第4話 断

 楽しみにデータ更新を待てと言っていたKだが、結局あれ以降ろくに更新もされないし、「弔うべきはK自身だ」という真意も聞けないままだ。

 あのあと一度だけ、ほんの数秒間だけKと繋がった。

 画面は砂嵐で何も映らず、音声だけの交信。その音声さえずいぶん不明瞭だった。

「……もう……、……あ…………る……」

 全然聞き取れなかったが、深刻そうな声音に感じた。「あいしてる」? それとも、「またあえる」? なんて伝えようとしたのか、ちゃんと受け取ることができなかった。

 それきり通信は途絶えてしまった。

 なのに、閉ざされた白い部屋の中でこちらの意識は目覚めたままだ。


 何かが、おかしい。

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