そんな訳ないじゃん
薔葉 姫乃 (しきは ひめの)
そんな訳ないじゃん。
私は彩花。私には、親友の桜来(さら)が居る。
いつも桜来といて、大切な親友。
学校では、
『 桜来、おはよう』
『 おはよぉー!』
『 昨日の宿題、ちゃんとやった?』
『 流石にやるよ!笑』
『 へぇ、珍しいね。答えみたとか?』
『 そんな訳ないじゃん!』
『 桜来ならやりそう笑』
『 なにそれ笑』
こんな風に、いつもたわいのない話をしている。
『 桜来、今日部活ないの?』
『 そう、今日は無いの』
『 もしかして、サボり?』
『 そんなわけないじゃん!』
『 はいはい笑』
この通り、桜来はよく”そんな訳ないじゃん”
と言う。まぁ、私がよくおちょくってるだけなんだけどね。
お互い予定があり、なかなか遊ぶことが無くなった。LINEをしてみると、お互い空いてる日があったからその日に遊ぶ予定を立てた。
桜来と久しぶりに遊ぶ。
私は嬉しくて早くその日が来ないか待っていた。
集合場所に向かおうと家を出る。
まだ20分前だが、少し早くてもいいだろう。
とにかく楽しみで、早く行くということしか考えれなかった。
集合場所に着いたが、桜来はまだ居ない。
迎えに行こうと、桜来が来る道を歩く。
後ろから救急車の音が聞こえる。
救急車は私をすごい速さで通り過ぎた。
私はなんとなく嫌な予感がして、救急車が走っていった方を必死で追いかけた。
そこには、血だらけの女性と、へこんだ車があった。きっと車がぶつかったのだろう。
そこには、見慣れたバックがあった。
いつも笑顔で手を振りながら持っているバック。
―――桜来、?
嫌な予感は的中。車に轢かれたのは桜来だった。
運転手の不注意で、ぶつかってしまったらしい。
私は桜来だと気づいた瞬間
世界の終わりのかのように視界が白黒に見えた。
桜来の葬式
私はショックでほとんど覚えていない。
ねぇ、私を置いて行くの?
いつも一緒だったでしょ、
置いて行かないでよ、
桜来がいない人生なんて、
ねぇ、?
私を置いて先に行くなんて、
先に置いていく、?
私が彩花のことを?
置いていくなんてさ、
『 ”そんな訳ないじゃん ” 』
そんな訳ないじゃん 薔葉 姫乃 (しきは ひめの) @miaimiai
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