こないだ買い物行った時にトイレ行ったら、なんで男が女子トイレに?って目で睨まれて」

「ああ、なるほど」

「普段は友達とかといるから怪しまれへんねんけど、たまたま1人やったからさ」

「う〜ん。たしかに女性からしたら男の人が入ってきたと思って怖いかもなぁ」

「私がその立場でも怖いやろからなぁ。そこで、見た目は女なあんたが男子トイレに入った時はどうなるんかなと」

「最初はギョッとされるけど通報されたことは無いなぁ。しだせば男とわかるし」

「そうか。女子は並んでる時間も長いし、個室やから女と証明しようもないしな。いや、致してるとこ見られたくもないけど。そう思うと男は小さい方する時はめっちゃオープンなんはどうなんやろな?」

「イヤやと思って毎回個室に行く人はおるかもなぁ。で、そのトイレで怪しまれ事件はその後どうなったん?」

「仕方ないから多目的トイレを使われせてもらいました。男女共用やから使うのちょっと抵抗あるんやけど」

「ああ、お前お店の男女共用トイレとかも嫌がるもんな」

「しかも、こんな理由で使ってええんやろかって気持ちがあったところに、トイレから出たら小さい女の子連れのお父さんが順番待ってはってさ。申し訳ない気持ちになったわ」

「ああ、それは申し訳なくなるなぁ。難しい問題やね」

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