第2話 親友、原田の死

 長い手術の結果、脳挫傷と診断された。つまり蹴りが原田の脳を傷付けた。

 脳挫傷は意識不明の状態が続き、運が良ければ正常に戻る場合もあるが。

だが大概はそう簡単に回復しないし、長期のリハビリである程度回復するが以前と同じような生活出来る保証はない。そして最悪の場合は意識のないまま亡くなる。

勿論運が良い方に掛け祈るばかりだ。ただただ原田の回復を祈るしかなかった。

しかし原田は無情にも意識不明の状態が続く。

それから三日目奇跡的に原田は目が覚めた。だが然として危険な状態が続いていた。

俺は毎日、原田のベッドの側で回復を願っていたのだが。

その三日間はほとんど眠っていなかった。いや眠れる訳がない。

「原田、ごめんな」

病室のベッドで、傍に居る俺に原田が俺に気がつくと、ゆっくり語りかけた。

 「ほっ堀内か、し心配するなよ。俺がバランスを崩したから悪いんだ」

 原田は弱々しげに語った。そんな事ないと俺は顔を横に振ってみせたた。

「す、すまん許してくれ原田。足が止められなかったばっかりに、あの蹴りが……」

そう言って原田の手を何度も握り返したが、だが依然として原田は予断の許さない状態が続いた。翌日に無情にも原田は再び意識が薄れて行った。

 それから願いも空しく、もう二度と原田は目が覚める事はなかった。


つづく


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